大学・専門学校がない宮古島 子供たちの進路は?

宮古島に移住して5年のshimagurashiです。我が家は30代の子育て世代。子供はまだ小さいですが、この先も宮古島で子育てすることを考えると、離島の生徒たちがどのような進路を選んでいるのかは気になるところ。

宮古島の子供の数は、一学年500人前後。宮古島には小学校18校、中学校15校、高校4校がありますが、大学や専門学校はありません。

子供たちの大半は高校卒業後島を出ます。県外の大学に進学する生徒、島内の専門学校に進学する生徒、就職する生徒。子供たちの進路は様々です。

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高校卒業後の進路

宮古島には宮古高校、宮古総合実業高校、宮古工業高校、伊良部高校の4つの高校があります。宮古島と橋でつながる伊良部島にある伊良部高校は2021年に廃校となり、宮古島の高校は3つになります。

高校3年生の大半は高校卒業後島を出ます。正確なデータはありませんが、宮古島の高校3年生約500人の進路は、200人が大学に進学、200人が専門学校に進学、100人が就職といったところ。

大学や専門学校に進学する生徒は、高校卒業後島を出ます。就職する生徒たちも多くは県外、島外企業に就職。500人の生徒のうち島に残るのは20人ほどです。

沖縄本島の琉球大学、沖縄国際大学、沖縄大学、名桜大学に進学する生徒もいますが、大学に行く生徒の過半数は県外の大学に進学します。

専門学校の場合、県外よりも沖縄本島に進学する生徒の方が多いです。専門学校に進学した生徒は公務員や看護師、保育士、美容師などを目指すケースが多いです。

学力は高い?

宮古島の子供たちの学力は決して高くありません。全国の生徒を対象に毎年行われている学力テストで、沖縄県は小学生が6年連続、中学生が7年連続最下位という時期がありました。宮古島の学力も県平均と大差はありません。

宮古島に受験戦争はありません。高校受験が定員割れしていて誰でも希望の高校に入れるような状況なので、子供たちの受験に対する意識は甘いです。親も含めて勉強よりも部活を重視する傾向にあるように感じます。

大学入試が初めての本格的な入試。宮古島の受験生にとって、大学入試は過酷です。センター試験は島内の高校で受けることができますが、二次試験は大学のキャンパスでしか受験できません。

飛行機を乗り継ぎ、宮古島にはない電車や地下鉄にも乗ることになります。都会は人が多く、受験の時期は宮古島に比べるととても寒いです。普段とあまりに違う環境の中で、平常心で試験に臨むことが求められます。

学力を重視する親は、沖縄本島の高校に子供を進学させます。子供たちは中学卒業後島を離れ、沖縄本島の進学校で寮生活を送ることになります。

島に帰ってくる割合は?

進学で宮古島を離れた地元出身者はどれぐらいの割合で島に戻ってくるのでしょうか。宮古島では、親の面倒は長男が見るという考えが定着していて、長男は30代で戻ってくることが多いです。長男ではない男性や女性は島外で結婚し、そのまま島には戻ってこない場合が多いです。

宮古島は子だくさんの島です。今の50代、60代には、5人兄弟・6人兄弟という人たちがとても多くいます。兄弟の数が多い分、島に帰ってくる人の割合は少ないです。地元出身の50代の知人は「3割も帰ってきていない」と言ってました。

私と同じ30代の子育て世代の友人は「帰ってきているのは半分ぐらい」と言ってました。子供の数が少なくなっている分、帰ってくる子供の割合は増えているのかなと感じました。

男性は、単身で帰ってくる人もいれば、妻子連れで帰ってくる人もいます。女性は、宮古島出身の男性と結婚すれば島に帰ってくることもありますが、島外に嫁に行ったまま帰ってこないことの方が多いです。

地元出身者の強い絆

宮古島は人口約5万4000人の小さな島。一学年の子供の数は500人前後。宮古島出身者同士の絆は、高校卒業後、島外に出ることで、さらに深まります。

宮古島の人たちは、自分たちの島に対する思いが強いです。どこの出身か?と聞かれて沖縄ですと答える人はいません。必ず宮古島ですと答えます。

大都市圏には必ず「郷友会」という宮古島出身者の集まりがあります。大都会で宮古島出身者に出会うことは、家族と再会するような喜びがあるようです。

親を助けるため、兄弟で同じ地域の大学、専門学校に進学する子供たちも多いです。兄が名古屋の大学に進学したら、弟も名古屋に進学して一緒に暮らす。という感じです。

父親が宮古島出身で母親が県外出身者の場合、母親の出身地の大学・専門学校に進学する生徒も多いです。

まとめ

宮古島に大学、専門学校はありません。宮古島の子供たちのほとんどは、高校卒業後島を出ます。

島を出た地元出身者の半数以上は、そのまま島外で暮らします。島には戻ってきません。

宮古島で育っている私たちの子供も、いつか島を離れる日がきます。

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