宮古島に移住して5年。最近では毎年、宮古島で年末年始を過ごしています。
南国の楽園、宮古島。移住希望者から見れば、常夏の宮古島で迎えるお正月はうらやましい限りかもしれません。
しかし、現実は甘くありません。宮古島の年末年始は天気が晴れる年もありますが曇りの日が多いです。年末もお正月も仕事に追われている移住者は多くいます。親戚同士でにぎやかに楽しんでいる宮古島出身者を横目に、お正月に孤独を感じることもあります。
移住して初めてわかった、宮古島の年末年始の現実をまとめました。
常夏の楽園ではない
移住前は私も、常夏の宮古島でお正月を過ごせるなんてうらやましい!と考えていました。
東京から見れば、宮古島もハワイもたいして変わりません。年末年始に南国でバカンスだなんて、まるで芸能人のような憧れの生活です。
ハワイならイメージ通りですが、宮古島ではそうはいきません。ハワイはこの時期も晴天率が高いですが、宮古島の冬は曇天が多い。年末年始ずっと雨が降り続ける年もあります。
内地に比べると、気温はもちろん高いですが、北風が強くビーチには誰もいません。テレビでお正月にハワイのビーチでのんびり過ごす人たちの映像がよく流れますが、沖縄でこの風景はあり得ません。奇跡的に北風がない穏やかな晴天の日もありますが、お正月に晴れるのは3年に1度ぐらいです。
沖縄は常夏ではありません。初日の出もきれいに見えるのは3年に1度ぐらい。初日の出を見ようと東平安名崎などの日の出スポットに集まる人は多いですが、残念な結果に終わることも少なくありません。
年末年始も仕事
宮古島には年末年始も働いている移住者が結構多くいます。公務員は宮古島でも12月28日が仕事納め、1月4日が仕事始め。一般企業も同様のところが多いですが、29日まで仕事という職場も多いです。
移住者が多く働く観光関連の職場は、年末年始の休みなど関係ありません。特にホテルは大変。年越しの瞬間に仕事をしている人もいます。観光客が正月休みで遊びに来ているのを横目に見ながら働くのは、なかなか辛いです。
ホテルに限らず、空港職員、レンタカー会社、スーパー、コンビニ、カフェ、居酒屋、建設業の現場など、大晦日も元日も働いている人はたくさんいます。
地元に帰省する移住者もいますが、航空運賃や仕事を理由に帰省できない人もいます。
宮古島で長く暮らしている移住者は、年末年始も帰省しない人が多いように感じます。逆に言えば、年末年始にすぐ帰省するタイプの移住者は、移住生活が長続きしない傾向にあります。移住5年の私が見た、ウソみたいなホントの話です。
島の人たちの過ごし方
年末年始は、全国各地に住む宮古島出身者が島に帰ってくるタイミングでもあります。
島の人たちは、元日、親戚回りをします。
家元(やーむとぅ)と呼ばれる本家(長男の家)には多くの人が集まります。
宮古島の古い会社だと、元日には社長の家に従業員が集まるなんてところもあります。マフィアの世界のようですが、宮古島の古い会社の経営者は親分肌の人が多く、今でも従業員が元日に集まる家もあります。
親戚が集まる家では、オードブルや寿司が用意されます。宮古島はコミュニケーションにお酒は欠かせない島なので、泡盛やビールもテーブルに並びます。
宮古島の酒の席は男性中心。男性は酒を飲んで盛り上がるだけ。女性は料理を運び、買い出しに行き、車で男性を送迎します。一昔前の日本を感じさせるような宴席。今の時代「男尊女卑だ」という声も聞こえてきそうですが、宮古島ではこれがあたりまえ。女性たちは文句を言うこともなく動きます。
宮古島に内地から嫁いだ女性は、はじめのうちはこうした風習に戸惑うことが多いです。正月に限らず、宮古島は親戚が家に集まる機会がとても多いです。家で親戚をもてなすのは大変。内地との風習の違いもあり、かなりストレスがたまります。
宮古島のいいところは、子供が主役の島だということ。お正月には親戚だけでなく、近所のおじさん、おばさん、たまたま道端で出会った人がお年玉をくれたりします。会社の先輩が、仕事始めの日に、1000円札の入ったぽち袋を「子供にあげて」と渡してくれた時には感動しました。
お正月観光のオススメプラン
お正月に宮古島に旅行するなら観光クルーズ船「モンブラン」の初日の出クルーズがオススメです。
海の上から眺める朝日は格別。普段のモーニングクルーズは9時出向なので朝日は楽しめませんが、元日限定で初日の出クルーズが実施されます。
受付は午前6時。150人限定のプレミアムプランです。船上ではシェフ特製のお雑煮も振る舞われます。
宮古島の元日は意外と寒いですが、モンブランなら暖かくて快適なクルーザーから朝日を楽しめます。
クルーザー内は快適。船底の窓からは水中を泳ぐ魚が見えます。
晴れれば最高。曇りでも元日の忘れられない思い出になること間違いなしです。
移住者の過ごし方
移住者の場合、仕事がなければ宮古島で過ごす年末年始は暇です。未就学児の子供が2人にる我が家の場合、年末年始は子供を保育園に預けられないのでなかなか大変。
帰省したいとも思いますが、年末年始は航空運賃が高く簡単にはできません。親戚が近くにいないので、賑やかなお正月というわけにはいかず。ただただ子供たちと向き合うお正月。
普段から付き合いのある宮古島出身者の家に顔を出す年もありますが、今年は天気が悪かったので買い物に行ったぐらいでずっと家に引きこもっていました。
宮古島は狭い島なので、外出すれば知り合いに出会います。仕事始めの前に、職場の同僚にスーパーで出会い「あけましておめでとうございます」と挨拶するのも宮古島のお正月の定番です。
どこで誰に見られているかわからないので、気が抜けませんが、「別にどんな姿で見られても大丈夫」というタイプの人が宮古島移住には向いています。
宮古島の初詣スポットと言えば、宮古神社。我が家も毎年元日にお参りしています。冬でも寒くないので軽装で初詣に行けるのはありがたいのですが、毎年初詣に行くたびに、島民と移住者のモラルの低さにがっかりします。
書いていたらヒートアップしてきたので別記事でまとめました。