宮古島移住だよりでは「宮古島」「移住」をキーワードにいろんな視点から情報を発信してきました。
狭い島社会なので身バレだけは避けなければという理由から、ブログの知名度が上がるにつれ私自身のことは書かないようになっていました。
移住10年を超えたので原点に返り、私自身が感じる宮古島移住生活のリアルを赤裸々に感じるままに書いてみます。
移住してよかった?
移住者にとって「移住してよかった?」は究極の質問。
私の場合は「移住してよかった」と全肯定できたのは最初の半年ぐらいで、残念ながらそれから暗黒時代が始まりました。
当ブログでも何度も書いていますが、移住すると非日常の宮古島が日常の世界になり、最初はすべてがキラキラして見えた島の光景にだんだん見慣れてきます。
移住2年目ぐらいまでは、自分の人生最大の決断を否定したくなかったので「移住失敗かも・・・」という考えが頭に浮かんでも無意識にかき消していましたが、それが積み重なってかき消せなくなり、2年目の後半とか3年目ぐらいには「帰りたい」が「楽しい」を上回るようになりました。
移住3年以内に帰っていく人が半分の島で、ダラダラと島に居続けて10年が経ちました。
10年もいれば立派な島の人と言ってくれる人もいますが、私の場合はただ帰るタイミングを逃しただけ。
子供に恵まれ、島で子育てをする中でなんとなく島に居続けているとうのが本音です。
なんとなくでも島に居続けることができているので、実は宮古島との相性は悪くなかったのかもしれません。
移住生活は、キラキラ期が過ぎてからが本当の勝負で、苦しいこと、つらいこと、想定外のこと、冷たくされたこととかを乗り越える忍耐力があるか、それでもこの島にいたいと思える何かがあるかが鍵です。
私の場合、子供が小さいうちの子育て環境は悪くないことと、パートナーがあるがままを受け入れる力がある人だったおかげで移住生活を続けています。
どんな生活をしている?
宮古島移住者にもいろんなパターンがいますが、私は自営業でなく給料をもらって働いているので、組織のルールに従って生きてます。
移住前は、島は自由で開放的なイメージがありましたが、組織に所属すれば組織のルールや決まりがあり、それに従って生きています。
海をぼーっと眺めたり、ビーチで海を眺めながらランチをしたりなんて生活は、しようと思えばいつでもできますが、移住3年目ぐらいからはほとんどしなくなりました。
「海だ!あそぶぞ!」という旅行者のマインドはどこかにいってしまって「海は日焼けする」「暑くて疲れる」が勝るようになりました。
灯台下暗しで、移住生活が長くなるほど海には行かなくなります。
私も最初のうちは毎週末のように新城海岸でシュノーケリングをしていましたが、今では本土から友達が来るときに一緒に潜るぐらいで、海に入るのは1年に1回か2回ぐらい。
熱心な宮古島リピーター旅行者の方が、海に入る回数は多いです。
つくづく感じるのは、人生「どこにいるか」ではなく「何をするか」
ハワイに住んでも宮古島に住んでも、毎日会社勤めだとストレスもあるし、離島の独特のルールで疲れることもあります。
移住者の中には、都会のルールを持ち込んだり、都会の感覚で島でも生きようとする人がいますが、そういうタイプの移住者は長続きしません。
余談ですが最近宮古島はLCCが充実して直行便が増え、安価で手軽に旅行出来るようになり、都会の感覚のまま旅行に来る人が増えています。
飲食店でメニューが出てくるのが遅くても、昔の観光客は苦情も言わず、のんびり島時間で待ってくれていたのに、最近は「早く持って来い」と苦情を言ってきたりします。
島のルールに染まる覚悟がある程度ないと、島暮らしは厳しいです。
宮古島では観光ブームで移住者が増えていますが、まだまだ移住者は少数派。
島の独特のルールをリスペクトする心がなければ、最終的に自分が苦しくなり、帰ることになります。
ポジティブな話
私の場合移住生活へのあこがれとか期待値が高すぎた反動で、移住生活のリアルを発信しようとするとどうしてもネガティブ思考になってしまいます。
このブログを書きだしたときは、良いことも悪いことも書こうと考えていたのに、どうしてもネガティブが先行してしまう。
でも、ポジティブもちゃんとあります。
このブログの目的は、移住希望者のあこがれを絶つことではなく、移住の決断の判断材料にすること。
なのでポジティブ談も書いていきます。
通勤
まず圧倒的に通勤が楽。私の場合は車で10分。
移住生活に車は必須でほぼ全島民が車出勤ですが、だいたいは5分~10分で職場につきます。
都会暮らしの人が、自宅をでて最寄り駅の改札につく頃には、島の人たちは職場についています。
富裕層がタワーマンションの高層階からエレベーターで1階に到着して歩き出した頃は島の人たちは職場についています。
通勤のストレスがないのは本当に楽。
車通勤だと、他人と一切かかわることなく会社に到着できます。
電車内で知らないおじさんやおばさんに気を使うこともなく、いつも同じ時間帯に電車に乗っている他人との気まずさもなく、満員電車の息苦しさに耐えることもなく、職場に着きます。
通勤は毎日のことなので、すぐ職場に着くのは本当にありがたい。
仕事が終わって10分後には自宅でシャワーを浴びれます。
騒音
宮古島はのんびりした静かな島。
観光客が少なかった時代から島を旅していた人は「宮古島は都会になりすぎ」「うるさくなった」と言いますが、都会に比べれば今でも圧倒的に静かです。
私は都会の電子音が苦手だったので、とても楽になりました。
都会は人間もうるさいですが、それ以上に電子音がうるさい。
ドラッグストアの店内に流れる陽気な音楽。駅のアナウンス。電車がガタゴト走る音。パチンコ屋。寝てるときのパトカー救急車。
島暮らしに慣れた私はたまに都会に行くと耳鳴りがするぐらい苦痛です。
宮古島で電子音がうるさいのはドン・キホーテぐらいで、店内のあらゆる場所から陽気な音楽が流れていますが、都会に比べればノーストレス。
島では人が少ない場所に行けば、人間の声も電子音も全く聞こえず、聞こえるのは自然の音だけ。
家の場所によっては、波音を聞きながら眠りに落ちる、鳥のさえずりを聞いて目覚めるなんてことも可能です。
移住生活が10年になるとありがたみを忘れがちですが、騒音がないおかげで心は浄化されています。
花粉・黄砂
花粉とか黄砂のアレルギーがないのは宮古島移住の大きなメリット。
私は移住前は花粉症で、3日でティッシュ1ケースを消費するぐらい鼻をかみまくっていましたが、移住後は症状が全てなくなりました。
黄砂のアレルギーに苦しむ人も最近は増えているようですが、宮古島にはほとんど飛んできません。
サトウキビを刈り取る年明けから春先にかけて、何かしらのアレルゲンが島でも飛んでいて、目がかゆくなったり涙が出たり、鼻水が出たりする人もいますが、本土のスギ花粉に比べればかなり楽。
移住10年で花粉の生活に慣れると「花粉症ってほんとに存在するの?」「どんな症状だったか忘れた」状態になります。
あったかい
南国の宮古島は冬も温かいです。
実はちゃんと冬もあって寒い日もありますが、それでも本土よりはあったかいです。
宮古島の冬は天気が悪い日が多く、北風が強くて気温以上に体感温度は下がる日もありますが、それでも気温は10度以上あります。
服を着こむ必要はないし、雪かきの必要もない。車のフロントガラスが氷ることも、雪用のタイヤに変える必要もありません。
こたつがある家もありますが、普通に生きていく分には暖房器具は全くなしで大丈夫。
私も冬は暖房なし生活ですが全く問題なく、冬の電気代は安いです。
たまに晴れる冬の日の海は、夏と同じぐらい美しく、夏に比べて観光客が少ないので絶景ビーチを独り占めできます。
夏はあつすぎて体力的にきついですが、冬は本土よりは体が楽です。
湿度が高い
メリットでもありデメリットでもある湿度の高さ。
カビが発生しやすい。夏の不快指数が異常。などデメリットが目立ちがちですが、実はメリットもあります。
冬も湿度が高いおかげで、肌とか唇がカサカサになることがありません。
私は移住前は冬に肌がカサカサになり、保湿クリームを塗りまくっていましたが、宮古島ではしっとり肌をキープしています。
長くなったので続編に続きます。
「私たちの移住生活」カテゴリーで移住0年目から10年までの様々な出来事を書いているので、詳しく知りたい方は読んでみてください。
長文にお付き合い頂きありがとうございました。