沖縄移住者のshimagurashiです。
沖縄の離島、宮古島で5年以上暮らしています。
沖縄移住に憧れを抱いている皆様に残念なお知らせ。沖縄生活は3年で飽きます。
沖縄生活に飽きた時が、移住成功と失敗の分かれ道です。
みんな飽きている
遅かれ早かれ、沖縄移住者は沖縄での生活に飽きます。私は3年で飽きました。
沖縄生活20年以上のベテラン移住者も、沖縄に飽きています。飽きた上でこの島で暮らすことを選んでいます。
移住当初の熱は3年以内に冷めます。
「南国の開放感」「美しい海」「暖かい人々」という観光客が抱く沖縄のイメージを持って移住すると、痛い目に合います。
「南国の開放感」は旅行だから感じるものです。沖縄で働き始めると開放感を得る余裕はありません。
「美しい海」は10回ぐらい見ても見飽きませんが、100回見るとさすがに見飽きます。移住5年の今も、沖縄の海を見るたびに「美しい」と思いますが、初めて見た時の感動はありません。
「暖かい人々」は観光客と移住者で態度が変わります。沖縄の人たちは島にお金を落とす観光客には優しいですが、移住者には厳しいです。
移住成功の鍵は「沖縄生活に飽きないこと」ではありません。「沖縄生活に飽きた上で、沖縄を受け入れて生きて行くこと」です。
移住5年の私からすれば、移住者が沖縄に飽きるのは当たり前。
飽きた部分を受け入れられるかどうかが試されています。
「給料が少ない」「仕事がきつい」「時間にルーズ」「人づきあいのルールが違う」など、沖縄生活に期待外れはつきもの。
移住当初の熱が冷めた時「期待外れで残念だった」と捉える人は本土に帰っていきます。
自分が沖縄のルールに合わせてみようという謙虚な人、プライドを捨てられる人は沖縄に残ります。
自分のルールや理想だけを押し通して生活できるほど沖縄移住は甘くありません。
理想を捨てること
沖縄生活への憧れが強い人、理想が固まっている人ほど、沖縄生活に早く飽きます。
「一軒家に住みたい」「海が近い場所に住みたい」「毎週釣りをする」など、こだわりが強い人ほど沖縄生活につまずきやすいです。
沖縄生活では柔軟性が試されます。
自分の理想・ルールと違う場面で、自分を貫くのか、沖縄に合わせるのかが運命の分かれ道。
自分のルールを貫くような人には、誰も力を貸してくれません。
沖縄の人たちは移住者を簡単には信頼しません。
プライドを捨ててでも沖縄のやり方を尊重する人が好まれます。
沖縄の人たちの生活に土足で踏み込むような態度の人も好かれません。
職場でも、ご近所づきあいでも、でしゃばることなく、空気を読みながら沖縄のルールに合わせ、淡々と役割を果たす人が好まれます。
自己中心的な人、沖縄に移住して自分が幸せになればいいと考えている人は、沖縄生活で人脈を広げられません。
沖縄生活が失敗する一番のパターンは「人に飽きる」
「沖縄の人は自分には合わない」という思い込みは移住失敗に直結します。
逃げるかどうか
沖縄生活に飽きた時に、沖縄から帰るのか、沖縄に留まるのか。
移住者のターニングポイントの目安は3年とされています。
逃げるように沖縄に来た人は、沖縄からも逃げて帰る可能性があります。
私がまさに「沖縄に逃げて来た」パターン。
家と職場の往復だけで過ぎて行く毎日に嫌気がさし、わらをもつかむ思いで仕事を辞め、沖縄に移住しました。
移住して最初の1年は天国に来たような気持ちでした。
沖縄の開放的な海と空は、自由の象徴。背中に羽が生えたような気持ちで、何にでもなれる気がしました。
「世界はこんなにも自由だったんだ」と実感しました。
しかし、生きて行くには働かなくてはなりません。
仕事が本格的に始まると、沖縄生活の理想と現実のギャップに苦しむようになりました。
沖縄での仕事は、前職と職種が違ったので、仕事を覚えるのに時間がかかりました。
沖縄では中途採用も新卒扱い。移住者には雑用も回ってきます。
沖縄の炎天下での長時間の仕事で体力的にもきつくなりました。
仕事が嫌で沖縄に逃げて来た私は、沖縄移住2年目には、沖縄から逃げたいと思うようになりました。
私が5年以上沖縄で暮らしているのは、本土に戻るための転職活動に失敗したから。
仕事を辞めて沖縄に移住したような人材を欲しがる企業は簡単には見つかりません。
海に飽きる
いつまで眺めていても見飽きることのない、沖縄の海。
沖縄に旅行で来ていた頃の私は、ぼーっと海を眺めているだけで幸せでした。
沖縄移住1年目は、海で遊びつくしました。
私が移住した宮古島は沖縄本島に比べ水の透明度が高く、海の美しさは沖縄一とも言われています。
シュノーケリングのできるビーチで毎週泳いだり、ドライブしながら無人ビーチを探したり。
家から車で5分でビーチ。お昼をテイクアウトしてビーチで食べたり、ビーチで読書したり。絵に描いたような沖縄生活を送っていました。
が、海に通う暮らしは長続きしませんでした。
移住2年目には、海に通う回数が激減し、移住5年の今はほとんど海に行きません。
初めてビーチに行った時の感動は薄れ、「いつでも行ける」という安心感から、海に行かなくなりました。
沖縄の人は、すぐ近くに美しい海があるのに、ビーチに行きません。
移住者も沖縄での暮らしが長くなるほど、海に行かなくなります。
沖縄では海は「美しいもの」である以前に「恐いもの」
子供たちは「海は危険」と教育されます。
身近に海があるからこそ、子供たちだけで海に行くリスクがあり、水難事故の危険があります。
子供の頃から海は危険だと教えられた沖縄の人たちは海に近づきません。
沖縄には泳げない人も多いです。
移住者は海の近くに家を建てたがりますが、沖縄の人は海の近くは避けます。
海の近くは台風時の暴風がすさまじく、海の潮で車がすぐにサビます。家も傷みやすいです。
移住者は沖縄生活が長くなるにつれて海に飽きます。同時に、沖縄の人たちの生活の知恵を身につけて行きます。
長年沖縄で生活する移住者は、沖縄の人たちと同様、海の近くは避けて暮らしています。
街に飽きる
引っ越しから1年ぐらいは、新しい街での生活そのものが新鮮です。
食堂、カフェ、居酒屋での食事。
ショッピングモール、スーパー、ドラッグストア、コンビニでの買い物。
新しい店を散策するのは楽しい時間です。
しかし、移住生活が長くなると街にも飽きます。
沖縄は東京や大阪などの都会と比べると娯楽が少ないです。
スポーツ観戦やコンサート・ライブ観賞の機会は少ないです。
沖縄芝居や沖縄芸人のコント公演はありますが、沖縄方言や沖縄の風習がベースにあり、移住者には敷居が高いです。
沖縄の観光ポスターには「何もないけど、全てがある」と書かれていたりします。
観光客には何もないことが魅力的ですが、移住者には不便。
不便さを受け入れられなければ沖縄生活は長続きしません。
沖縄の「なんくるないさ~」精神で、欲なく暮らせる人が沖縄生活には向いています。
欲がある人、刺激を求める人ほど、沖縄に早く飽きます。
沖縄に飽きる女性
若い男性、若い女性、若い夫婦、中年の家族、定年退職後の夫婦。
沖縄移住者には様々なパターンがあります。
若い人ほど、飽きて本土に帰っていきます。
SNSで「沖縄移住しました」「海きれいでサイコー」「今日の夕日だよ」などと発信していた人も、3年もすれば浮ついた投稿はしなくなります。
若いうちは短期間の沖縄移住も人生経験の一つ。沖縄移住が短期間で終わったとしても、移住が失敗だったわけではありません。
移住を機に本土で豊かな人生を送れるようになるなら、沖縄移住は貴重な人生の通過点です。
若い女性は、沖縄で結婚しない限り、99%帰っていきます。
20代のうちは同世代の女性単身移住者が周りにいるので、孤独を感じずに移住生活を楽しめますが、年齢を重ねると孤独になります。
30代になる頃には、女性移住者は本土に帰るか、沖縄で結婚します。
リゾートバイトで短期間沖縄に住む人はいますが、単身で沖縄に定住する人はかなり少数派です。
沖縄の人たちは家族を大切にします。子供の数が多く、2世帯住宅が多い。子供たちとオジーオバーの距離感が近い島です。
単身移住者は沖縄では警戒されます。年配の人の中には「本土で犯罪して逃げて来た」と捉えるような人もいます。
夫婦での移住や家族での移住は、単身移住に比べると定住のハードルが低いです。
私は夫婦で移住しました。はじめのうちはかなり肩身が狭かったですが、子供が生まれたのをきっかけに島での人脈が広がりました。
単身者よりは、家族で暮らしている移住者の方が沖縄の人に安心感を与えられるようです。
まとめ
沖縄生活は3年で飽きます。
移住者の私は、海、街、食、人、全てに飽きました。
長年沖縄で暮らしている移住者の先輩たちも、沖縄に飽きています。
「沖縄に飽きた」=「沖縄移住失敗」ではありません。沖縄に飽きた頃が移住失敗と成功の分かれ道。
理想と現実のギャップを受け入れ、期待外れの沖縄での暮らしや沖縄の人たちをリスペクトし、謙虚に生きることが移住成功への近道です。
移住生活は結婚生活に似ています。
結婚前に恋人に恋焦がれるように、移住前は沖縄のことしか考えられなくなります。
新婚生活が幸せなように、沖縄に移住したての頃はハッピーな毎日です。
結婚生活が落ち着くと育った環境の違いから夫婦間の対立が出始めます。沖縄移住者は徐々に沖縄独特のルールに戸惑い始めます。
結婚生活の理想と現実のギャップを受け入れられない夫婦は離婚します。沖縄のルールを受け入れられない移住者は島から出て行きます。
結婚生活も移住生活も、大切なのは忍耐力、相手を尊重する姿勢です。