宮古島移住5年のshimagurashiです。
宮古島の移住生活のリアルを発信している当ブログ「宮古島移住だより」
先日、テレビ朝日の「ザワつく金曜日」のスタッフから、宮古島の観光問題について取材したいと依頼がありました。
観光客が急増している宮古島。移住生活について書く上で「宮古島バブル」と表現される島の変化に触れないわけにはいかず、気がつけば宮古島の観光問題に関する記事が増えていました。
「宮古島の問題点 観光客急増で激変する島の惨劇」など、やや刺激的なタイトルで書いた記事が、ザワつく金曜日のスタッフの目に止まったのかもしれません。
※ザワつく金曜日で特集された宮古島の観光問題はこちらの記事にまとめています。
石原良純さん、長島一茂さん、高橋ちさ子さんが巷の話題を斬る「ザワつく金曜日」。私もたまに拝見している番組です。
宮古島の観光問題
ここ数カ月で「宮古島バブル」や「宮古島の観光問題」が頻繁に報道されるようになりました。
「宮古島バブル」という言葉で最初に特集されたのは、テレビ東京のワールドビジネスサテライト。その後、モーニングショーやビビッドなどの情報番組でも取り上げられました。
「宮古島バブル」を簡単に説明すると「観光客が急増し、不動産が高騰し、島民生活を圧迫している」といったところ。言葉にすると簡単ですが、なかなかの問題です。
観光客が急増
宮古島の観光客数の推移です。
2013年 40万人
2014年 43万人
2015年 51万人
2016年 70万人
2017年 99万人
2018年 114万人
宮古島では観光客が急増しています。特に増えているのが外国人観光客。2015年以降、中国・台湾からのクルーズ船で来る観光客が急増しました。
クルーズ船は一度に3000人~4000人の乗客を乗せて来島します。クルーズ船が来る日は島のビーチは中国人で埋め尽くされる時間帯があります。
ザワつく金曜日では魔の水曜日との表現されました。水曜日には乗客4000人クラスの巨大船が来ます。水曜日以外にも1000〜3000人乗りのクルーズ船が来ます。夏のピーク時は週6日ペースです。
外国人観光客が増えているもう一つの理由は、下地島空港の新ターミナル開業。
宮古島と橋でつながる下地島の空港に国際旅客ターミナルが開業し、2019年から国際線が飛び始めました。
観光客の急増で、島では「交通量が増えた」「タクシーがつかまらない」「居酒屋の予約が取れない」など様々な問題が起きています。
クルーズ船の急増や下地島空港開業の弊害については「宮古島に中国人観光客が急増~クルーズ船の光と影~」、「下地島空港にLCCがやってくる どうなる宮古島の未来」に詳しくまとめました。
不動産の高騰
観光客急増に伴い、宮古島ではリゾート開発が加速。リゾート用地を中心に不動産価格が高騰しています。
本土の企業が次々に宮古島に進出し、海沿いの土地を高値で買い取っています。
不動産高騰の流れは、2015年の伊良部大橋開通以降加速しています。
伊良部大橋は宮古島と伊良部島をつなぐ全長3540メートルの橋。無料で渡れる橋としては日本一の長さです。
特に高値で取引されているのは、伊良部大橋開通で注目度が増した伊良部島の海沿いの土地。
潮風が強くサトウキビ畑にすらできなかった海沿いの土地を本土企業が高値で買い取り、リゾートホテルを次々に建設しています。
宮古島の不動産事情については「宮古島不動産バブル 家賃も土地も建設費も高すぎる」に詳しく書きました。
住民生活を圧迫
観光客急増とリゾート開発の加速で、住民生活が圧迫されています。
一番の問題は家賃の高騰。
宮古島のアパートの入居率は99.9%。限りなく100%に近いです。
リゾート開発の加速で島外からの建築労働者が急増し、アパートが足りなくなりました。
アパート不足に便乗し、不動産屋と大家が結託して、家賃を値上げし始めました。
私が住んでいるアパートも値上げされました。事前の相談はなく、決定事項のように「2千円値上げする」と一方的に通知されました。
「来月からいきなり値上げされることになった」「家賃4万円が8万円になった」という話も聞きます。
新築アパートの家賃が高騰するのは理解できますが、入居者がいるアパートの部屋の家賃を突然値上げするなんて話は聞いたことがありませんでしたが、宮古島ではあたりまえになってしまっています。
アパート不足で空き部屋がなく、今住んでいる部屋を追い出されれば住む場所はなくなります。住民は家賃値上げを受け入れるしかありません。
家賃は上がっていますが、住民の給料はあがっていません。
宮古島バブルで儲かっているのは、島外企業。地元企業に恩恵はありません。
給料は上がらないのに、家賃が上がる。家賃値上げは、移住者にとっても死活問題です。
「宮古島の家賃高騰はいつまで続く?島バブルの真相」に宮古島の家賃高騰問題の実態をまとめました。
取材依頼を断った理由
全国放送のテレビ番組からの取材依頼。「宮古島移住だより」を全国にアピールする大きなチャンスですが、当ブログは「ザワつく金曜日」の取材依頼を断りました。
「宮古島移住だより」は、ブログでの発信以外には手を出さないと決めています。
ツイッターもフェイスブックもインスタグラムもありません。
当ブログの目的は、宮古島のリアルを発信することです。匿名でブログを書くことで、その目的を達成しています。
宮古島は人口5万4千人の小さな島。移住生活のリアルを発信するためには、時には宮古島在住者を批判したり、移住者を批判したりする必要も出てきます。
宮古島で、名前や顔を出して批判的な内容を発信するのはリスクが高すぎます。
小さない島なので、島の人たちはどこかでつながっています。匿名だからこそ書けることも、個人を特定されれば書けなくなります。
「移住3年の壁 私が宮古島から帰りたくなった理由」など、かなりデリケートな記事も書いています。
私の移住生活は決して順風満帆ではありません。
宮古島に移住したことを後悔したことも何度もあります。移住生活の良い面だけを発信するなら、匿名じゃなくてもいいですが、移住生活のリアルを発信するには匿名である必要があります。
宮古島への移住を考えている人が、私と同じように移住に失敗しないように、移住生活のリアルを発信することが当ブログの目的です。
そのためには、匿名である必要があるのです。
当ブログには「問い合わせフォーム」や「コメント欄」はありません。ザワつく金曜日のスタッフは、にほんブログ村経由で取材依頼のメッセージをくれました。
にほんブログ村のスタッフが、ザワつく金曜日のスタッフからの取材依頼書を私に転送してくれました。
そこまでして頂いたのに断ってしましました。「ザワつく金曜日」のスタッフの方、お断りしてごめんなさい。石原良純様によろしくお伝えください。
まとめ
宮古島では2017年頃から「プチバブル」という言葉が使われ始めました。2018年に「宮古島バブル」と言われるようになり、2019年に「宮古島バブル」が全国に知られるようになりました。
「ザワつく金曜日」が放送されれば、さらに多くの人に宮古島バブルが知られることになります。
宮古島バブルの影響で、宮古島の良くない面が全国に発信されることが増えていますが、観光地としての宮古島のポテンシャルはとても高く、旅行先として自信を持ってオススメできる島です。
「宮古島に安く行く方法|コスパが高い時期・飛行機・ツアーの選び方」に宮古島旅行のコツをまとめました。
バブルに沸く島を体感したいあなた!宮古島でお待ちしています。