宮古島バブル~島の激変はまだまだ続く~

2017年頃からプチバブルと言われる宮古島。最近では「宮古島バブル」という言葉も定着しつつあります。観光客は増え続け、有効求人倍率もうなぎのぼり。仕事さえ選ばなければ働く場所はいくらでもあるような状態です。

私が移住した5年前、年間の観光客数は40万人台でした。それが、今や100万人を突破。

人が増え、車が増え、島ののんびりした空気も少しずつ失われてきているような感じがします。

この流れは今後さらに加速します。バブルの渦中にある宮古島の変化をまとめました、

バブルの序章

宮古島の観光客が底を突いたのは2011年。東日本大震災で全国的に旅行の自粛ムードが漂い、宮古島でも観光客数が低迷。年間観光客は30万人台に落ち込みました。

その後5年で観光客は急増、島に仕事の求人情報があふれるようになりました。仕事や移住で多くの人が島に来た結果、アパートやマンションの空き物件がほとんどない異常事態。私の目から見ても宮古島はバブルです。

地元では3つの大きな変化がバブルをもたらしたとされています。

伊良部大橋の開通

宮古島と伊良部島を結ぶ全長3540mの伊良部大橋。無料で渡れる橋としては日本で最も長い橋です。「離島の離島」と言われた伊良部島住民の生活苦を解消することを目的に建設が計画された橋ですが、観光業に与えるインパクトはものすごいものがありました。

伊良部大橋の開通を機に、伊良部大橋と伊良部島を特集するテレビ番組が次々に放送され、全国的な伊良部島の注目度が激増。伊良部島はもちろん、宮古島の観光客数を押し上げました。

宮古島はバブルと言われていますが、伊良部島はそれを上回る勢い。橋が開通するまで人が住んでいなかった海岸線沿いにはリゾートホテルが次々に建設され、土地の価格は急騰しています。

大阪・名古屋・福岡から直行便が就航

私が移住した5年前、島外と宮古を結ぶ直行便は「羽田―宮古」の一日1往復だけでした。

現在は「羽田―宮古」が2往復、「大阪―宮古」「名古屋―宮古」「福岡―宮古」が1往復ずつ。

ものすごい勢いで増えています。

増えたのは全てANAの直行便。ANAで新たな路線が運航されるのは、全国で年間2~3路線らしいので、どれだけ宮古路線に力を入れているかがわかります。

5年前は「羽田―宮古」の直行便に乗る以外、宮古島に来る方法は那覇経由しかありませんでした。「大阪―宮古」は乗り継ぎで4時間ほどかかっていましたが、今は2時間半です。

観光客、移住者にとっては航空路線の充実は嬉しいことですが「気軽に来られるようになりすぎて困る」という声もあります。

居酒屋などで「島のルールを無視して、都会の感覚でクレームをつける客が増えた」というのはよく聞く話です。

中国・台湾からのクルーズ船の急増

私が移住した5年前、宮古島に外国人観光客はほとんどいませんでした。観光客は日本人ばかりで、宮古島に来る方法は飛行機しかありませんでした。

今では、毎日のように中国・台湾からのクルーズ船が、大量の外国人観光客を乗せて港にやってきます。乗客のほとんどは中国人・台湾人です。今年も夏場の観光シーズンは週に5日クルーズ船が入ってきます。

一度に1000人~3000人を運んでくるクルーズ船。船が入る日は観光バスもタクシーもフル稼働。

特にタクシー不足は深刻。宮古島全体で170台ぐらいしかないタクシー。港には中国人・台湾人がタクシーを待つ長い列ができます。

タクシーが足りなくなると宮古島住民も困ります。「病院まで行きたいのにタクシーが来ない」というようなケースも多くあります。

観光バスを利用するクルーズ船の中国人・台湾人も多いです。観光バスが立ち寄るビーチや飲食店、商業施設は中国人・台湾人でいっぱい。

「のんびり買い物ができない」という理由でクルーズ船が入る時間帯にはスーパーでの買い物を避ける人もいます。

「クルーズ船で島の経済がよくなるからどんどん来てほしい」という人は一部で「もうこれ以上来ないで」という声が大半です。

加速するバブル

宮古島バブルのピークは2018年~2020年。島の風景は日々目まぐるしく変化しています。

下地島空港に国際線がやってきた

宮古には2つの空港があります。「宮古空港」と「下地島空港」です。「宮古空港」は宮古島にあり、「下地島空港」は伊良部島と小さな橋でつながる下地島にあります。

現在旅客機が就航しているのは「宮古空港」だけです。「下地島空港」はたまに訓練機が離着陸するだけの閑散とした空港した。

その「下地島空港」に、2019年3月、旅客ターミナルが整備され、新たな路線が就航します。しかも国際線がやってきました。

この小さな宮古に2つの空港が整備されるだけでも大きな驚きですが、これまで定期的に就航することのなかった国際線がやってくるというのはビッグニュース。初年度には成田、関西からのジェットスター便、香港エクスプレスの香港便が就航しました。

国際線、国内線LCCの就航は移住者にとっては「気軽に海外旅行に行ける♪」「安く里帰りできる」とうれしい面もありますが、激変する島を見てきた私としては、下地島空港の開港で島がどう変わってしまうのか、不安な面もあります。

下地島空港にLCCがやってくる~どうなる宮古島の未来~
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世界最大のクルーズ船会社が宮古島をターゲットに

宮古島の港では、これまでより大きなクルーズ船が寄港できるようにするための工事が行われています。工事が完成するのは2年後。完成すれば、世界最大のクルーズ船会社でアジアを拠点とする「カーニバル社」が優先的に使用することが決まっています。

「カーニバル社」が宮古島にやってくることで、クルーズ船が宮古島に来る回数は将来的に今の2倍以上になる予定です。

クルーズ船が入る日は、今でも観光バス不足、タクシー不足でパンク寸前なのに、これ以上受け入れて大丈夫なのだろうかと地元の人たちは今からソワソワしています。

工事が進む岸壁の近くには「カーニバル社」がターミナル施設を整備することも決まっています。

巨額投資を行う世界最大のクルーズ船会社「カーニバル社」。本気で宮古島をターゲットにしています。

「カーニバル社」が拠点としているのは中国や台湾。中国・台湾から大量の観光客を運んできます。

3年後には日本人観光客よりも中国人・台湾人観光客の方が多いなんてことになるかもしれません。

宮古島に中国人観光客が急増~クルーズ船の光と影~
ここ数年、宮古島に中国人観光客が急増しています。私が移住した5年前、宮古島に中国人はほとんどいませんでした。 2016年頃から急増した宮古島の中国人観光客。今や宮古島のビーチで中国人観光客を見ない日はないと言っても過言ではありません。...
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陸上自衛隊がやってきて人口が1000人増加

現在宮古島には航空自衛隊の基地が1ヶ所あります。他国のミサイルをレーダーで監視するための基地です。たまにヘリコプターが離着陸するだけで、戦闘訓練のようなものものしい動きはありません。普通に暮らしているとその存在にも気がつかないぐらいです。

2019年、宮古島に陸上自衛隊がやってきました。島内の2ヶ所に新たに基地が作られることになっています。1ヶ所は宮古空港から車で5分ほどの場所にある旧ゴルフ場。庁舎や宿舎、グラウンドが整備され、2019年3月に宮古警備隊が発足しました。

もう1ヶ所は、東平安名崎近くにある鉱山(保良鉱山)。迎撃ミサイルの保管場所として使用されることになっています。2019年に工事が始まりました。

宮古島にやってくるのは陸上自衛隊の「地対空ミサイル部隊」。「地対空ミサイル部隊」は「他国が発射したミサイルが着弾する前に空中で撃ち落とす部隊」です。数年前に話題になったPAC3も地対空ミサイル。つまり宮古島にPAC3が常に置かれるようになるということです。

地元では陸上自衛隊が来ることに反対している人もいますが、賛成している人の方が多いです。そして賛成している人以上に「関心がない」人たちが多いです。

宮古島にやってくる陸上自衛隊は700~800人規模。家族を含めると自衛隊関係者だけで1000人以上、人口が増える計算です。「プチバブル」でアパートやマンションの賃貸空き物件が不足している宮古島ですが、自衛隊員と家族がやってくることで、さらに拍車がかかるかもしれません。

宮古島陸上自衛隊配備計画 島民のリアルな反応は?
2019年、宮古島に陸上自衛隊の基地が完成します。警備部隊、地対艦ミサイル部隊、地対空ミサイル部隊が配備され、PAC3が常時配置されます。 私が移住してからの5年間、宮古島では陸上自衛隊配備を巡るめまぐるしい動きがありました。島内には...

まとめ

宮古島バブルの勢いは止まる気配が全くありません。

宮古島の人たちの気質は「来るもの拒まず、去る者追わず」。経済が発展する可能性のあるものなら国際線も、クルーズ船も、自衛隊も何でも受け入れようという考えです。

移住者の立場からすると「ちょっとやりすぎじゃないか」と思ってしまうこともあります。のんびりとした宮古島での生活に憧れて移住した人たちの中には、変化に耐えられず島を離れる人も出るかもしれません。

宮古島の長い歴史の中でも特に大きな変化の時。

地元の人にとっても、移住者にとっても、観光客にとっても、いつまでもすばらしい宮古島であってほしいと願うばかりです。

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