宮古島移住者の落とし穴 子育てのしやすさは親の人脈次第

宮古島は本当に子育てしやすい島です。島の人たちは「子供が主役」「島の子供はみんなの子供」という共通認識を持っています。

小さな子供を連れてスーパーに行けば、初対面の人も笑いかけてくれ「何歳?」と聞いてくれます。顔見知りの人は「大きくなったね」と声をかけてくれ、子供をあやしたり抱っこしてくれたりします。

石垣島と比べて移住者の割合が少ない宮古島。子育て世代も宮古島出身者が圧倒的に多いです。私の子供が通う保育園だと、夫婦とも宮古島出身が6割、旦那が宮古島出身で妻が島外出身が3割、夫婦とも移住者は1割といったところ。

私たちの実体験を交えながら、宮古島の子育て事情を紹介します。

宮古島出身者の子育て環境は最高

宮古島出身者同士が結婚し、宮古島で子育てをする。宮古島では一番多いケースです。このパターンの子育て環境は最高。日本一子育てしやすい島と言っても過言ではありません。

都会の子育てだと、子供が家庭で関わるのは基本的には親と兄弟だけ。宮古島の子供たちは親や兄弟だけでなく、祖父母や親戚と関わる機会がとても多いです。

保育園の送り迎えをしている祖父母や、両親が残業や飲み会の日に子供を預かっている祖父母をよく見かけます。

私の知り合いの60代は、毎日孫を保育園に迎えに行き、ご飯を食べさせ、風呂に入れています。親はその間に家で洗濯や掃除をして、子供が風呂から出たころに迎えに行く。宮古島ではこんなこともできてしまいます。

親の家も、祖父母の家も近く、渋滞もないので、移動は全くストレスになりません。

宮古島の人たちは、家族の絆、親戚の絆がとても強いです。親戚の集まりも多く、どこかの家のお祝いごとの時には、親戚が必ず手伝います。正月やお盆には、本家にたくさんの人たちが集まります。

人と人との距離感がとても近く、地域の人たちが親戚のおばさんぐらいの距離感。いとこは兄弟ぐらいの距離感です。

距離感が近い分、子育てを助けてくれる人は多いです。

給料が少ない宮古島では、子供を育てるために共働きしている家庭がほとんど。都会だと共働きで子育てのハードルは高いですが、宮古島だと、なんとかなってしまいます。

子育てのしやすさは、兄弟の数に表れています。宮古島の子供たちはとにかく兄弟が多い。

私の子供が通う保育園には、5人兄弟も4人兄弟もいます。3人兄弟、2人兄弟が多く、1人っ子はほとんどいません。

子供は2歳児クラスに通っています。2歳児クラスは12人。5人兄弟が1人。4人兄弟が1人。3人兄弟が3人います。1人っ子は1人だけ。2歳児クラスの半分は弟か妹がいます。

仕事や子育てが忙しければ「とてもじゃないけど2人目は無理」となりがち。子供の数が多いということは、子育て環境がすばらしいということです。

宮古島出身の旦那は天国、宮古嫁は地獄

旦那が宮古島出身で、妻が島外出身の夫婦も多いです。

宮古島には大学や専門学校がないので、子供たちの大半は高校卒業後島を出ます。そのまま島外で暮らす人もいますが、長男は30歳前後で宮古島に帰ってくる場合が多いです。小さい頃から、いつかは自分が宮古島に帰って親の面倒をみると自然と身についているように感じます。

結婚後しばらくは島外で暮らしていても、どこかのタイミングで妻や子供を連れて宮古島に帰ってくる人は多いです。

宮古島では、島外から嫁いできた女性を「宮古嫁」と言います。宮古島出身者と宮古嫁の夫婦の場合、旦那にとっては天国ですが、妻は地獄というパターンをよく見かけます。

旦那が宮古島出身者なので、子育てで助けてくれる親戚はたくさんいますが、宮古嫁は、気を使ってしまい、肩身の狭さを感じがちです。

宮古嫁のストレス源は、子育てだけではありません。

宮古島は親戚の集まりがとても多いです。正月、旧十六日祭(あの世の正月)、お盆のたびに本家にたくさんの親戚が集まります。宮古嫁は親戚の世話をしなければならないので大変です。

家の掃除、仏壇の掃除、料理の準備、お酒の準備。宮古島の親戚の集まりでは、男性は座敷に座ってずーっと酒を飲んでます。立って動くのは女性です。

宮古島出身の女性なら、子供の頃からあたりまえのようにこの光景を目にしているので受け入れられますが、宮古嫁はこの現実にとまといがち。

なぜこんなところに嫁に来てしまったんだろうと、離婚を考える宮古嫁もいます。

宮古嫁が宮古島でうまくやっていくには、宮古島の風習を受け入れるあきらめのよさが必要。「私がこの家を回す」という覚悟とパワフルさがあれば、なんとかなります。

愚痴を言える相手を探すことも大切。宮古嫁同士で仲良くなるケースは多いです。宮古嫁は、同じ境遇の人に旦那や家族の愚痴を言って、ストレスを解消しています。

移住者夫婦の子育てはギリギリ

宮古島の子育て環境は本当にすばらしいのですが、移住者夫婦にとっても子育ては楽かと言えば、そんなことはありません。

近くには、親戚も祖父母もいません。我が家の子育ては、はっきりいってめちゃくちゃ大変です。

子供が生まれるまでは全く想像できませんでしたが、子育ては本当に大変。うちはまだまだ子供に手がかかるので、夫婦とも自分の時間は全くありません。

平日は毎日がこんな感じで過ぎていきます

・起きる
・朝ごはんを作る
・子供を起こす
・トイレに座らせる
・朝ごはんを作る
・食べさせる
・着替えさせる
・水筒にお茶を作る
・保育園に送る
・仕事
・保育園の迎え
・帰りたくないという子供を説得しながら帰る
・洗濯機を回す
・ご飯を作る
・食べさせる
・洗濯ものを干す
・子供の要望にこたえて奴隷のように遊ぶ
・翌日の保育園の準備
・風呂に入れる
・着替えさせる
・ドライヤー
・はみがき
・寝かしつける
・疲労困憊で倒れ込むように寝る

これが、毎日エンドレスで続きます。うまくいかない時は、おしっこを漏らしたり、布団に吐いたり。具合が悪い時は耳鼻科や小児科にも連れて行かなくてはなりません。

宮古島移住者の子育ては本当に大変。宮古島出身者の子育て環境が心の底からうらやましいです。

子供が生まれる前は全く気づきませんでしたが、子育てをする上で、近くに頼れる人がいることは本当に重要です。

子供が生まれた後も共働きを続けている私たち。本当にギリギリのところで踏みとどまっている感じです。

私たちは、宮古島に来て3年子供に恵まれませんでしたが、その間に宮古島での人脈を広げることができました。職場に宮古島出身者が多かったこともあり、地元の人たちと信頼関係を築くことができました。

そのおかげで、子育てで本当に困った時に助けを求められるようになりました。子供を数時間預かってもらったり、たまにお泊りさせてもらったり。

都会だと、他人の子供をお泊りさせるなんて!という感じですが、宮古島には「島の子供はみんなの子供」という空気感があり、地域で子供を育ててきた歴史があるので、他人の子を預かることにそれほど抵抗はありません。

移住者の私たちにも、救いの手を差しのべてくれる人たちがいるのは本当にありがたいことです。宮古島の人たちの優しさのおかげで、私たちは移住生活を続けられています。

ただ、ここまで来るのは簡単ではありませんでした。

宮古島出身者は積極的に移住者と関わろうとはしません。「どうせすぐに帰るだろう」と思っています。コツコツと信頼関係を築くことで、少しずつ移住者にも心を開いてくれます。

「もし移住1年目に子供が生まれていたら」と考えるとぞっとします。私たちの宮古島での生活は破たんしていたと思います。

宮古島の子育て環境はすばらしいですが、移住者の子育てはそう簡単にはいきません。特に子供が手のかかるうちはとても大変です。宮古島移住者にとって、子育てがしやすいかどうかは、親の人脈次第です。

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