男性の育休義務化に未来はあるか 仕事に逃げる男・あきらめる妻

男性の育児休暇義務化の検討が始まりました。国連からは日本人男性の育休取得率の低さが指摘されました。

日本人男性は育休を取りません。男性の育休取得率はわずかに2%。子供が生まれれば当然のように女性が育休を取ります。

出産をきっかけに仕事を辞めたり変えたりする女性はいますが、男性は仕事を辞めることも変えることもありません。

私たち夫婦は沖縄の離島、宮古島に暮らしています。私も妻も働いています。

仕事よりも家族を大切にする宮古島の人たちに囲まれて子育てをする中で、日本人男性が育児休暇を取らない本当の理由が見えてきました。

男性の育休義務化に未来はあるのでしょうか。

子供が主役

沖縄の離島、宮古島。人口約5万4千人の小さな島です。子供の数は一学年約600人。島には住民全員が親戚のような空気感があります。

宮古島は子供が主役の島。子だくさんの家庭が多く3人兄弟は当たり前。私の周りには5人兄弟も、6人兄弟もいます。

島の人たちは助け合って子育てをしています。子育てでは親に頼り、兄弟に頼り、親戚に頼ります。保育園の迎えに祖父母が来ていることも多いです。

子供が生まれると家に親戚や友人、職場の同僚を招き、盛大に誕生を祝います。多い家では100人以上がお祝いに訪れます。

小学校入学祝いや高校合格祝いも盛大に行われます。子供たちは世界の希望。島の子はみんなの子。みんなで守り、みんなで育てる。そんな雰囲気が島中に満ちています。

移住者の私たちはなかなか地元の人たちの和の中に入ることができませんでしたが、子供の誕生をきっかけに知り合いの輪が広がりました。

島の人たちは初対面の子供にも「かわいいね」「何歳?」と声を変えてくれたり、お菓子をくれたりします。

兄弟が多い分、島の子供たちは自分より小さい子と遊び慣れています。公園では小さい子に順番を譲ったり、手を貸したりすることが自然にできます。

子育てへの理解

宮古島に来て感動したのは職場の子育てへの理解。

子供が発熱し、保育園への迎えが必要な時、都会の企業なら、いかにも申し訳なさそうな顔を作り、上司に頭をさげ、嫌味を言われて、身を隠すように会社から出て行かなくてはなりません。

宮古島では「大丈夫?早く行ってあげて」と送り出してくれます。

周囲の子育てへの理解があることは、子育てをする上で大きな心の支えになります。

子供の運動会やおゆうぎ会の日には、当然のように仕事を休んだり抜けたりします。

宮古島の人たちは、仕事よりも家族が大事という価値観で生きています。

仕事熱心な人や職人気質の仕事人間もいますが、家族のために生きている同僚の価値観は尊重してくれます。

育児休暇

宮古島でも育児休暇を取得している男性はほとんどいません。子供を出産すれば女性が育休を取るか、転職するか、仕事を辞めるかです。

宮古島も基本的には男性社会。男性は育児休暇を取りたがらず、男性が育休をとれるような空気感もありません。

宮古島の男性は育児休暇は取りませんが、子育てのサポートには熱心です。保育園の送り迎えに来ている父親は多いです。家に帰れば、洗濯、食事、洗い物、翌日の保育園の準備をします。

宮古島ではワンオペで育児の母親はほとんどいません。給料が少ない宮古島では、旦那の給料だけでは生きていけません。妻も当然のように働きます。夫婦2人で働き、夫婦2人で子供を育てる。仕事も、家事も、育児も、どちらかの負担が極端に大きくなることはありません。

我が家も共働きの子育て世帯。妻も私も同じように働き、同じように家事、育児をしています。都会に住んでいた頃は「子育ては女性がするもの」と思い込んでいました。宮古島に来てからは当然のように家事も育児もしています。

育休を取らない理由

仕事よりも家族を大切にする宮古島に住み、子育てをする中で、男性が育児休暇を取らない本当の理由が見えてきました。

私自身、育児休暇を取りたいとは思いません。妻に育児休暇を取ってほしいと思います。育児休暇を2度とった妻を見て、自分は働いていた方が楽だと感じます。

掃除、料理、洗濯、洗い物、保育園の送り迎え。妻が育児休暇を取っている間は、ほとんど妻に任せきりでした。妻が職場復帰してからは、家事育児を妻と2人で平等に分け合っています。

妻が育児休暇を取っている間、仕事をしていた私は正直とても楽でした。

妻が職場復帰して以来、仕事も家事も育児も目が回るほどのスピード感でこなしている私から言わせれば、家事・育児をしているよりも仕事をしている方がよほど楽です。

自分が育児休暇を取るよりも、妻に育児休暇を取ってもらった方がよほど楽です。

子供が生まれる頃には、男性は30歳前後になっていることが多いです。30代になれば新人時代とは違って仕事の要領を把握し、仕事の息抜きの仕方、サボり方も身についています。

初体験の育児に比べれば、慣れ親しんだ仕事の方が楽なのは当然です。

子育て初心者の母親にとって、24時間子供につきっきりで、オムツを変え、ミルクを作り、離乳食を作るのがどれだけ大変か。料理、掃除、洗濯、洗い物。兄弟がいれば、上の子の保育園の送り迎え、保育園の準備。

子育ては思い通りにはいきません。子供が熱を出せば小児科に連れて行くのも母親です。

男性が育児休暇を取らない本当の理由は「仕事の方が楽だから」。

世の男性の中には共感できない人もいるでしょう。「子育ては誰にでもできる。この仕事は俺にしか出来ない」と言う人もいるでしょう。ただ、この発言自体が、家族より仕事を大切にしている証拠です。

仕事に逃げる男

都会で働いていた頃の職場を思い出せば、仕事に逃げていた男性が山ほど思い浮かびます。

仕事が大変だ、俺は忙しいという空気感を出しながら、喫煙所でタバコをふかし、いつまでたってもだらだらと会社に残っている。

新人時代の私には理解できませんでしたが、今なら彼らの立場が手に取るようにわかります。家に居場所がない。奥さんがワンオペ育児。会社の方が居心地がいい。

家に居場所がなってしまった男性は、会社でストレスを発散します。家でたまったストレスを会社で発散する悲しい男性は、日本中に溢れています。

仕事に逃げる男性は、現代社会の被害者です。男性が仕事に逃げるようになった最初のきっかけは、妻の育児休暇取得。

出産直後、妻が育児休暇を取ることで、妻が中心となって子育てをするという流れができてしまいます。男性は育児の大変さを知ることもないまま仕事に逃げます。仕事の方が子育てより大変だと勘違いします。

まとめ

日本人男性が育児休暇を取らない本当の理由は「育児よりも仕事が楽だから」です。

もし育児の方が仕事より楽ならば、育児休暇を取りたいという男性はもっとたくさんいるはずです。育児休暇を取らない男性たちの本音は「育児は妻に任せたい」です。

宮古島の人たちは仕事よりも家族を大切にします。都会にこの空気感はありません。都会の人にはこの文章は全く響かないかもしれません。「何をのんきなことを言ってってるんだ」と一蹴されるかもしれません。

男性の育休取得義務化は簡単には進まないでしょう。ただ、仕事に逃げる男性が減らない限り、日本の子育て環境はよくなりません。

家族を持つ男性にとって本当に大切なことは何か。それを守るためにはどうすればいいのか。
真剣に考え直す時期に来ていると感じます。

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