沖縄の離島、宮古島移住者のshimagurashiです。
移住には良いこともあれば悪いこともあります。
沖縄移住は夢に満ちていますが、移住が原因であきらめたこともたくさんあります。
沖縄移住5年で私があきらめたこととは・・・
本土での社会復帰
沖縄での生活にどっぷりつかると、本土での社会復帰は難しくなります。私はあきらめました。
沖縄の職場は本土に比べればルーズ。沖縄の仕事のペースに慣れると、本土では働けない体質になります。
移住者には様々なタイプがいますが、私のように本土の一般企業で正社員として働いていたのに、全てを捨てて20代、30代で沖縄移住するパターンはとても危険。
本土では仕事のストレスを抱えながらも、怒られたり人間関係に悩んだりしながら社会人としての経験を重ねて、心が強くなっていきます。
沖縄に移住して緊張感が緩むと、本土で働く感覚はなかなか取り戻せません。
沖縄には会社をずる休みする人も、飲み会を堂々とスルーする人も、仕事せずにさぼってばかりの人もたくさんいます。そういう人たちも普通に出世する社会です。
沖縄の人たちは基本ぼーっとしていて、報告、連絡、相談の「報連相」がとても苦手。聞かなかったふりをして仕事をさぼったり、仕事をやんわりと他人に押し付けて「自分は関係ない」と影を潜めて楽をしたりします。
沖縄の人たち悪気はありません。悪気なく仕事を放置します。
責任を負うことが苦手で、自分がやるべき仕事も誰かがやってくれると高をくくってサボります。
移住者が沖縄でまじめに働くと、その尻ぬぐいをさせられることになります。
仕事を放置した沖縄の人は知らんぷりで、お客様には移住者が頭を下げる。これ、沖縄あるあるです。
沖縄の人は仕事に失敗してもなんくるないさー、お客様に怒られてもなんくるないさー。
本土では仕事のパートナーとして全く使えない人材でも沖縄では普通に働いています。
沖縄で移住者が働きだすと、いつのまにか沖縄の人たちのルーズな働き方のペースに巻き込まれ、沖縄でしか働けない人材になってしまいます。
移住者が沖縄生活に行き詰まり、沖縄から帰っても、移住前のように簡単に仕事はみつかりません。
私は沖縄移住の1年後には沖縄から帰りたくなり、転職活動をしましたが、本土の企業には全く相手にされませんでした。
全てを捨てて沖縄に移住した人を、本土の企業は簡単には信用せず、採用しません。私は沖縄移住5年で本土での社会復帰をあきらめました。
元々職を転々としている人が、沖縄にプチ移住してリゾートバイトで働く程度なら全く問題ありませんが、定職を捨ててまで移住するのはかなりのリスクがあります。
友人との関係
沖縄に移住すると友達が減ります。
新しい友達もできますが、移住前の友達との関係は崩れます。
移住直後は、もの珍しさから友達が話を聞かせてと寄ってきたり、沖縄に旅行に来て遊んだりしてくれます。
「沖縄移住するなんてすごい。夢みたいな人生だね」とポジティブに友人は捉えてくれます。
でも、数年たつと、存在を忘れられます。
本土にいた頃の友達とはすっかり疎遠に。SNSの友達欄に名前があるだけの関係になります。
本土での結婚式には呼んでもらえなくなります。
よほど仲の良い友人ならお車代まで出して呼んでくれますが、ほとんど招待されません。
学生時代の友人の結婚式で、仲の良かった友達が東京の披露宴会場で盛り上がっている時に、移住者は蚊帳の外。ポツンと1人沖縄にいます。
友人がいないと生きていけないタイプの人は、沖縄で友人を作ろうと必死になりますが、空回りすることもあります。
学生時代の友人と違い、生きてきた背景がばらばらの移住者が沖縄には集まっているので、簡単には仲良くなれません。
私は沖縄に移住して、かつての友人との関係はあきらめました。
かつての友人は、移住当初は憧れのまなざしで見てくれていましたが、今となっては「あいつは島流しになっていつまでも帰ってこない。人生舐めてるのか?」とネガティブに捉えるようになります。
贅沢な生活
沖縄では贅沢な生活はできません。
沖縄の給料水準は低く、移住前とは比べものにならないほどの低賃金で私は働いています。
沖縄都心の海を眺められるタワーマンションで悠々自適に暮らすなんてのはごく一部の勝ち組。
地に足をつけて、生活するためのお金を必死に稼いで、歯を食いしばって働くしかありません。
本土にいた頃は飲み会で一晩で1万円使ったり、家族で毎週のように外食したりも当たり前でしたが、沖縄では質素な暮らしに成り下がりました。
質素な暮らしも最初の数年は楽しめます。
移住当初は沖縄に移住したことで心が満たされているので「毎日海とサンセットを眺められればハッピー」という感じで楽しめます。
しかし、移住から3年ぐらい経つと欲が出てきます。
旅行したい、ディズニーランド行きたい、ライブ見に行きたい、スポーツ観戦したい・・・
沖縄ではかなわないことがたくさんあります。
「青い海と空があれば大丈夫」は3年で通用しなくなります。
人間は欲深い生き物なので、一時的に沖縄の空気で心が満たされても、すぐに心変わりしたりします。
贅沢さへの憧れを捨てて沖縄に移住しても、質素な暮らしには数年で耐えられなくなります。
それでも沖縄にとどまるしかない場合は、全てを受け入れるしかありません。
私は沖縄での贅沢な暮らしをあきらめました。
子どもの教育環境
沖縄の子どもの教育環境は決して褒められたものではありません。
全国の学力テストで、沖縄県は毎年のように最下位。
学力が低いのも問題ですが、学力を重視しない親が多いのも問題です。
子どもの成績が悪くてもなんくるないさー。
石垣島出身の歌手「BIGIN」は「島んちゅぬ宝」で「教科書に書いてあることだけじゃわからない大切なものがきっとそこにあるはずさ」と歌っています。
沖縄には教科書に書いてない大切なことがあります。家族の絆とか、人思いやる心とか。沖縄の人たちは本土の人たちよりも心が広く、心が豊かです。
でも、教科書に書いてあることも大事です。
子どもの学力を重視するタイプの移住者は沖縄移住で頭を悩ませることになります。
子どもは子どもの世界で生きています。勉強なんてしなくていいという家庭で育った友達と仲良くなると、勉強しなくなります。
移住者が子どもの友達を選ぶことはできません。
沖縄は子だくさんの家庭が多く。私が住む宮古島には4人兄弟、5人兄弟もたくさんいます。
兄弟が多い子は優しく心豊かに育ちますが、勉強は全くせずバイトばかりしていたりします。
「勉強より部活動が大事」というタイプの親も沖縄には多いです。
沖縄移住者は「学力がすべてではない。地位や名誉はいらない。」という考えを持ちがちですが、子供が生まれると「子供には勉強してほしい」と考えを改め、沖縄の学力の低さに驚愕したりします。
子どもの教育環境はあきらめるしかありません。
あきらめても強く生きる
人生にはあきらめも必要です。
沖縄移住という夢をかなえたからといって、その後の人生が幸せとは限りません。
「あきらめる」と言うとネガティブに聞こえますが「あきらめる」のは必ずしも悪いことではありません。
「あきらめる」ことは「受け入れる」こと。
沖縄移住を続けるなら、良いことも悪いことも含めて「あきらめて受け入れる」しかありません。
沖縄に30年ぐらい住んでいる移住者の先輩たちは、多くのことをあきらめながらも、その人生を受け入れ、沖縄に住み続けることを選んで今に至っています。
「あきらめきれない」何かがある人は、沖縄移住生活を途中で断念して、本土に帰っていきます。
沖縄に残る人、帰る人。どちらが正解でも間違いでもありません。
移住前に想像できなかった困難に耐えながらも、心豊かな沖縄の人たちの中に身を置いて生きるのも正解。
移住後に現実を突きつけられ、沖縄での生活をあきらめて本土に帰っていくのも正解。
一度きりの人生を自分らしく生きればいいだけです。
沖縄移住に向いているのは、あきらめても他の喜びを見つけられる人。贅沢でなくても質素な暮らしを工夫して楽しめる人。沖縄の人のルーズさを受け入れて強く生きていける人。友達を失ってももっと大切な何かを沖縄で見つけられる人。
「あきらめる」=「沖縄移住が失敗」ではありません。
希望の光を探し続ければ、沖縄移住は悪いことばかりではありません。