宮古島移住5年のshimagurashiです。
宮古島移住の大きなハードルの一つがお金の問題。
引っ越し資金、移住後の収入、生活費はいくら?貯金はいくらあればいい?
宮古島移住のお金の疑問に答えます。
貯金はいくら必要?
移住後の仕事が決まっているなら、最低限貯金として必要なのは、引っ越し資金、住居の契約費、宮古島への渡航費+α。100万円あれば安心です。
移住後に仕事を探すパターンだと、200万円ぐらいあった方がいいです。
移住前は「貯金がいくらあれば宮古島に移住できるか」と考えがちですが、宮古島移住者の私の実感としては、移住前の貯金額はどうでもいいです。
あまりに貯金が少ない場合は別として、100万円以上蓄えがあるなら、貯金の少なさを理由に移住を諦めるのはもったいないです。
貯金額よりも、移住後の仕事の選択のほうがよほど大事です。
どんなに貯金があっても、移住後アルバイトで食いつなぐような甘い考えでは移住生活は破たんします。
逆に貯金が少なくても、移住後定職についてまじめに働き、生活費を抑える努力ができるなら、お金が原因で移住に失敗することはありません。
移住の初期費用
引っ越しの荷物の量や、家賃、家族の人数、車を輸送するかどうかによって移住の初期費用は変わります。
夫婦2人で移住した私の初期費用は約50万円。
荷物と車の引っ越し代を合わせて約20万円。
アパートの契費用で約25万円。
宮古島への渡航費に5万円です。
離島への移住は引っ越し代が高いです。安く抑えるコツは徹底的な断捨離。特に大型家電は現地で購入したほうが得です。
詳しくは「宮古島への引っ越し費用を20万円に抑えた3つの方法」にまとめましたが、輸送業者の選別もポイントです。
意外と高額だったのがアパートの契約時に必要なお金。
我が家は家賃6万円ですが、敷金、礼金、仲介手数料、火災保険などで、総額25万円にまで膨れ上がりました。
給料はやっぱり少ない?
宮古島の給料はかなり少ないです。沖縄県の給料水準は全国平均の3分の2。宮古島はさらに下回ります。
移住1年目の給料は月額16万円前後です。
安いところだと月給14万円。20万円もらえればかなりいい方です。
ホテル業界の経験者や介護の有資格者は中途採用扱いで高い給料をもらえることもありますが、宮古島には基本的に中途採用という概念がありません。
どんなに社会経験があっても、1年目の給料は地元出身の新卒採用者と変わりません。
昇給額も少ないです。30代会社員の私の手取りは毎月15万円。給料が少なくても税金はしっかり取られます。手取り額の少なさに愕然とします。
「宮古島の仕事探し|正社員・アルバイト・建設作業員のリアルな給料は?」に詳しく書きましたが、宮古島の給料事情はかなりシビアです。
宮古島出身者の半数以上は、高校卒業後島を出たまま帰ってきません。一番の理由は宮古島には仕事がなく、給料が少ないから。
移住者にとって宮古島はとても魅力的な場所ですが、給料の少なさを考えれば宮古島の人たちが「なんでこんな何もない島にわざわざ移住するかね」と言うのも当然です。
生活費はいくら?
宮古島の物価は全体的にやや高め。
離島への輸送費がプラスされるので、食材、日用品、ガソリン代など、日常生活に必要なものが高いです。
家賃も安くありません。宮古島バブルの時期には「1K10万円」などとんでもない家賃設定が目立ちました。
元々の家賃相場も決して安くありません。宮古島の家賃相場は1Kで3~4万円台。3DKで5~6万円台。地方都市の福岡と同じぐらいの相場です。
我が家は家賃6万円。食費、日用品、ガソリン代、携帯電話代、インターネット代、電気代、ガス代、水道代を合わせれば、毎月の支出は20万円を超えます。
移住後のお金のシミュレーションをする上では移住者の家計簿が参考になります。我が家の家計簿は「宮古島の生活費はどれぐらい?移住者4人家族の家計簿を公開」でご覧いただけます。
宮古島の給料の少なさを考えれば娯楽は最低限に抑える必要があります。
ダイビング好きで宮古島に移住した人の中で、移住後もダイビングを続けている人は少数派。
ダイビングはお金がかかるので、宮古島の給料では趣味として厳しいです。
移住生活が長続きしている人は、ダイビング以外のお金がかからない趣味を見つけています。
移住後もダイビングにこだわり続けるタイプの人は、お金の壁にぶつかります。
旅行好きの人も危険です。
移住直後は宮古島での生活自体が楽しく、旅行をしたいとは思いません。
移住3年目にもなれば宮古島での生活が日常になり、どこかに旅行したいと思うようになります。
旅行にはお金が必要です。宮古島の給料ではなかなか旅行はできません。我が家は沖縄本島や石垣島には行きましたが、県外旅行は実現していません。海外旅行など夢のまた夢です。
宮古島は離島なので、どこに行くにもお金と時間が必要です。
旅行好きの人は宮古島移住には向いていません。一つの場所を長く愛せる人なら宮古島で生きていけますが、ここもあそこも行きたいというタイプだと移住生活は厳しいです。
移住後1000万円貯めた人
私の移住者の知り合いの中で、移住後一番お金を貯めたのは、移住10年で1000万円を貯めた男性。
会社員として毎月少ない給料をもらいながら、生活費をとことん抑えて、毎年100万円を貯め、貯金1000万円を達成しました。
単身移住者だからこそできたことですが、貯金1000万と聞いてかなり励みになりました。
宮古島でお金を貯めるなら、収入を増やすという発想ではうまくいきません。貯金のためにはとにかく支出を減らすことです。
私は洋服も買いたいし、オシャレもしたいし、毎月美容室にも行きたい。カフェでのランチも宮古そば屋巡りも居酒屋巡りも大好きです。
私のようなタイプだとお金はたまりません。
お金に余裕があれば宮古島での移住生活はとても楽しいです。
お金に余裕がない大半の移住者は、移住生活を楽しもうと思えば思うほど、給料の少なさに頭を悩ませるというジレンマに陥ります。
子育てにかかるお金は?
内閣府の調査では、子育てにかかる年間のお金は未就学児が約104万円、小学生が約115万円。中学生が156万円。
宮古島でも子育てにはお金がかかります。小中学校の給食費全額補助など、宮古島ならではの子育て支援策もありますが、給料の少なさを補えるほどではありません。
子供が生まれるまでは夫婦で外食をしたり、好きな洋服を買ったりしっていても、子供が生まれて家計が苦しくなり、自由な暮らしが全くできなくなる移住者もいます。
単身移住や夫婦での移住だと、お金の問題はそこまでシビアではありませんが、子育て世代だと給料の少なさは死活問題。
子育て世代が宮古島に移住するなら相当な覚悟が必要です。
宮古島では共働きは当たり前。宮古島に専業主婦はほとんどいません。
縁もゆかりもない宮古島で移住者が共働きで子供を育てるのは、相当ハードです。
想定外の出費
宮古島に移住してから気が付きましたが、移住者の一番の高額出費は帰省費用。
家族の人数が多ければ多いほど帰省にお金がかかります。
4人家族なら、一度の帰省で安くても8万円はかかります。
計画通り帰省出来るなら費用を計算できますが、家族に不幸があった場合などは帰省費用が跳ね上がります。
移住1年目に家族の不幸で急に実家に帰ることになった私たち夫婦。一度の帰省で20万円が飛びました。
高額な帰省費用は、移住前には気づきにくい移住者の落とし穴です。
持ち家か賃貸か
宮古島に移住するならいつかは一軒家に住みたいと考えるのは自然な発想です。
私も移住前は一軒家での暮らしを空想していましたが、移住後5年間アパートに暮らしを続けています。
いきなり家を買って移住するのはリスクが高いです。
移住前は海の近くの家に住みたいと考えていましたが、実際に生活してみると海の近くは台風被害が大きく、潮風で車や自転車がすぐに錆びることがわかります。今では海の近くに住みたいとは全く思いません。
宮古島は同じ市街地エリアでも移住者が多かったり、オジーオバーが多かったりと、地域ごとに特徴があります。
移住後3年ぐらいしてやっと、地域の特徴が見えてきます。
はじめから持ち家にこだわるのではなく、賃貸からはじめて、宮古島のことをじっくり知ってからでも家を買うのは遅くありません。
実際に宮古島で暮らし、収入と支出のバランスを考えた上で、身の丈に合った家に住むのが現実的です。
お金の大切さ
「人生にはお金より大切なものがある」「都会で高い給料をもらうより、宮古島で最低限の賃金をもらって生活した方が幸せだ」
宮古島移住前の私はお金に縛られない生き方をしたいと強く願っていました。
宮古島に移住することで給料が少なくなったとしても、何物にも代えがたい豊かな暮らしが手に入ると思い込んでいました。
移住5年の今、当時の考えは幻想だったと気が付きました。
豊かな暮らしにはお金が必要です。
お金の心配ばかりしているようでは、どんなに魅力的な土地で暮らしていても、心は落ち着きません。
お金に縛られずに生きたいと願って宮古島に移住した私は、宮古島でお金の大切さを痛感させられました。
給料が少ない宮古島でも、移住生活を成り立たせることは可能です。
贅沢をせず、節約し、宮古島で生活できることのありがたさをかみしめながら、慎ましく生きる。これが移住者の基本です。
宝くじがあたった人や、貯金に余裕のある定年退職組の移住なら話は別ですが、働き盛り世代が宮古島に移住するなら、どこかで必ずお金の壁にぶつかります。
欲深い人、新しいもの好きな人、買い物好きな人は宮古島移住には向いていません。
宮古島に残る移住者は、慎ましく生きることのありがたさを実感できる人たちです。
まとめ
「宮古島移住って実際どうなの?お金編」をまとめました。
宮古島移住生活とお金は切っても切れない関係です。
お金のやりくりに苦心して、宮古島が嫌いになり、帰っていく移住者も少なくありません。
給料が少ない宮古島で生活を成り立たせるのは簡単ではありませんが、それを乗り越えた先に、本当の意味での豊かな暮らしが待っています。
当ブログ「宮古島移住だより」では様々な角度から宮古島移住のリアルを発信しています。
宮古島移住って実際どうなの?生活編、仕事編、人間関係編も、ぜひ読んでみてください。