沖縄・宮古島 観光客100万人時代の7つのデメリット

沖縄の離島、宮古島の観光客が急増しています。私が移住した5年前、年間40万人前後だった観光客数は、2017年に99万人を突破。

伊良部大橋の開通。関西、名古屋、福岡の大都市圏からの直行便の就航。中国・台湾からのクルーズ船の増加。宮古島にはこの3年で観光客の急増をもたらす大きな変化がありました。

観光客が増えることで、観光業界が潤い、島が豊かになる側面もありますが、最近はメリット以上にデメリットが注目されつつあります。

「観光客が増えて迷惑だ」という声も聞こえ始めてきた今日この頃。観光客100万人時代のデメリットをまとめました。

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宮古島の観光客数の変化

宮古島の観光客数の変化です。

2013年度 400,391人
2014年度 430,550人
2015年度 513,601人
2016年度 703,005人
2017年度 988,343人
2018年度 1143,031人

(宮古島市役所まとめ)

観光客が急増した理由

2015年からの3年間で、観光客の増加をもたらす3つの大きな変化がありました。

1.伊良部大橋の開通

2015年1月31日、宮古島と伊良部島をつなぐ全長3540mの伊良部大橋が開通しました。

伊良部島住民の離島苦を解消するため、旧伊良部町や地元の団体が長年にわたって国に要請し、開通にこぎつけました。

伊良部大橋開通の観光面でのインパクトは地元の住民が想像していた以上に大きなものでした。2015年以降、テレビや雑誌などで伊良部大橋や伊良部島関連の特集が多く組まれました。

伊良部大橋開通で宮古島の注目度は一気に高まり、2015年以降、観光客は急増しました。

2.県外からの直行便の就航

2015年以降、県外と宮古を結ぶ直行便が次々に就航しました。

2015年 関西―宮古 就航
2016年 羽田―宮古 就航
2017年 名古屋―宮古 就航
2018年 福岡―宮古 就航

関西、名古屋、福岡は新規就航。羽田は1日1便が2便に増えました。

直行便就航前、関西空港から宮古空港までは乗り継ぎ込みで4時間以上かかりましたが、直行便なら2時間。宮古島までの所要時間は半分に短縮されました。

直行便の就航に合わせて各旅行会社が宮古島へのパッケージツアーに力をいれたこともあり、直行便の搭乗率は絶好調。夏場のピーク時には連日搭乗率が90%を超え、宮古島の観光客増加に大きく貢献しています。

3.中国・台湾からのクルーズ船の急増

宮古島に観光客が増えた最大の要因は、中国・台湾からのクルーズ船の急増です。

2017年に宮古島を訪れた観光客99万人のうち36万人は海路で宮古島に入っています。

宮古島へのクルーズ船の寄港数の変化です。

2015年度 13回
2016年度 86回
2017年度 147回
(宮古島市役所まとめ)

夏のピーク時はほぼ毎日クルーズ船が寄港。多い時には乗員2000人、乗客4000人が宮古島に降りてきます。乗客の大半は中国人・台湾人です。

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観光客急増のデメリット

宮古島の観光客は、島に住む私たちの想像をはるかに上回るペースで増えました。まさかこんなに早く観光客100万人時代がやってくるとは、誰も思っていませんでした。

観光客急増による影響は私たちの生活の身近なところにも出始めています。観光客100万人時代のデメリットをまとめました。

1.人手不足が深刻

観光客急増に伴い、ホテルやアパートの建設需要が高まる一方で、人手不足は深刻化しています。

建設業

離島の宮古島ではもともと労働者の数が限られていて、特に建設業は慢性的に人手不足でした。観光客の増加による建設需要の高まりで、人手不足にさらに拍車がかかっています。

陸上自衛隊の新基地や下地島空港の工事現場には県外からの労働者が大量に入っています。工事現場に出入りする車両は沖縄ナンバーと同じぐらい県外ナンバーの車が多いです。

この他にも、大型リゾートホテル建設やアパート建設など、宮古島は工事現場で溢れています。建設業の人手不足は全く解消する兆しがありません。

ホテル

ホテル業界も、観光客急増で人手不足が深刻になっています。ここ数年で新しいホテルが次々に開業。ホテル間で従業員の取り合いのような状況になっています。

地元の新聞広告でホテルの求人情報を見ない日はありません。郊外のリゾートホテル、市街地のホテルとも、従業員は足りていません。

宮古島のホテル業界はもともと離職率が高いです。人手不足で従業員の負担が多くなり、職場環境が悪化し、退職者が出るという悪循環に陥っているホテルもあります。

飲食業

観光客急増に伴ってカフェや居酒屋も次々に開店しています。飲食業界も人材不足が深刻です。

接客スタッフ、厨房スタッフとも足りていません。特に、厨房のスタッフが足りていない飲食店が目立ちます。

厨房のスタッフが足りないことを理由に、一時休業を余儀なくされている店もあります。

新しく開店した店だけでなく、長く宮古島で営業している店も、人手不足の波に飲み込まれ、働き手の確保に苦慮しています。

飲食店側はあの手この手を使って人材を確保しようと、フリーペーパーに広告を載せたり、時給を高くしたりしていますが、なかなか人は集まりません。派遣会社と提携してリゾートバイトを受け入れる飲食店も増えてきています。

リゾートバイトの受け入れには基本的に寮が必要なので、個人経営の店は手が出せず、苦しい状況が続いています。

全業種で人手不足

宮古島では全業界、全業種で人手不足と言っても過言ではありません。

慢性的に人手不足の介護・医療関係の仕事はもちろん、主婦層に人気の事務職ですら人手不足の傾向にあります。

最近では外国人労働者を受け入れる企業も出てきました。

人手不足解消のため、バイトの時給を上げたり、正社員雇用を進めているところもありますが、島全体を見れば給与水準、正社員雇用率は低いままです。(給与は30代で手取り約18万。正社員雇用率は4割以下)。

今後、宮古島では下地島空港の開業や、大規模リゾートホテルの開業が次々に予定されています。

人手不足は景気がいいことの裏返しでもありますが、宮古島のような島社会では人手不足によって経済が破たんすることもありえます。

2.交通量の増加

観光客の増加による大きな変化の一つが島の交通量の増加。ここ数年で宮古島の観光バス、レンタカーの数が大幅に増えています。県外からの労働者増加に伴い、県外ナンバーの作業者や自家用車も増えています。

観光バス

宮古島の観光バスは地元企業の宮古協栄バスと八千代バスが長年独占してきました。台数は2社合わせて50台という時代が長く続いていました。

2017年に中央交通、豊見観光など、島外の企業が宮古島に相次いで営業所を開設。協栄バスも観光バスの台数を増やしていて、島内の観光バスの台数は80台ぐらいに増えています。

レンタカー

レンタカーの台数も急増しています。

2014年 55社 1,369台
2015年 61社 1,445台
2016年 69社 1,748台
2017年 66社 2,305台
(沖縄総合事務局運輸部の公表資料より)

最近は「わ」ナンバーだけでなく、新たにレンタカーに割り振られた「れ」ナンバーのレンタカーが宮古島に急増しています。

レンタカーを借りるのは日本人だけでなく、台湾人・中国人など外国人もレンタカーを借りて運転しています。

レンタカーの数は急増していますが、夏のピーク時は需要に供給が追い付いていません。早めに予約をしないとレンタカーを確保できません。

交通事故

宮古島ののんびりした空気感は、交通量の増加によって失われつつあります。

交通量の増加に伴い、交通事故も増えています。宮古島では交通死亡事故がゼロの年もありますが、2018年には1年間に5人もの方が交通事故で命を落としました。

ここ数年宮古島ではレンタカー絡みの事故が急増しています。宮古島で発生している交通事故(自損事故も含む)の半分はレンタカー絡みの事故です。

あおり運転も確認されています。事故につながったケースはありませんが、前方の車を追い越したら、執拗に付け回されたという事例が宮古島でも複数発生してるようです。

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3.騒音

文化の違いとは言え、中国人観光客が急増したことで、騒音が問題になっています。

宮古島の美しい海に大挙して訪れ、大声で会話する中国人観光客。のんびりと海を眺めて心を静めようと思って来たのに、心がかき乱されることもあります。

大声で会話するだけならまだしも、携帯用のスピーカーから爆音で音楽を流してビーチを散策している中国人もいます。

島のスーパーマーケットはクルーズ船が寄港している時間帯、中国人・台湾人観光客であふれます。島の人たちは中国人観光客がいる時間帯を避けて買い物をしています。

4.タクシーに乗れない

クルーズ船の寄港日、タクシーはクルーズ船の乗客の送迎に集中します。

宮古島のタクシーは全部で185台。クルーズ船が寄港している時間帯は、宮古空港の待機場からもタクシーが消えます。

宮古島の高齢者は病院通いでタクシーを使っていることが多いですが、きちんと予約しておかないとタクシーはつかまりません。

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5.不動産価格の高騰

宮古島では不動産価格が高騰しています。

部屋を借りたいという需要の高まりに空き部屋の数が追いつかず、アパートの居住率は100%。賃貸空き物件はどの不動産屋に聞いても1件もありません。

家賃相場を大きく上回る価格の賃貸物件も出始めています。

ファミリータイプのアパートが多かった宮古島では、ここ数年で単身向けのアパートが次々建設されています。家賃は軒並み相場を上回っている印象です。

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6.建築価格の高騰

宮古島では建物の建築価格が高騰しています。マイホームを建てたくても、高すぎて建てられません。

宮古島の建物のほとんどは台風対策で鉄筋コンクリート造。ただでさえ木造よりもお金がかかる上に、人手不足、資材不足で建築価格はさらに高騰しています。

宮古島市が空港近くに建設したドーム施設や、建設予定の市役所の新庁舎の建設費用も、人手不足や資材不足を理由に高騰。当初の予算を上回っています。

施工業者が複数の現場をかけもちしている場合が多く、工事はなかなか進みません。着工までに時間がかかり、着工してからも工事が進まず、予定より完成が遅れるというのが定番です。

7.居酒屋の予約が取れない

以前は予約なしでも居酒屋に入れましたが、2016年頃から予約なしでは入れない居酒屋が増えてきました。

夏の観光客が多い時期には、居酒屋10店舗に電話をかけてもどこも満席なんてこともありました。

観光客が多すぎて入れなくなった食堂もあります。

「大和食堂」がその代表例。5年前までは地元の人たちが昼休みにそばを食べにふらっと訪れる店でしたが、今では毎日観光客が店の前に行列を作っています。

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まとめ

沖縄・宮古島、観光客100万人時代のデメリットをまとめました。

デメリットはメリットの裏返し。観光客が増加の恩恵を受けている人も多くいます。

ただし、最近は「これ以上の観光客は迷惑」という声が広がりつつあり、メリットよりもデメリットが注目されがちです。

今後、大型リゾートホテルの開業やクルーズ船の寄港増加が予定されていて、宮古島の観光客がさらに増えることは間違いありません。

観光客増加によるデメリットが少なくなり、観光客も島の人たちも心豊かに過ごせる島社会になることを願うばかりです。

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