沖縄の離島、宮古島への移住を考えている皆様に、島暮らしのリアルな情報を提供するために立ち上げた本サイト。
宮古島移住5年の私が、自分自身の経験や、周りの移住者に聞いた話をもとに、様々な角度から情報を発信しようと心がけています。
移住者の憧れは「悠々自適にスローライフ」ですが、実際は「移住は実現したけどスローライフにはほど遠い」という移住者がとても多い。
宮古島に移住して驚いたのは、長く宮古島で暮らしている移住者ほど、働き者でまじめだということ。
「せっかく移住したのだから」と、のんびり暮らすことを最優先してしまうと、仕事がおろそかになり、収入と生活費のバランスがとれなくなり、焦りが出始め、スローライフとはかけ離れた精神状態になっていきます。
こういうタイプの人は、何もない島に飽き、3年以内に帰って行くことが多いです。
特に、30代・40代の働き盛り世代は、宝くじでもあたらない限り、「沖縄の離島でスローライフ」なんて実現できないと思います。
「沖縄離島に移住してスローライフを実現するために必要なもの」は、ズバリ、お金。
沖縄離島に限ったことではなく、日本全国どこを探してもそうだと思います。スローライフを実現している人の共通点は、お金に余裕があること。
沖縄の離島に移住したからと言って、お金に余裕がなければ、スローライフなんてできません。
お金がある移住者
私の周りに「スローライフ」を実現している移住者はほとんどいません。みんな、一生懸命働いています。
20代~30代ぐらいの若者で、定職につかずアルバイトをしながらプライベートに重点を置いて生活している移住者はいます。リゾートバイトのサイトに登録して宮古島で住み込みアルバイトとして働きながらプライベートを充実させている人も多いです。
このタイプはとてもアクティブ。毎週のようにマリンレジャーを楽しんだりしていますが、何年かすると島からいなくなっています。
お金に余裕があり、スローライフを実現している人は、ごく一握りです。
体操の元オリンピックメダリスト森末慎二さん
お金に余裕がある移住者の代表は、体操の元オリンピックメダリスト森末慎二さん。
サトウキビ畑の広がる場所に、大豪邸を建てて暮らしています。最近は市街地に天丼屋も開店させました。
森末さんがテレビなどで、島暮らしのすばらしさを語ることはありますが、これをうのみにしてはいけません。
森末さんの島暮らしがすばらしいのは、お金に余裕があるから。
毎朝ゆっくり目覚めて、朝日を見ながらモーニングコーヒーを飲んで、サトウキビ畑を散歩する。そんな生活をしている移住者は宮古島にはほとんどいません。
テレビで芸能人が語る沖縄移住のイメージと、実際に暮らすイメージは全く違います。一番の違いは「お金」です。
我が家の場合
我が家は30代の共働き世帯。未就学児の子供が2人。毎日が戦場のように忙しいです。
6時に目覚め、朝食を作り、子供を起こし、朝食を食べさせ、保育園の準備をし、お便り帳を書き、子供を着替えさせ、保育園に送り、仕事に行く・・・
子供が小さい家庭は全国どこでも大変だと思いますが、目が回るほど忙しい。
ゆっくりモーニングコーヒーを飲む時間も、サトウキビ畑を散歩する時間もありません。そんな時間があったら眠りたいというのが本音です。
子供がもう少し大きくなれば少しは落ち着くと思いますが、今は、生活の中で宮古島に住んでいる実感はあまりありません。
お金はないけど移住したいあなたへ
「人生にはお金よりも大切なものがある」
「沖縄の離島にはお金では買えないものがある」
移住前、私もそう考えていました。確かに、宮古島には都会にはないすばらしいものがたくさんあります。
見知らぬ人にも「こんにちは」とあいさつする子供。初対面の小さな子と遊んでくれる小学生。渋滞がなくノーストレスの通勤。エメラルドグリーンの海まで車で5分。
宮古島に移住してよかったと思う瞬間は何度もあります。
ただ、島暮らしの現実はそんなに甘くありません。SNSで充実した沖縄ライフを発信している人たちも、水面下では足をバタつかせて一生懸命働いています。もちろん悩みやストレスもあります。
私自身、お金には余裕がありません。
お金はないけど移住したい人に、一つだけアドバイスできるとしたら「移住すれば楽になるという考えは危険」だということ。
都会のストレス社会を抜け出し、沖縄離島への移住。移住そのものが救いになるように感じがちですが、そんなことはありません。移住して楽になるのは最初の数カ月です。
移住先でも地に足をつけてしっかり働き、生活を営もうという気持ちがなければ、島暮らしは長続きしません。