宮古島の中途採用の給料が新卒と変わらない理由

宮古島移住5年のshimagurashiです。

このブログに何度も書いている通り、宮古島移住生活がうまくいくかどうかは仕事の選択次第。移住10年以上の先輩移住者は、宮古島で長く続けられる仕事を見つけています。

宮古島の仕事探しで一番のネックになるのが給料の少なさ。20代、30代、40代で転職する場合、本来は「中途採用」の扱いとなり、新卒とは待遇面で大きな差がつきます。

しかし、宮古島では中途採用も新卒採用も給料も待遇もかわりません。中途採用という概念自体がない企業も多いです。

宮古島の中途採用の給料が新卒と変わらない理由をまとめました。

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「社員採用」=「中途採用」

宮古島の大半の企業には中途採用という概念がありません。理由は新卒で採用試験を受ける人がほとんどいないからです。宮古島では「社員採用」=「中途採用」です。

宮古島には小学校、中学校、高校はありますが、大学、専門学校はありません。

島の子供たちは高校を卒業すると島を出ます。

宮古島の高校の卒業生は4高校あわせて約600人。300人は大学に、200人は専門学校に進学します。残りの100人は就職しますが、島内で就職するのは10人~20人ほどです。

卒業生600人の95%は島を出ます。

島を出たまま島外で家庭を築き、島に帰って来ない若者も多いです。

長男は30歳ぐらいで島に戻ってくるケースもありますが、島を出た若者の半数は島に帰ってきません。

宮古島に帰って来ない一番の理由は、宮古島には仕事がなく、給料が少ないから。都会で働いた方が、仕事の選択肢が多く、給料も高いです。

移住希望者にとって宮古島はとても魅力的な島ですが、宮古島に生まれて18歳までこの島で育った子どもたちの大半は、島を出たくてうずうずしています。

中学卒業後島を出て沖縄本島の寮付きの高校に進学する生徒も多いです。

「18になったら島を出る」が宮古島の常識。

宮古島の子供たちは先輩たちの姿を見て、自分も18になったら島を出るんだと当然のように思いこんでいます。

新卒で社員を募集しても、誰も応募してこないので、新卒採用をしている地元企業はありません。宮古島では「社員採用」=「中途採用」です。

実績は考慮されない

宮古島では20代でも、30代でも、40代でも、新入社員は新卒と同じような扱いを受けます。

移住者が社員採用された場合も同じです。

都会の企業で新卒社員が任されるような雑用を、年齢に関係なく新入社員が行います。

掃除、ゴミ捨て、新聞の整理、宴会の準備など。新入社員は本業以外に雑務が多いです。

移住前の実績は基本的に考慮されません。学歴も、職歴も関係ありません。

移住前にどんな立派な企業でどんな立派な役職についていても、宮古島ではゼロからのスタートです。

これを受け入れられない人は、宮古島移住はうまくいきません。

採用試験では当然のように地元出身者が優先的に採用されます。コネ採用ももちろん多いです。

いつ帰るかわからない移住者よりも地元出身者を優先的に採用するのは企業心理を考えれば当然のことです。

宮古島では都会に比べ、アットホームな雰囲気の職場が多いです。小さい職場だと、社員同士が家族の延長のような関係です。

宮古島出身者の絆はとても強いです。宮古島出身というだけで、仲間意識が芽生えます。18で島をでた若者たちは、島を出てからも宮古島出身者同士で連絡を取り合ったり、飲み会をしたりしています。

見知らぬ人でも、宮古島出身者が東京で出会えば、それだけで意気投合します。

宮古島では「地元出身」というだけで、大きなプラス評価を得られます。地元出身者と移住者、どちらと家族になりたいかと言えば、当然地元出身者です。

地元出身者なら、必ずどこかでつながります。

親同士が同級生だったり、兄弟の友人だったり。

新入社員で入ってきたあいつは平良中学校の51期生らしい。じゃあ○○と同級生だね。という感じで自然と会社のファミリーの和に入って行けます。

移住者は移住前にどんな立派な企業に勤めていようが、蚊帳の外からのスタート。仕事にまじめに取り組み、成果を上げ続け、会社に貢献することで、ファミリーの和への入り口がようやく開けます。

移住者にとって宮古島の企業で働くことは簡単ではありません。

宮古島の給料事情

宮古島の給料はとても少ないです。

沖縄県の給与水準は全国平均の3分の2と言われています。宮古島はそれをさらに下回ります。

宮古島の求人情報を調べればわかりますが、初任給は14万円~20万円の間に収まります。16万円~18万円ぐらいのところが多いです。

宮古島には中途採用という概念がないので、20代でも30代でも40代でも、最初に貰う給料は16万円~18万円です。

昇給もほとんどありません。私は宮古島の企業で正社員として働いています。30代ですが月給は19万円台。ギリギリ生活していけるレベル。子育て世代なら、共働きは必須です。

地元企業の給料が少ないのはもちろん、島外資本の企業の給料も少ないです。

リゾートホテルやマリンレジャー業、レンタカー、居酒屋なども給料はかなり低いです。特にリゾートホテル従業員の給料は都会のホテルに比べかなり少ないです。

都会の一流ホテルのホテルマンの半分ぐらいの給料で、朝から晩まで働かされているイメージ。ブラック企業と噂されているリゾートホテルもあります。

宮古島には三菱地所や小田急のグループ会社が進出していますが、宮古島の現地採用の給料は本社採用に比べかなり少ないです。

三菱地所は宮古島で下地島空港ターミナルを運営しています。運営を行うのは三菱地所が出資する下地島エアポートマネジメントという会社。空港で働く人はこの会社に雇われることになります。給料は地元企業並みです。

宮古島には小田急グループのホテルが複数あります。運営はグループ会社の沖縄UDSが担っています。ホテル従業員は沖縄UDSが雇います。給料は地元企業並みです。

宮古島に移住するなら給料の少なさは覚悟しなければなりません。宮古島移住者の暮らしは決して楽ではありません。

宝くじがあたったり、お金に余裕がある定年退職後の移住者は生活にゆとりがありますが、働き盛り世代の移住者の大半は安月給で働いています。

宮古島の給料事情については「なぜ宮古島の給料は安いのか 移住してわかった薄給の理由」に詳しくまとめました。

宮古島の雇用形態ごとのリアルな給料は「宮古島の仕事探し|正社員・アルバイト・建設作業員のリアルな給料は?」を読んでみてください。

「中途採用」は狭き門

宮古島の企業には「中途採用」という概念はありません。20代でも30代でも40代でも、新入社員は新卒と同じ扱いです。

かなり狭き門ですが、一部例外があります。

島外資本のホテル業者が幹部候補生という形で、経験者採用をしている場合があります。

宮古島最大のリゾートホテル群を展開する「南西楽園リゾート」は、定期的に幹部候補生という形でマネージャーの募集を行っています。ホテルのマネジメント経験があると優遇されます。一般社員に比べるとかなり待遇がいいです。

「雪塩」ブランドを展開する宮古島の地元企業「パラダイスプラン」は、定期的に各部署のまとめ役を担う幹部候補生を中途採用で募集しています。一般社員に比べると待遇が良いです。

新規オープンのリゾートホテルが、現場責任者やマネージャーを高待遇で募集しているケースもあります。

ホテルでのマネジメント経験や通訳としてのスキルがある人は優遇されます。

いわゆる「中途採用」は宮古島では狭き門ですが、採用を勝ち取ることができれば、他の移住者よりも恵まれた移住生活が待っています。移住生活がうまくいく確率はぐっと高まります。

中途採用を前提とした転職サイトに情報が出る場合は要チェックです。宮古島でも「中途採用」としてきちんと扱ってもらえる高待遇の採用情報が出ることがあります。

まとめ

宮古島の中途採用の給料が新卒と変わらない理由をまとめました。

宮古島には新卒採用や中途採用という概念がありません。新入社員は基本的に新卒社員のような扱いを受けます。本業以外の雑務が多いです。

年齢に関係なく、給料は少ないです。職歴や学歴は考慮されません。地元企業の場合、移住者より地元出身者が優先的に採用されます。

宮古島の給料はとても少ないです。大半の移住者は少ない給料でギリギリの生活をしています。

「中途採用」として優遇を受けられる仕事も一部あります。転職サイトに掘り出し物の求人情報が出ることがあるので、移住希望者は要チェックです。

宮古島移住はいばらの道です。もしもあなたが20代で現状に行き詰まって移住を考えているなら、その思いも含めて転職エージェントに相談することをオススメします。

私は宮古島移住を後悔しています。「移住せずに転職しておけばよかった」が私の本音です。

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