仕事を辞めて南の島に移住した私が5年後どうなったか

沖縄に移住して5年のshimagurashiです

「仕事を辞めたい」「南の島に移住したい」

都会で働いていると、誰でも一度はこんなことを考えたことがあるのではないでしょうか。

私は新卒で入った会社を20代後半で辞め、宮古島に移住しました。今思えばかなり思い切った決断でした。

移住前は希望に満ちていた、憧れの南の島での生活。5年後私はどうなったのか。移住からの5年間をまとめました。

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仕事を辞めた理由

新卒で希望の業種の会社に入社した私。入社当初はやる気に満ち溢れていました。

入社数年は、社会人がどんなものかわからないので、とりあえずがむしゃらに働いてみようと、一生懸命でした。

受験勉強、就職競争の中で生きてきた私には、仕事で成果を出すことでしか、自分に価値を見いだせませんでした。

仕事で成果を出すためにプライベートを犠牲にして働く日々。少しずつ仕事を覚え、成果が出る喜びを感じる一方で、心も体も少しずつきつくなっていました。

土日がきちんと休める仕事ではなく、残業も多い職場でした。入社から数年、気がつけば会社と家の往復で過ぎていく毎日。心のゆとりがなくなり、何のために働いているのかわからなくなりました。

新卒当初は自分の会社のことしか見えませんが、入社から数年すると、他業種の会社や同業他社の実態も見えてきます。

心にゆとりがなくなると、どうしてもマイナス思考になってしまい、休みが少ないことや、残業が多いことに不満を感じるようになりました。

給料は決して高くなく、残業代がカットされることもありました。今思えば、パワハラやセクハラに近いこともありました。

典型的なブラック企業ではありませんでしたが、働いている人たちは会社に何かしらの不満を抱えていました。

一度マイナス思考が始まると、そのループからなかなか抜けられません。この会社に留まったまま何十年も働き続けて幸せになるイメージが抱けなくなり、仕事を辞めました。

南の島での生活

今思えば、転職活動をすればよかったのかもしれませんが、当時の私は南の島への移住を選びました。

仕事でへとへとになるまで働く毎日が苦しく、常に「幸せってなんだろう」と考えていた私。どこか遠いところへ行って、人生をゼロから見つめなおすぐらいの軌道修正をしなければ、幸せにはたどり着けないと考えていました。

憧れの南の島、沖縄の離島、宮古島での生活は、最初のうちは希望に満ちていました。

私は縁あって宮古島に移住しましたが、移住先が石垣島でも、沖縄本島でも、北海道でも、長野でも、移住当初は幸せを感じられたと思います。

それは「牢獄から脱出した」という感覚に近いものでした。脱出出来ただけで、大満足。脱出した先には圧倒的な大自然とゆっくりと流れる島時間。人生が明るく開けた瞬間でした。

週末にはシュノーケリングに行ったり、水平線に沈みゆく夕日を眺めたり、旅行では発見できなかったおいしい居酒屋や宮古そばの店を発掘したり。気分は人生の夏休み。島暮らしは想像通りにすばらしいものでした。

宮古島の仕事

南の島に移住したからといって、働くことを辞めたわけではありません。地元企業で正社員として働き始めました。

仕事に慣れるまではそれなりに大変でしたが、前職の経験を活かせる部分もありました。職場の景色も新鮮で、意欲的に働きながら、休みの日はしっかり遊ぶ。メリハリのある生活を送れるようになりました。

仕事を通して宮古島での人脈も広がり、宮古島独自のお酒の飲み方など、仕事を通して宮古島の風習に触れるのも嬉しいことでした。

しかし、移住生活は順風満帆にはいきませんでした。

移住生活が苦しくなった一番の理由は、仕事。

南の島の職場だからと言って、休みが多いわけではありません。むしろ少ないです。宮古島では土曜日も働いている人がとても多いです。週休1日もあたりまえ。もちろん残業もあります。

給料は都会の企業に比べると圧倒的に少ないです。初任給も低いし、その後の昇給も微々たるもの。残業代は適正に支払われず、ボーナスがない会社もあります。

私は移住前に比べれば休みは少しは増えましたが、それを差し引いても給料はかなり少なくなりました。残業を強いられることもあります。残業代は適正には支払われません。

冷静になって周りを見てみると、宮古島で会社員として働いている移住者仲間は、みんな何かしら仕事への不満を抱えています。

休みが取れない。給料が少ない。残業代が支払われない。嫌いな同僚がいる。毎日同じことの繰り返しでストレスがたまる。

宮古島移住から5年を待たずして、3年目には、宮古島から帰りたくなりました。

なぜ仕事を辞めたいのか考える

南の島に移住すれば、環境は大きく変わりますが、自分自身の生まれ持った性質は変わりません。

私は他人より物事に不満を感じやすい人間で、他人よりも忍耐力がない人間です。

移住前の職場から逃げてきた私。南の島に移住したからといって、不満を感じやすい性格や忍耐力が変わることはありません。

この記事を読んでいるあなたが仕事を辞めて南の島に移住したいと考えているなら、一番大切なことは「なぜ仕事を辞めたいのか」を冷静に考えることです。

「今の職場から脱出したい」と「南の島で暮らしたい」を天秤にかけて「今の職場から脱出したい」という気持ちが上回っているなら、転職活動から始めることをおすすめします。

南の島に行かなくても、転職すれば、今の職場から脱出できます。

転職で業種を変えることはリスクを伴います。同業他社であれば経験を活かせますが、業種が変わればゼロからのスタートです。

宮古島移住の3年後、都会で働く友人に「仕事を辞めて島根に移住したい」と相談されたことがありました。私は彼女の話を深く聞く前に「島根である必要はない」と言いました。

仕事がきつく、精神的にゆとりがない時、人はどこかに希望の光を求めます。たまたま旅行で訪れた場所が、キラキラと光り輝いて見えることがあります。

でも、それは運命のキラキラではない場合が多いです。そのキラキラは現実逃避のキラキラであって、その場所自体が輝いているのではありません。

冷静さも大切

仕事を辞めて南の島に移住した私。

移住生活を舐めていた私は、島暮らしに行き詰まり、南の島に来なければよかったと後悔するようになりました。

南の島に移住した私は勝ち組ではなく負け組です。

人生は一度きり。思い切りも大切ですが、冷静さも大切です。

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