下地島空港タッチアンドゴー訓練 定期便就航でどうなる?

3月30日、下地島空港に新ターミナルが開業し、成田空港からの定期便が就航しました。

パイロット養成訓練場として1979年に整備された下地島空港。飛行機が滑走路に着陸し、勢いを落とすことなく再びエンジンをフル回転させて離陸する「タッチアンドゴー」は多くの航空ファンたちを魅了してきました。

JAL,ANAのパイロット養成訓練終了後も、下地島空港ではバニラエアやソラシドエアなどのLCCを中心に訓練飛行が行われてきました。

下地島空港に定期便が就航しても、訓練飛行場としての機能がなくなるわけではありません。訓練が行われればタッチアンドゴーを見ることができます。

ただし、定期便就航に伴って空港外周道路への車の進入が禁止となり、撮影スポットへのアクセスはかなり不便になりました。

訓練飛行場としての役割

下地島空港はパイロット養成のための訓練飛行場として1979年に完成しました。JALやANAが頻繁に訓練を行っていましたが、2012年にJALが、2014年にANAが訓練から撤退しました。

2019年3月、下地島空港に新ターミナルが開業。成田空港からの定期便が就航しました。新ターミナルを整備したのは三菱地所。空港を管理する沖縄県が下地島空港の利活用案を民間から公募し、三菱地所の事業者に選ばれました。

三菱地所は「空港からリゾートはじまる」をコンセプトに、国内線LCC、国際線を中心に、下地島空港への航空会社の就航を誘致しています。

下地島空港の新ターミナル開業は「民営化」と表現されますが、空港の滑走路も飛行機の駐機場も管制塔も、空港のほとんどの施設を所有しているのは沖縄県。三菱地所が所有するのは新しいターミナル施設のみです。

空港全体を管理するのは沖縄県の下地島空港管理事務所。下地島空港への飛行機の離着陸を管理するのも、三菱地所ではなく、下地島空港管理事務所です。

下地島空港への定期便就航が増えれば、訓練飛行がなくなることもありえますが、現状は多くて1日3往復便のみの就航。下地島空港管理事務所が訓練飛行を断る理由はありません。

下地島空港の赤字経営を立て直すには、訓練飛行も含め、飛行機の離着陸を増やすしか方法はありません。

撮影スポットへのアクセス

下地島空港北側の外周道路は飛行機のタッチアンドゴーを撮影する絶好のポイントです。

エメラルドグリーンの海をバックに滑走路に近づいてくる飛行機。海上から滑走路へ、頭の真上をエンジン音と共に通過していく飛行機。滑走路に滑り込み、そのままの勢いを維持して再び離陸する機体。

航空ファンでなくても、下地島空港のタッチアンドゴーは一見の価値があります。

ジャンボジェット機が訓練していた頃、下地島空港北側の外周道路はタッチアンドゴーを撮影できる航空ファンの聖地とされてきました。

2015年の伊良部大橋開通まで、宮古島から下地島へはフェリーで行くしかありませんでした。橋の開通後は、宮古島の市街地から下地島空港までは車でわずか30分の距離になりました。

伊良部大橋の開通で、下地島空港外周道路には、航空ファンだけでなく、観光客もたくさん集まるようになりました。観光客の目当ては、外周道路の周辺に広がる遠浅の美しい海と、干潮の時だけ現れる幻のビーチ。タッチアンドゴー以上に、外周道路周辺の景観が人々を引き付けるようになりました。

「17END」という愛称でSNSに発信されはじめると、観光客が急増。休日は、空港外周道路は大混雑。レンタカーはもちろん大型観光バスも外周道路に停車し、観光客を乗り降りさせていました。

伊良部大橋開通前はテトラポットを下りて幻のビーチに足を踏み入れる人はほとんどいませんでした。橋の開通による観光客急増で幻のビーチは「みんなで下りれば恐くない」状態になり、人で溢れるようになりました。マリンレジャー業者やビーチフォト撮影の業者も進出し「17END」は無法地帯に。

あまりの無秩序さに、下地島空港新ターミナル開業に合わせ、空港管理事務所が外周道路への車両通行止めを決定。車での立ち入りは禁止となりました。

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タッチアンドゴーを見る方法

定期便就航後も、訓練が行われればタッチアンドゴーを見ることができます。JAL,ANAの訓練撤退後、下地島空港管理事務所は訓練スケジュールを公表していませんが、空港では不定期でタッチアンドゴー訓練が行われています。

タッチアンドゴーの撮影スポット「17END」へは、車では立ち入り禁止となりましたが、歩いてなら行くことができます。


立ち入り禁止となるのは全長約2キロの図の赤線部分。撮影スポットまでの距離は「始」マークのある通り池側からは300メートル、空港ターミナル側からは1300メートル。

空港ターミナル側からは歩いて15分はかかる距離なので心が折れそうになりますが、通り池側からはそれほど遠くありません。

立ち入り禁止エリアの外側に駐車場があるわけではないので、歩いていく場合、車を路上駐車することになります。

まとめ

下地島空港新ターミナル開業、定期便就航後も、パイロット養成訓練飛行場としての役割がなくなるわけではなく、従来通りタッチアンドゴーを見ることはできます。

ただし、空港外周道路の車両通行止め措置により、撮影スポットまでのアクセスはかなり不便になりました。

定期便就航が増えれば、国際線を含め、様々な航空会社の機体を見ることができるようになりますが、就航があまりに増えるとタッチアンドゴー訓練はなくなるかもしれません。

JAL、ANAの訓練撤退から5年。リゾート空港として生まれ変わった空港は吉と出るか凶と出るか。下地島空港から目が離せません。

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