宮古島に移住して住み込みで働く場合の注意点

宮古島は観光客の急増と開発ラッシュによって「バブル」と言われています。特にホテル業や建設業はかなりの好景気で、求人情報もあふれています。

移住者にとっては、これまでにないほど就職のチャンスがありますが、宮古島はアパートやマンションの賃貸空き物件がない異常事態。

せっかく仕事を見つけても、住む場所がなければ移住はできません。

賃貸空き物件がない状況はこの先もしばらく続きそうなので、どうしても今すぐ宮古島に移住したいという方は、寮のある職場で働くのが現実的です。

社員寮やアルバイト用の寮など、宮古島に寮のある職場はどんどん増えています。

寮のある職場で働くことで、引っ越しも楽になり、移住のハードルを下がりますが、寮での生活経験がない人は不安もあるかと思います。

しかも、ここは沖縄の離島、宮古島。内地ではあたりまえとされていることが通用しない場合もあります。

宮古島に移住して住み込みで働く場合の注意点をまとめました。



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実際に寮を見てから決める

百聞は一見にしかず。実際に寮を見せてもらってから働くかどうかを決めた方がいいです。どうしても見せてもらえない場合でも、写真や間取り図を見せてもらうことをオススメします。

1人部屋か相部屋か

宮古島の企業の寮には、1人部屋のところもありますが、2人部屋や3人部屋など、相部屋ところもあります。

都会のシェアハウスのように「それぞれの生活空間+共用スペース」という形の寮はありません。相部屋の寮として使われているのは、家族向けに作られたアパートやマンションの一室です。

私の住んでいるアパートにも、夜のお店の住み込みで女性3人ほどが暮らしている部屋があります。私の家と間取りが全く同じなのでよくわかりますが「よくこの狭い空間で他人と暮らせるな」というのが正直な感想です。

間取りは3DK。6畳の部屋が3つと、6畳のDK(ダイニングキッチン)
風呂、トイレが1つずつあり、ベランダがある、どこにでもあるアパートです。

他人と生活するにはあまりに狭いです。

トイレも風呂も共用。廊下から脱衣所はまる見え。クローゼットのない部屋もあります。エアコンなしでは暮らせませんが、全ての個室にエアコンはあるのでしょうか?ベランダのない部屋もあります。洗濯物はどうしてるんでしょう。禁煙者にとっては、タバコを吸う同居者がいたら大変です。

相部屋の場合、同じ職場の人と同じ家で暮らすことになります。職場のストレスが家に帰っても発散できない。職場の人間関係を家にも持ち帰らないといけません。

リゾートバイトのような形で、期間限定で住み込みで働く場合はありかもしれませんが、定住を目標にする場合は、相部屋はかなりハードルが高いです。

浴槽はあるか

宮古島の人たちは浴槽(バスタブ)に入る文化がありません。お風呂はシャワーだけですませます。浴槽のない物件はとても多いです。ここ数年で建てられた新しいアパートやマンションには浴槽がついている物件もありますが、古いアパートやマンションの部屋には浴槽がない場合が多いです。

私も宮古島に来てからはシャワーで済ませることが多いのですが、1ヶ月に1回ぐらいは浴槽に入りたいと思います。

島に銭湯はありません。「宮古島温泉」という市民が利用する温泉がありますが、利用料金は900円。銭湯に比べると倍以上の値段です。

宮古島に住む場合、部屋に浴槽があるかどうかは重大なチェックポイントです。

エアコンはあるか

宮古島の夏は、エアコンなしでは乗り切れません。

私たちのアパートには備え付けのエアコンがありませんでした。移住1年目は、エアコンなしで扇風機だけで頑張ってみました。気合いでひと夏は乗り越えましたが、毎晩汗だくで寝ていました。耐えられなくなり2年目にはエアコンを購入しました。

寮にエアコンがあるかは必ず確認しましょう。「扇風機があるから大丈夫」「風通しがいいから大丈夫」なんてことは絶対にありません。

6月、7月、8月、9月は特にとても暑いです。これ以外の時期に部屋を下見して「エアコンがなくても大丈夫」と勘違いしないようにしましょう。

1階と最上階に注意

1階は虫が多いです。虫どころか、ヤモリやゴキブリも平気で家の中に入ってきます。虫が苦手な方は1階はやめておきましょう。階数が上に行けばいくほど虫は少なくなります。

最上階は他の階よりも暑いです。日差しで屋根が熱されるので、最上階には熱がこもります。何日も晴天が続くような日はエアコンをつけても室温が下がりきらないことがあります。それほどまでに南国の太陽は強力です。

その他確認した方がいい点

・インターネットやテレビは使えるか
・光熱費、インターネット使用料金は家賃に含まれているか
・部屋は清潔か(特にキッチンや風呂などの水まわり)



簡単に帰れる

寮を完備しているということは、宮古島の外から人を雇うことを想定しているということです。

宮古島には地元の人ばかりが働く職場、移住者が多い職場がありますが、寮のある職場は、働く仲間もほとんどが移住者です。

宮古島の人が多い職場だと、宮古島独自の仕事のルールやお酒の飲み方に苦労する場合もありますが、移住者が多い職場だとそのような苦労はありません。

寮がある職場は、働く人の入れ替わりが激しいです。住み込みで働く人の中には期間限定のリゾートバイトで宮古島に来ている人たちもいます。

寮の場合、賃貸住宅に比べると引っ越しも簡単で身軽に宮古島に来られますが、その分簡単に宮古島を離れることもできます。

リゾートバイトで宮古島に来る人たちは「どうせ期間限定だから宮古島に深入りはしない」というスタンスです。定住を目指して住み込みで働き始めたのに、期間限定組に影響されて、すぐに内地に帰っていく人もいます。



寮生活のリスク

住み込みで働くことによるリスクもあります。寮で働くということは、仕事だけでなく生活の多くの部分も雇用主にゆだねるということです。

仕事を失うことは同時に住居も失うことになります。寮生活のリスクについても理解しておきましょう。

景気が悪くなったら

寮を完備している職場は、本社が島外にある場合や、移住者が経営している場合が多いです。宮古島の地元企業なら、どんなに景気が悪くても会社がなくなることはほぼないと思いますが、島外資本の企業や、移住者が経営するお店などは「景気が悪くなったから宮古島から撤退する」可能性があります。

特に「バブル」と言われるここ数年の宮古島の好景気の流れに乗って事業を拡大し、従業員数を増やしているところは、景気が悪くなった時に規模を縮小する可能性があります。

一概に「寮がある」=「不安定」とは言えませんが、景気が悪くなった時、どちらのリスクが高いかといえば、寮がある企業だと思います。

今後数年はこの好景気が続きそうですが、5年後、10年後、20年後のリスクを考えることも必要かもしれません。

仕事が嫌になったら

職場が嫌になった時のリスクもあります。住み込みで働いている場合、仕事をやめことは、住居を手放すことでもあります。

アパートやマンションの賃貸空き物件がない異常事態の宮古島。住居を手放してしまったら、新居が見つからず、宮古島には住めなくなるかもしれません。

住み込みで働きながら、寮がある別の職場を探すこともできますが、次の仕事が簡単に見つからないかもしれません。

賃貸物件に住んでいれば「職場を辞め、アルバイトでつなぎながら次の職場を探す」こともできますが、寮で働く移住者はこれができません。

寮で働く場合「仕事を辞める」=「住居を手放す」ということを理解しておきましょう。

家族が増えたら

単身で移住し、寮で働く移住者はとても多いです。寮は基本的に単身移住者向けなので、結婚したり子供が生まれたり出来たりした場合、寮には住めなくなることがあります。

宮古島は賃貸空き物件がない異常事態なので、簡単にはアパートやマンションの部屋は借りられません。

将来的に宮古島で結婚し、家庭を築くことまで想定している方は、単身寮に住めなくなるリスクを考えておく必要があります。

まとめ

宮古島に移住し住み込みで働く場合の注意点をまとめてみました。

引越しの大変さや賃貸空き物件がない状況を考えると、住み込みで働くことで移住のハードルは低くなります。

しかし、景気が悪くなった場合や、仕事が嫌になった場合、家族が増えた場合には、住み込みならではのリスクがあることも事実です。

私の周りで長く移住生活を楽しんでいる人のほとんどは、一軒家やアパート、マンションに暮らしています。寮で10年も20年も生活している人はいません。

定住を目指して宮古島に移住するのであれば、はじめは住み込みやリゾートバイトでも、将来的にはアパートやマンションへの引っ越しを想定しておくことをオススメします。



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