沖縄離島に中国人観光客が急増~島民のリアルな反応は?~

沖縄の外国人観光客は増える一方。特にここ最近目立つのは、石垣島や宮古島など、沖縄離島での中国人観光客の急増です。

沖縄離島の中国人観光客の多くは、クルーズ船で来島します。石垣島、宮古島とも年間130隻以上のクルーズ船が寄港しています。

夏のピーク時には中国・台湾からの船が毎日のように寄港し、島内の観光地は中国人観光客で溢れます。

沖縄離島に急増する中国人観光客の島内での行動と、島民のリアルな反応をまとめました。

※2020年1月29日追記
新型肺炎の流行で中国政府が海外への団体旅行を禁止したことで、中国から沖縄離島へのクルーズ船が全てキャンセルされました。

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クルーズ船の寄港回数

沖縄の2大離島、石垣島・宮古島へのクルーズ船寄港回数です。

石垣島
2014年 73回
2015年 84回
2016年 95回
2017年 132回
2018年 107回
(沖縄総合事務局資料より)

宮古島には
2014年 0回
2015年 13回
2016年 86回
2017年 130回
2018年 143回
(沖縄総合事務局資料より)

クルーズ船の発着点は主に中国の厦門、台湾の基隆。乗客の大半は中国人・台湾人です。

クルーズ船の定番ルートは、3泊4日で沖縄本島、宮古島、石垣島の3島を周遊するルート。2泊3日で沖縄本島と離島を周遊するツアーも人気です。

クルーズ船は冬も含め、年間を通して寄港します。沖縄観光トップシーズンの夏場のピーク時には、週に6回クルーズ船が入ってきます。

クルーズ船は1回の寄港で最大乗客4000人、乗員2000人を運んできます。午前中に港に到着し6時間~8時間ほど滞在する場合が多いです。

同時に2隻のクルーズ船が寄港することもあります。

中国人観光客の行動

中国人観光客の沖縄離島での行動パターンは大型バスツアー、タクシー、レンタカー、徒歩の4つです。

私が住む宮古島での中国人観光客の行動をまとめました。

大型バスツアー

大型バスツアーは、島内の観光地、食事処、ショッピングセンターを周遊するもの。バスには通訳が添乗します。

宮古島には65台の観光バスがありますが、クルーズ船が寄港する日にはフル稼働状態です。

タクシー

タクシーでの観光も人気。3時間~5時間タクシーを貸し切り、島内を巡るツアーが定番です。

宮古島には185台のタクシーがありますが、クルーズ船寄港時はフル稼働状態です。

レンタカー

台湾からクルーズ船が入る日は、レンタカー利用も目立ちます。OTSレンタカーがホームページを外国語対応しています。旅行前に予約し、港で車をレンタルするパターンが多いです。

中国人観光客は、国際免許証は発行できません。中国からのクルーズ船が入る日は、レンタカー利用はほとんど見られません。

徒歩

港周辺を歩いて観光する人もいます。港に近いパイナガマビーチは中国人観光客で溢れる時間帯があります。

港から市街地エリアの繁華街まで歩く人もいます。クルーズ船が寄港する日には、西里通り周辺の繁華街のカフェや土産物店にも多くの中国人がいます。

島民の反応

沖縄離島に急増する中国人観光客。私が住む宮古島では5年前は中国人観光客は全くいませんでした。最近は、毎日のように中国人を見かけます。

島民の中国人観光客への反応は、批判的なものの方が多いです。バス業者、タクシー業者、免税店、ドラッグストアーなどクルーズ船のおかげで儲かっているところもありますが、普通に生活している市民の多くは迷惑に感じています。

クルーズ船が入る日、パイナガマビーチ前や、市役所前、飲食店前には大型バスが路駐し、中国人観光客を乗り降りさせます。その間周辺道路は混雑します。

クルーズ船寄港時のタクシー不足は深刻です。タクシーの大半がクルーズ船の乗客送迎に集中するので、市民がタクシーを利用できません。

飲食店経営者からは、トイレを汚される、ゴミを持ち帰らない、飲食物を持ち込む、中国人がうるさくて店の雰囲気が台無しなど、不満の声があがっています。窃盗被害にあった店もあります。

クルーズ船寄港時はスーパーに中国人観光客が溢れます。店の外のベンチで惣菜を飲み食いする中国人も多いです。クルーズ船が来る時間帯を避けて買い物に行く人は多いです。

会社員の私は平日に中国人に居合わせることは少ないですが、休日のビーチでは中国人をよく見かけます。港に近いパイナガマビーチで子供を砂遊びさせていたら、200人ぐらいの中国人観光客がぞろぞろやってきたことがありました。

全員がマナーが悪いわけではありませんが、ビーチでタバコを吸う、つばを吐く、子供の写真を勝手に撮るなど、子連れの私としては耐えがたいこともありました。ビーチでスピーカーから大音量で音楽を流している人もいました。

島民の中国人観光客への反応をまとめると「これ以上はこないでほしい」という意見が大半です。

今後宮古島ではクルーズ船専用の岸壁が整備され、これまでより大きな船が寄港できるようになります。下地島空港の国際空港化も予定されています。

観光関係者は海外からの観光客を積極的に誘致していますが、島民の思いとはギャップがあります。

まとめ

沖縄離島には中国人観光客が急増しています。この流れは今後さらに加速することになりそうです。

石垣島、宮古島とも、人手不足が深刻。今後は中国、台湾、東南アジアなどからの外国人労働者の受け入れも積極的に行われるようです。

ありのまの自然が残り、穏やかな島時間が人々を魅了してきた沖縄の離島。その風景は劇的に変わりつつあります。

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