宮古島に木造一戸建て住宅が増えている理由

宮古島移住5年のshimagurashiです。

宮古島では木造住宅は台風に弱いという考えが定着していて、木造住宅は普及してきませんでした。宮古島の住宅の99%は鉄筋コンクリート造りです。

2018年頃から宮古島に木造一戸建て住宅が増え始めています。なぜ木造住宅が普及し始めたのか。宮古島に木造住宅が増えている3つの理由をまとめました。

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1.県外業者の参入

宮古島では1950年代~60年代に台風によって木造家屋の多くが壊滅的な被害を受けました。島の人たちには木造住宅は台風に弱いという考えが広がり、鉄筋コンクリート造りの住宅が急速に普及しました。

宮古島には大米建設や先島建設、共和産業のような大企業から小さな企業まで50社以上の建設会社があります。地元の建設会社が施工する建物はほぼ全てが鉄筋コンクリート造りです。

地元企業で木造住宅を建てているのは平成5年に設立されたオーシャンシギラぐらいですが、木造住宅は全くと言っていいほど普及せず、宮古島で木造住宅を見る機会はほぼありませんでした。

2018年頃から増え始めた木造住宅。

宮古島に木造住宅が増えている1つ目の理由は、県外企業の参入です。宮古島の市街地エリアで愛知県や福岡県の建築業者が木造の住宅を建て始めました。県外業者は木造の一戸建て住宅を注文販売したり、建売りしたりしています。

これまで宮古島に島外の建築業者が入ることはありませんでした。

宮古島で鉄筋コンクリートを作るには生コンクリートの調達が必須。生コン調達のためには宮古島の生コン共同組合から買うしかありませんが、島社会の宮古島では島外企業には生コンを売ってくれません。

そのため、これまで島外の建築会社が宮古島に参入することはありませんでした。

木造住宅建築で宮古島に入っている県外業者は自分たちで資材を島外から調達しています。建設作業員も島外から来ています。

県外業者は「今の木造住宅は強い」「石垣島にも建てている」と台風への強さや施工実績をアピールし木造住宅を販売しています。

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2.建築費用が安い

木造住宅は鉄筋コンクリートに比べて建築費用が圧倒的に安いです。

宮古島で木造住宅を建てた知人によると、木造なら同じ予算で鉄筋コンクリート造りの2倍の広さの家を建てられます。

宮古島はバブルと言われる好景気。島内はこれまでにない建築ラッシュです。

空港のターミナルビルやリゾートホテル、公共施設、アパートの建築工事が同時並行で進み、島の建築業者はどこもパンク状態。資材不足、人件費の高騰で、建築コストが高騰しています。

鉄筋コンクリート造りの新築一戸建て住宅の建築坪単価はうなぎのぼり。2015年頃は約80万円でしたが、2018年までに100万円を突破。2019年現在、130万円とも150万円とも言われています。

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建築費用があまりに高いので、地元の人で家を新築している人はほとんどいません。

そこに現れたのが木造住宅を売る県外業者。県外業者は県外から人と資材を自前で調達するのでバブルと無縁。安く家を建てたい人たちの一部は、木造住宅に流れ始めています。

3.施工期間が短い

木造住宅は鉄筋コンクリート造りに比べ、施工期間が短いです。一般的に木造住宅は早ければ3ヶ月で完成しますが、鉄筋コンクリート造りは半年かかります。

宮古島では建設ラッシュの影響で鉄筋コンクリート造りの建物の施工期間がこれまで以上に伸びています。新築一戸建て住宅は着工から1年たっても完成しません。

建設ラッシュの宮古島では建物が工期内に完成しません。宮古島市の公共施設でさえ完成が大幅に遅れています。一戸建て住宅で遅れないわけがありません。

建設ラッシュの宮古島では、どの施工業者も複数のホテルやアパートなどの建築現場を掛け持ちしています。人手も、クレーンなどの重機も足りません。着工も遅れ、完成も遅れます。

木造住宅を建てる県外業者は、アパートやホテルの建設ラッシュとは無縁。バブルの宮古島でもスイスイ工事が進みます。

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まとめ

宮古島に木造住宅が増えている3つの理由は「県外企業の進出」「建築費用が安い」「施工期間が短い」

バブルの宮古島では木造住宅の建築費用の安さや施工期間の短さなどのメリットが際立ちます。

宮古島には台風によって木造住宅が壊滅的な被害を受けた過去があります。地元の人の多くは木造住宅を信頼していませんが、今後木造住宅が増えれば、島の人たちの考えも少しずつ変わっていくかもしれません。

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