沖縄の離島、宮古島に移住して5年。宮古島で会社員として働いていますが、給料は移住前に比べるとかなり安いです。
宮古島に移住するかどうかを悩んでいた時、移住の大きなデメリットとして立ちはだかっていたのが、給料の安さ。
この給料で生活していけるのか、将来家族を養っていけるのかと不安を抱えたまま、宮古島移住を決断しました。
私は30代ですが、基本給は10万円台。あまりの給料の安さに、給与明細を見るたびに毎月ショックを受けています。
宮古島の給料はなぜこんなにも安いのか、住んでみてわかった理由をまとめました。
宮古島は田舎
観光客から見れば、宮古島はリゾートアイランドですが、地元の人からすれば、宮古島は沖縄の辺境にある離島。沖縄の中でも宮古島は「田舎」です。
当然、都会に比べれば田舎の方が給料は安いです。
宮古島市の人口は5万4000人。地元企業が商売をしようにも、顧客は島内の住民に限られるので、その分収益は少なくなります。
例えば新聞社。全国紙の読売新聞の発行部数は80万部以上。県紙の沖縄タイムスは15万部。宮古島の新聞、宮古毎日新聞は3万部以下です。
新聞社の社員は高給取りのイメージがあります。読売新聞や沖縄タイムスの社員は高給取りですが、宮古島の新聞社の給料は安いです。
地元企業は、人件費にお金をかけていれば、生き残ることができません。
宮古島の会社員は、毎月18万円もらえればいい方。15万円の会社もあれば、13万円の会社も普通にあります。
今でこそ観光業が絶好調で、求人情報が溢れている宮古島ですが、5年前までは、求職者が仕事を選べるような状況にはありませんでした。
宮古島で働きたいなら、給料の安さは我慢するしかない。私はそう自分に言い聞かせて宮古島に移住しました。
宮古島バブルで給料は上がる?
宮古島は今、バブルと言われる好景気。年間観光客数はこの5年で3倍になり、年間100万人を突破。有効求人倍率は2倍を超え、1人の求職者に対し求人情報が2つある状況です。
バブルになれば給料が上がるイメージがありますが、宮古島に住んでいて、会社員の給料が上がっているという実感は全くありません。
私自身の給料も変わりませんし、島の友人、知人で給料が高くなったという人はいません。
アルバイトの時給は高くなっています。5年前には時給750円~850円ぐらいの求人情報が多かったですが、2019年には時給1000円の求人情報も見られるようになりました。
バブルによる人手不足を補うため、企業はアルバイトの時給を上げて対応しようとしています。バブルだからと言って社員を増やしたり、社員の給料を上げたりするほどの体力はありません。
宮古島の経営者たちは、バブルはいつか終わると考えています。
バブルは観光客の急増によってもたらされたものであって、企業の経営努力によるものではありません。バブルによって利益が拡大している企業もありますが「一時的に利益が拡大しているだけ」と捉える傾向にあり、社員の給料は安いままです。
宮古島に進出する島外企業
バブルの波に乗って、これまでは宮古島になかった島外企業も宮古島に次々に進出しています。島外資本の企業だからと言って、給料が高いわけではありません。
島外資本の企業はは本社採用と地元採用で給料体系が全く違うところが多いです。
ユニマットプレシャス
代表的なのは、宮古島で最大のリゾートホテルエリアを運営するユニマットプレシャス。毎年100人近い社員が宮古島に送り込まれます。
次々に新しいホテルや結婚式場を建設し、事業を拡大中。人手確保のため常に求人情報を出し続けていますが、地元採用の給料は地元企業並みの安さです。
日建ハウジング
最近宮古島に日建ハウジングのグループ企業が進出しました。複数のホテルの開業を計画しています。
宮古島でホテルを運営するのは「沖縄UDS」という日建ハウジングの傘下にある企業。
日建ハウジングの下に「UDS」という関連企業があり、その下に「沖縄UDS」があります。
日建ハウジングの給料は高くても、沖縄UDSの給料は安いです。
ユニマットプレシャス、日建ハウジングよりも規模の小さい企業も次々に宮古島に進出していますが、従業員の給料は安いです。
月収10万円台で生活できる?
宮古島で会社員として働く私。30代で基本給は10万円台です。
我が家は子育て世帯。私ひとりの給料では家計は赤字なので、妻も働いています。
宮古島では共働きはあたりまえ。宮古島移住者で専業主婦をしている人はほとんどいません。
共働きだからと言って生活に余裕があるわけではありません。少ない給料をやりくりしながら何とか生活しています。
最近は宮古島バブルの悪影響で、賃貸物件の家賃が高騰しています。バブルに便乗して、入居者の家賃を値上げする大家も出始めています。給料は上がらないのに、家賃が上がる。島民にとっては死活問題です。
生活するだけなら家計は赤字にはなりませんが、贅沢はできません。今後、子供の学費がかさむようになったら家計はどうなるのか。将来への不安は尽きません。
さいごに
宮古島には大学や専門学校がありません。宮古島出身者の大半は、高校卒業後島を出ます。
島を出た人たちの多くは、そのまま島外で就職します。
島に帰ってこない理由は、島の給料が安いから。
高校卒業後島を出た地元出身者の半分以上は、そのまま島外で暮らし続けます。
宮古島の仕事事情は決して楽ではありません。
給料が安いからと言って仕事が楽なわけでもありません。
それでも、宮古島に移住したいなら、給料の安さとハードな仕事を受け入れる覚悟が必要です。