離島の仕事はきつい|5年住んでわかった島暮らしの現実

沖縄の離島宮古島在住のshimagurashiです。

宮古島移住前「離島の仕事は大変だよ」と知人にアドバイスされながらも、青い海とのんびりした島時間があれば大丈夫だと思い込んで移住した私。

5年後の今、ようやく知人の言葉の意味を理解し、離島の仕事のきつさに耐える日々を送っています。

離島にはどんな仕事があるのか。なぜ仕事がきついのかをまとめました。

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離島の仕事リスト

離島のサイズによって仕事の幅は異なりますが、私が住む宮古島のように人口5万人規模の離島だと、かなり幅広い仕事があります。

観光、医療福祉、生活関連・・・。ざっと上げるだけでもかなりの業種があります。

【公務員】
市役所職員
県職員
税務署職員
裁判所職員
法務局職員

【観光関連】
ホテル
民宿
ペンション
レンタカー
マリンショップ
ネイルサロン
マッサージ

【医療福祉】
医師
看護師
介護士

【生活】
ガス会社
電気店
空調機器
散髪屋
美容室

【教育】
学校教諭
保育士
学習塾
英会話スクール
保育士

【建築】
建築工事
左官工事
建物解体
鉄筋工事
防水工事
水道工事
電気工事
リフォーム

【輸送】
航空貨物
海運業

【飲食】
居酒屋
カフェ
食堂
弁当屋

【農林水産業】
農業
漁業
畜産業

離島移住が成功するかどうかは仕事の選択次第と言っても過言ではありません。

生活のために仕事は必須。1日8時間は働かなくてはなりません。

「離島暮らし」という言葉の響きは魅力的ですが、生活が落ち着くと、職場と家の往復で毎日が過ぎていくなんてことにもなりかねません。

離島の仕事がきついポイント

沖縄の離島宮古島で会社員として働く私。

友人にはホテル従業員も看護師も介護士も農家も公務員も先生もいます。

職種別にきついポイントをまとめます。

公務員

離島で圧倒的な人気職業は公務員。

離島出身者は地元の市役所に入れればエリート。「人生安泰だね」と言われます。

市役所職員採用試験の倍率は3~5倍ぐらい。

宮古島でも公務員の給料は会社員より高く、特にボーナスで差がつきます。

会社員は年齢を重ねても昇級しなかったりしますが、離島でも公務員はしっかり昇級します。

給料は全国の自治体の平均が基準になっているので、離島だからと言って極端に給料が低いことはありません。

きついポイントは「コネ採用」が多いことぐらい。

宮古島市役所では800人ぐらいが働いています。

従業員数が多く、人事異動も多いので、人付き合いが苦手な人は少し苦労します。

昔はコネ採用が多く、全く仕事ができないのに出世した上司の下で理不尽な思いをして働くこともあります。

課長がいきなり「明日休む」ということも少なくありません。

宮古島の人たちは家族を大事にするので、家族の行事で簡単に仕事を休みます。

本人にとっては休みがとりやすい良い環境ですが、休む上司に周りが振り回されている部署もあります。

部長と課長で言ってることが違ったり、お局的なめんどくさい上司がいたりもします。

選挙で市長が変わると、人事ががらりと変わることもあります。

閉鎖的な離島では、選挙結果が役所の人事に影響するのはよくある話です。

市民の中には市役所職員になれなかったひがみからか、市役所を厳しい目で見たがる人もいます。

常に市民にチェックされている感覚は、市役所職員のストレスの源です。

観光関連

離島で移住者がすぐにでも働けるのは観光関連。

ホテル、民宿、ペンション、レンタカー店は人手不足の所が多く、移住者もすぐに受け入れてもらえます。

観光関連は経営者が島外出身者の場合も多く、移住者を採用するハードルが他業種に比べるとかなり低いです。

観光関連業の職場は地元の人よりも移住者の割合が多いです。

宮古島では県外資本の大型ホテルが次々にオープンしています。新規オープンのホテルは人手が足りず、東南アジアから外国人労働者を受け入れるところも増えてきました。

宿泊業は時間が不規則で、体力的に厳しいです。

ブラック企業と噂されるホテルもあります。ブラック企業は離職率が高く「人が辞める→残る人がきつくなる→人が辞める」の悪循環に陥っているホテルもあります。

ホテル従業員は、離島に遊びに来る観光客をもてなす立場。

「離島で癒されたい」と思って移住しても、観光関連で働くなら、仕事をしている間は「癒される側」ではなく「癒す側」。クレーマーに発狂しそうになることもあります。

「こんなはずじゃなかった」とストレスをためる人も多いです。

レンタカー従業員も人手不足が激しく、忙しいです。

若い送迎スタッフはレンタカー店と空港を毎日何十往復もします。

従業員同士気が合って息抜きができたり、空港での待ち時間に他ショップの送迎担当と仲良くなってグチを言い合ったりできれば楽ですが、一人でストレスを抱えて鬱になる人もいます。

医療福祉

離島でも資格は強いです。

離島だからこそ、資格は絶大な力を持ちます。

宮古島に移住して開業している医師は、苦労もありますが人生を楽しんで生きています。

離島のオジーオバーの方言が理解できなかったり、気性の荒い漁師気質のおじさんの診療でストレスを感じることもありますが、慣れれば問題なし。

看護師や介護士はきついです。

看護師・介護士は慢性的に人手不足なので資格があればすぐに働けますが、離島だからといってストレスが軽減されるわけではありません。

離島でも看護師・介護士は重労働。不規則な勤務と人間関係のストレスは離島も同じです。

オンとオフのメリハリをつけ、休日は離島を満喫するパワーがあれば離島でもやっていけますが、仕事のきつさに打ちのめされて休日インドアの離島ライフを送っている移住者もいます。

建築業

「離島といえば建築業」と言えるほど離島では建築業の存在感は大きいです。

宮古島は人口5万人程度ですが、大小合わせると100社は建設業者があります。

離島は田舎。

田舎ほど政治家と建築業者がつながっているのは全国共通。

田舎では、開発して建築業者がもうかれば島が潤うという常識が浸透しています。

宮古島も市議会議員の何人かは建設業者のボスです。

余談ですが、最近の宮古島はバブルで建築ラッシュが激しくなりすぎて「島の自然がなくなる。開発止めて」派が市民の中で拡大しつつあります。

とはいえ、開発ラッシュで建築業がもうかり、経済がうまく回り、歓楽街がもうかったのも事実です。

離島で絶大な存在感を持つ建築業。移住者が正社員として働くのは至難の業。

特殊な資格を持っていない限り、ゴリゴリの地元企業への就職はかなり厳しいです。

建築業者で働けたとしても、ボスも従業員も離島出身者なので、話についていけなかったり、飲み会がきつかったりで苦労します。

離島は人と人とのつながりで仕事が成り立っているケースも多く。人脈の全くない移住者はどんなに優秀でも仕事をとれません。

建築業に限らず、地域に根付いた企業の場合、移住者は戦力になりにくいです。

離島の給料は高くありません。

経験が豊富だったり、特殊な資格がある場合は給料も高くなりますが、何の資格もない移住者は年齢や社会経験に関わらず、最初の給料は16万~18万ぐらいです。

飲食業

飲食業で働く移住者は多いです。

飲食業で働く移住者の大半は単身移住者。

若い女子がリゾートバイトで移住し、居酒屋やキャバクラで働き、数カ月で帰っていくケースが目立ちます。

リゾートバイトは寮完備なので、気軽に移住できます。

離島が気に入れば長く働けばいいし、気に入らなければ別の土地に行けばいい。

離島との相性、職場との相性、同僚との相性は、移住してみないとわかりませんが、リゾートバイトなら気楽です。

離島で家族を養うなら飲食業だけではきつく、ダブルワーク、トリプルワークをしている人もいます。

居酒屋やカフェを経営して成功している移住者もいますが、失敗して帰っていく人もいます。

離島だと歓楽街や観光客が立ち寄るスポットは限られています。

人が集まる場所に出店できれば居酒屋・カフェ経営成功の可能性は高まりますが、移住者には土地を貸さない地主も多いです。

土地を確保できたとしても、店の内装、食材の確保など、人脈がない中で地元業者との関係を作っていかなくてはならないので大変。

店のリフォームで、移住者には高値で見積もりを出す業者もあります。

実績のない移住者には食材を卸さない店もあります。

移住者が離島で商売を始めるなら、地元で信頼できる人を見つけ、商売がうまくいくか、取引先の業者選びは間違っていないか、見積価格は適正かなど、細やかに相談しながら事業を進めなければ、痛い目にあいます。

農家・漁師

一番ワイルドな離島移住は農家・漁師として働くパターン。

他業種とは比べ物にならないほどのガッツと忍耐力が求められます。

農業・漁業は経験がすべて。どれだけ知識があっても離島ではうまくいきません。

地元の先輩農家・漁師のアドバイスをもらえない限り成功は難しいです。

農家の場合、土の質、気候、農薬の種類、植える時期、適した作物などなど、一からすべて先輩に教えてもらえる立場にならなければうまくいきません。

漁師も、漁法や漁場を学び、地元の漁協に入れてもらえなければ生計は立てられません。

縁もゆかりもない離島で、農業・漁業の人脈を広げるのは大変なことです。

どこの馬の骨化もわからない移住者に構っていられるほど離島の農家は暇ではありません。

休みなし給料なしで3年ぐらい地元の農家に弟子入りして働くぐらいの覚悟がなければ、離島で農家として生きていくなど無理です。

仕事のかたわら家庭菜園レベルで作物を育てるのと、農業で生計を立てるのは全く別の話。

私は離島で5年暮らし、農家の知り合いも増えましたが、生まれ変わってもこの島で農家として生きていける自信は全くありません。

仕事と家が大事

離島生活がうまくいくかは仕事と家次第。

どこで働き、どこに住むかはとても重要です。

離島に住むだけでも人生の大冒険なのに、仕事も家も同時に探さなければなりません。

せっかく仕事と家を確保しても、離島との相性が悪く数ヶ月で帰る人もいます。

最初は【スミジョブ】のような住み込みの仕事に特化した求人サイトを使うのもありです。

まとめ

離島の仕事がきつい理由をまとめました。

移住者が離島で生計を立てるのは簡単ではありません。

仕事が見つかっても、仕事のストレスが原因で離島そのものを嫌いになってしまう人もいます。

離島暮らしの現実は厳しいです。離島でのスローライフを実現するには、少なくとも最初の5年ぐらいは仕事のきつさに耐える覚悟が必要です。

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