宮古島には驚くほど賃貸空き物件がありません。
移住希望者の中には宮古島のゲストハウスに1ヶ月宿泊しながら不動産屋に通い、空き物件を探している人もいます。
移住したくても、住む場所がなければ移住はできません。
2019年11月時点での賃貸空き物件不足の現状と、バブル全盛期に適正価格で部屋を借りることに成功した人の事例を紹介します。
空き物件不足の現状
2019年11月時点の状況です。
宮古島では、アパート、マンション、一軒家、全ての賃貸空き物件がありません。
建設されるアパートやマンション自体はどんどん増えています。
宮古島の中心市街地エリアにはアパート、マンションの建設現場が多くあります。市街地をドライブしていると「ここにもアパートが建つのか」と驚きます。
南西地域産業活性化センターによると、宮古圏域(宮古島市と多良間村)の貸家の着工戸数は2017年に638部屋、2018年は1月~5月だけで695部屋。
この小さい宮古島で、この1年半の間に1300部屋以上分の賃貸アパートやマンションが建設されていることになります。
こんなに部屋は増えているのに、空き物件はありません。
宮古島に暮らしていて感じるのは、ここ数年で単身向けの賃貸アパート、マンションが増えたということ。
私が宮古島に移住した5年前には、単身向けの1Rや1DKの物件はほとんどなく、単身の移住者も世帯向けの2DKや3DKに住むのが普通でした。
宮古島は石垣島に比べると移住者が少なく「単身向けのアパートやマンションを作っても入居する人がいない」というのが宮古島の大家さんの考え方でしたが、この5年間で少しずつ変わってきているのを感じます。
単身向けアパート・マンションは建設業者やホテル従業員の寮、リゾートバイトで働く移住者の寮として使われるケースが多く、今ではかなり需要が増えてきています。
アパート・マンションの建設は続いていますが、需要に供給が追い付いていない状況で、賃貸空き物件は全くありません。
建設中のアパートやマンションを見つけ、管理する不動産会社を特定し、問い合わせても、全ての部屋が既に埋まっているような状況です。
住んでいる人が退去することによって空き部屋が出る可能性もありますが、空き物件を狙っている人は多く、タイミングよく不動産屋に問い合わせた人が早いもの勝ちで契約してしまいます。
公務員の移動時期が4月なので、宮古島では2月ぐらいから空き物件が多く出始めます。移住を既に心に決めているなら、この時期を狙って宮古島で不動産めぐりをすれば、空き物件にたどりつけるチャンスも増えそうです。
私たちが移住した5年前は、現在ほど賃貸空き物件不足は深刻ではありませんでした。部屋を探しに宮古島に来た時期は2月。スムーズに契約することができました。
同じアパートに5年以上住んでいますが、あまりに賃貸空き物件がない状況なので、もしこのアパートから追い出されたら、宮古島には住める場所がなくなるんじゃないかとビクビクしています。
追記;賃貸空き物件不足に便乗し、宮古島では新築アパートの家賃が高騰しています。2019年の秋頃から不動産屋のホームページに空き部屋が出始めましたが、家賃相場を大幅に上回るぼったくり物件が目立ちます。
「宮古島の家賃高騰はいつまで続く?|島バブルの真相」に宮古島の家賃相場、賃貸住宅不足の今後の見通しをまとめました。
バブル全盛期に部屋を借りた方法
賃貸空き物件がない宮古島でバブル全盛期にアパートの部屋を借りることに成功した事例を紹介します。
借りたのは宮古島出身者で10年以上東京で働いていた30代の女性です。
東京での仕事を切り上げ、宮古島に戻ろうと考えたものの賃貸空き物件が見つからず。
両親のいる実家で暮らしながら、1ヶ月ほど部屋を探し続けました。
この女性がバブル全盛期の2018年8月に部屋を借りた方法です。
1.家族や知人に「空いてる部屋ない?」と聞きまくる
2.知人から「私のアパートに空いている部屋がある」と連絡あり
3.アパートを管理する不動産屋に「空き部屋があるみたいですけど」と問い合わせ
4.不動産屋が確認したところ、業者が寮としておさえている部屋で、居住者はいないことが発覚
5.不動産屋・大家・業者が話し合い、賃貸契約解除の話がまとまる
6.賃貸契約成立!
文章でまとめるととんとん拍子に話が進んだように見えますが、実際、ここまでたどり着くのは大変な道のりでした。
この事例のように、宮古島には、契約者はいるものの、人が住んでいない部屋はけっこうあります。
契約解除までもっていけるケースは珍しいですが、大家、不動産屋とも、空き部屋にしておくよりは人が住んだ方がメリットになる場合が多いので、話がうまくまとまることもあります。
大家さんの中には、人が住んでいる方が、部屋が劣化しなくて良いと考える人もいます。居住者が変わることにより、敷金、礼金も手に入ります。
不動産屋は居住者が変わることにより仲介手数料が手に入ります。居住者が入れ替われば、不動産屋の収入も増えます。
建設業者やホテル業者、リゾートバイトの受け入れ企業が、従業員の寮としておさえている部屋はたくさんあります。住む人がいなくなった部屋まで契約を続けているというケースも多いです。
特に建設業者はかなり儲かっていて忙しいので、従業員が住まなくなった部屋をそのつど契約解除しないのでしょう。
空き部屋を見つけて不動産屋に問い合わせる。裏技のような方法ですが、普通に不動産屋を回っていても物件は見つからない状況なので、試してみる価値はありそうです。
今回紹介したケースで部屋を借りたのは宮古島出身者。移住者の場合、同じようにうまくはいかないかもしれません。宮古島に知り合いは少なく「この部屋あいてる」という情報がなかなか入ってきません。
不動産屋に問い合わせたのが宮古島出身者だったから話がうまくまとまったのかもしれません。
不動産屋が部屋を貸す上で移住者を差別するようなことはありませんが、大家さんが「宮古島出身者が困っているなら助けてあげよう」と重い腰をあげたことは十分考えられます。
実際に話をまとめたのは不動産屋だと思いますが、大家が判断しなければ契約解除はありえません。宮古島の人たちは良くも悪くも現状キープで満足するところがあります。大家さんも基本的には変化を好みません。「宮古島出身者を助けてあげたい」という気持ちがあったから契約がまとまったのであれば、移住者でも同じように話が進んだかは疑問です。
まとめ
宮古島には驚くほどアパート・マンションの賃貸空き物件がありません。部屋を探している移住希望者も多いですが、簡単には契約までたどり着けていない状況です。
私の住むアパートに空き部屋があればお伝えしたいぐらいですが、残念ながら空き部屋はありません。普通の世帯向け3DKですが、リゾートバイトの寮として使われている部屋もあれば、中国人が住んでいる部屋もあります。
私の住むアパートだけを見ても、私が移住した5年前とはかなり状況が変わっています。
賃貸空き物件がない状況に便乗し、極端に高い家賃を設定する不動産屋も出てきました。宮古島の家賃相場自体が今後上がってしまうかもしれません。
状況は深刻になる一方。宮古島では今後もしばらく賃貸空き物件不足が続きそうです。