【宮古島】4月の観光客1万人はウソ|島民が見たコロナショックの実態

宮古島在住のshimagurashiです。

宮古島の観光客は新型コロナウイルスの影響で激減しています。

国の緊急事態宣言が出された4月。宮古島市は月間観光客数を1万人と発表しました。

去年に比べ9割の大幅減ですが、実際は1万人も来ていません。もっと少ないです。

このまま観光客が来ない日が続けば、宮古島経済は壊滅的な被害を受けます。

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4月の観光客数

宮古島の過去5年の4月の観光客数です。

2016年 61,829人
2017年 87,224人
2018年 98,210人
2019年 88,178人
2020年 10,793人
(宮古島市ホームページより)

宮古島バブルの波にのって、増加傾向にあった宮古島の観光客。

最近は8万人台~9万人台で推移していましたが、2020年は9割減の10,793人と発表されました。

1日あたりに換算すると約300人。これでもかなりの激減ですが、実際はもっと少ないと推測されます。

激減の理由

4月上旬、国が緊急事態宣言を出し、不要不急の外出自粛を求めました。

沖縄県や宮古島市は、島の医療体制を守るため、島外からの旅行を控えるよう呼びかけました。

宮古島への航空便、船便は大幅減となりました。

県外からの直行便は全て運休。宮古島には羽田空港からJAL,ANA、成田空港からジェットスター、関西空港からANA、ジェットスター、中部空港からANAの直行便が飛んでいましたが、全て運休となりました。

那覇と宮古島を結ぶ航空便も半減しました。

宮古島唯一の国際線、香港エクスプレスの香港―下地島便も運休しています。

週3日~6日のペースで寄港していた海外からのクルーズ船は全てキャンセルとなりました。

宮古島の観光客の4割は、海外からクルーズ船で宮古島を訪れる外国人観光客。

3月はクルーズ船は全便キャンセルとなりましたが、飛行機は普通に飛んでいました。3月の宮古島の観光客数は42,237人で、去年に比べると5割減にとどまっていました。

1万人も来ていない

宮古島の4月の観光客は1万人と発表されていますが、実際は1万人も来ていません。

宮古島ではクルーズ船の乗客は全員観光客としてカウントされています。

飛行機の観光客数は、月ごとに混在率(乗客の何割が観光客か)をもとに計算されています。

現在使われている4月の混在率は観光客77.6%、島民22.4%。2018年以降この数値が使われています。

2020年4月の宮古島への飛行機の乗客数は13,908人。このうち77.6%が観光客として計算された結果、観光客数は10,793人となりました。

問題は77.6%という観光客の割合。

2018年時点の調査結果がそのまま使われているので2020年もこの割合を用いで計算されていますが、実際はもっと少ないです。

新型コロナで緊急事態宣言が出る中、宮古島に来た人の大半は、島外への急用があった島民、仕事の関係で宮古島に出入りした人です。

旅行自粛が強く呼びかけられる中、宮古島に来た観光客も一部いますが、多く見積もっても全乗客の30%ほど。

観光客の混在率30%で計算すると、2020年4月の観光客は約4千人です。

島民の感覚

実際に宮古島に住んでいる感覚からすると、4月の宮古島は本当に静かでした。

観光客の姿を見かけることはほとんどありませんでした。

ホテルの稼働率は1割以下。休業するホテルもありました。

普段の宮古島ならピーク時は道路を走る車の半分はレンタカーですが、レンタカーはほとんど見かけませんでした。

レンタカーショップの駐車場にはレンタカーが溢れていました。

ゴールデンウィーク期間には少しは観光客を見かけましたが、いつもの年に比べると圧倒的に少なかったです。

観光バスを使った団体旅行はゼロ。

家族旅行やグループ旅行もほとんど見かけませんでした。

1人旅、2人旅の若い観光客をちらほら見かける程度。

観光地の前浜ビーチや砂山ビーチは駐車場の封鎖措置が取られ、絶景のビーチからは人が消えました。

月間観光客1万人は30年前の水準ですが、実際の観光客数はさらに少ないです。

経済活動再開

5月中旬、緊急事態宣言が解除され、宮古島でも経済活動が再開しています。

少しずつですが、飲食店や居酒屋の営業が再開しています。

駐車場が封鎖されていた前浜ビーチや砂山ビーチなどの観光地は解放され、自由に入れるようになりました。

宮古島市は引き続き「旅行は自粛してほしい」というスタンス。

緊急事態宣言が解除されても、急に観光客が増えることはありません。

離島の宮古島の場合、観光客数は飛行機の便数に大きく左右されます。

今後観光客数がどのタイミングでどの程度戻るのか。東京・大阪・名古屋からの直行便がいつ復活するかに注目です。

宮古島の経済は我慢の時。

飲食店や居酒屋では「営業できない」「営業しても客が入らない」状況が続き、赤字幅が膨らんでいます。

観光客が戻れば経済活動は活発化しますが、コロナのリスクは増します。

感染者ゼロが続いてきた宮古島で1人でも感染者が出れば、島の空気は一変します。「観光客を入れるな」という声が再び島を支配してしまうかもしれません。

宮古島観光のピークは4月~9月。旅費が一番高いのはゴールウィークと夏休みです。

冬は観光客が減ります。宮古島の観光業者は冬の赤字を夏に補って利益を出しています。

3月に新型コロナウイルスが感染拡大し始めた頃、観光業者は「きついけど、夏じゃなくてよかった」と歯をくいしばって耐えていました。

4月には影響が深刻化し、稼ぎ時のゴールデンウィークも観光客はほとんどいなくなりました。

旅行自粛が夏まで続けば、宮古島の観光業者は大変なことになります。

1日も早くコロナが収束し、何のストレスもなく宮古島に旅行に行ける、観光客を受け入れできる日が来ることを願うばかりです。

まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大で宮古島の観光客は激減しています。

4月の観光客は1万人と発表されましたが、実際はもっと少ないです。実際4月に宮古島に来た観光客は4千人程度と推測されます。

観光客激減で4月の宮古島はとにかく静かでした。

宮古島バブルに翻弄された移住者としては、静かな宮古島は大歓迎ですが、このままでは島の経済が破たんします。

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