沖縄の離島、宮古島に移住して5年のshimagurashiです。
今、宮古島に移住者が急増しています。宮古島はバブルと言われる好景気。ホテルが次々に開業し、新しい居酒屋やカフェも増えています。
宮古島は仕事がないなんて言われていたのは数年前の話。今や宮古島の有効求人倍率は全国平均を上回る、過去最高の1.95倍(ハローワーク宮古発表/2018年12月)。仕事を選ばなければ誰でも働ける状況です。
特にここ数年は単身移住者が急増。リゾートバイトを受け入れるホテル業者や居酒屋も増えていて、期間限定の「プチ移住」パターンも多いです。
しかし、移住者が増えているからと言って安易に移住するのは危険です。多くの移住者にとって、移住生活が一番楽しいのは移住1年目。移住2年目からが移住成功と失敗のわかれ道です。
SNSに発信されるポジティブな内容
ツイッター、フェイスブック、インスタグラム。SNSで移住生活を発信する移住者は多いです。
「移住から1年。宮古島最高。景色めっちゃきれい。冬でもあったかくて幸せ。みんないい人」みたいな投稿が散見されます。
SNSは知り合いに向けて発信することが多いので、ネガティブな内容よりポジティブな内容が多いのは当然。友達に「移住生活充実してるよ」とお知らせしたい気持ちもあるでしょう。
しかし、現実の移住生活ではポジティブなことは続きません。
最初の1年は、旅行の延長。宮古島旅行が楽しいように、宮古島移住が楽しいのは当然。現実がのしかかってくるのはそれからです。
検索結果に溢れるネガティブな内容
ネットで「宮古島移住」と検索すると、ポジティブなページより、ネガティブな内容を発信したページが多く出てきます。
「物価が高い」「虫が多い」「給料が少ない」・・・
宮古島移住って、そんなに大変なの?と思われるかもしれませんが、実際、とても大変です。
移住したての頃は、宮古島に移住したという事実だけで、幸せ。この状態で生活するので、目に映る全てがポジティブに見えます。
検索結果に出てくるネガティブな記事の書き手は、少なくとも2年は宮古島で暮らしている人たち。2年目になると、全てをポジティブには捉えられなくなります。
移住1年目が一番楽しい
移住1年目は旅行の延長。人づきあいも表面的なものだけで生きていけます。移住1年目が楽しい理由は、現実逃避のまま生活できるからです。
移住1年目は、定職につかずにアルバイトでつないでも不安にならないかもしれません。しかし、移住生活が長くなると、このままでいいのか?と考え始めます。
移住して宮古島で新しい仕事を始めた場合、1年目はポジティブな脳で頑張れますが、2年目ぐらいから仕事の嫌な面も見えてきます。思っていたよりきつい。やりたい仕事じゃない。と考え始めます。
南国沖縄の離島であっても、生きていくためには仕事をしなくてはなりません。定年退職組やお金に余裕がある人を除けば、移住者の生活基盤は仕事。仕事を中心に移住生活が進んで行くことになります。当然仕事の悩みも出てきます。
移住1年目は全ての風景が新鮮です。週末のたびに海に出かけたり、シュノーケリングを楽しんだり、新しいカフェに行ってみたり。観光客のように日数が限られていないので、いつでも行きたい時に、行きたい場所に行けてしまいます。
しかし、風景が新鮮なのはどんなに長くても最初の1年。宮古島の海はいつ見ても美しいですが、毎日見たいとは思わなくなります。
移住者の中には海沿いに家を建てる人がいますが、私はオススメしません。移住5年目になると「海の近くでうらやましい」とは思わなくなります。「台風の時大変だろうな」としか思いません。
移住1年目は自分の世界の中だけで生きていけます。宮古島が大好きで、宮古島に移住し、宮古島の空気を全身に吸いこみながら、移住生活を満喫する。憧れの宮古島に移住した自分自身の物語の中だけで、生きていけます。
しかし、移住生活が長くなると、別の物語が必要になってきます。人は一人では生きていけません。何かのコミュニティーに所属し、自分の存在価値を見つけようとします。宮古島はどこに行っても知り合いに会うような小さい島です。島での人間関係が広がることで、移住生活が窮屈に感じる人もいます。
移住1年目は誰に何を言われようが、正しいのは自分だと信じていられます。移住前に、移住を反対する人がいたとしても、そんなことは忘れて移住生活を楽しむことができます。
しかし、移住生活が長くなると、反対していた人の言葉が重くのしかかってきます。「そんなに甘くない」と言ってくれた人の言葉の意味がわかってきます。移住に失敗したと思われたくなくてもがけばもがくほど、苦しくなっていきます。
移住3年の壁
宮古島では移住3年が大きな壁だといわれています。移住3年の壁を越えた人は、その後も島に定着するケースが多いです。
移住3年の壁を越えた人も、移住からの3年間、いいことばかりがあったわけではありません。移住生活を長く続けるためには、良いことも悪いことも全て受け入れて、受け流して生きていくたくましさを見につけることが必要です。
移住生活の中で納得できないことがあった時、反発するのではなく、受け入れて生きていく。島の人たちのように「なんくるないさ」の心構えで生きることが移住成功につながるように感じます。
移住1年目は楽しいことばかり。移住2年目以降は、楽しいことよりも耐えることの方が多いです。この島で本当の幸せを手に入れられるかは、あなた次第。移住2年目以降が移住成功と失敗のわかれ道です。