宮古島では毎年水難事故が発生し、死者が出ています。水難事故の死者のほとんどは観光客。
シュノーケリング中の事故や台風通過後の水難事故が多いです。
宮古島の水難事故が多いビーチ、地元の人が近づかない危険な場所をまとめました。
※この記事に掲載していない海が必ずしも安全なわけではありません。宮古島にライフセイバーがいる海はほとんどありません。
砂山ビーチ
宮古島で最も水難事故のリスクが高いビーチです。
名称に「ビーチ」とついているので、泳げる海だと勘違いする人が多いですが、海水浴には向いていません。
遠浅のように見えて、ある程度のところまで行くと海が突然深くなります。波の高い日には、陸の近くでも海水が渦を巻き、海に飲みこまれるように溺れる場合があります。
2014年に観光客の女性2人が死亡。2018年に男性が死亡しています。
砂山ビーチではシュノーケリング中の水難事故が多いです。
砂山ビーチはシュノーケリングには向かない海です。サンゴ礁がないので、シュノーケリングをしても熱帯魚やサンゴは全く見えません。
2000年には砂山ビーチの沖でサーフィンをしていた男性がサメに噛まれ亡くなる事故がありました。今では砂山ビーチでサーフィンをする人はほとんどいません。
砂山ビーチは宮古島で最も水難事故のリスクが高いビーチ。
日本のベストビーチトップ10常連のビーチで、海の美しさは申し分ありませんが、海に入るのは危険です。
渡口の浜
宮古島と伊良部大橋でつながる伊良部島のビーチ。2015年の伊良部大橋の開通以降、観光客が急増しました。
エメラルドグリーンの海岸線が続く美しいビーチですが、水難事故のリスクが高く地元の人は泳ぎません。
砂地のビーチで外洋と直接つながっているので、一度離岸流に巻き込まれると、一気に遠くまで流されてしまいます。
宮古島の新城海岸や吉野海岸は、サンゴ礁のリーフによって外洋と内海が明確に分かれていて、リーフの内側で泳いでいればそれほど水難事故のリスクはありません。
渡口の浜にはサンゴ礁がなく、外洋と直接つながっているので水難事故のリスクはとても高いです。
渡口の浜では2015年に子供を含む観光客の家族3人が死亡しています。
渡口の浜は波が高いビーチ。台風接近前後は特に波が高いです。2015年の事故も台風直後の晴れの日でした。波浪注意報発表中の波の高い海に入り、事故にあってしまいました。
渡口の浜は泳ぐには危険。地元の人が泳ぐことはありません。サンゴ礁がないので砂山ビーチ同様シュノーケリングをしても何も見えません。波打ち際で海水に足をつけ、写真を撮って楽しむぐらいがちょうどいいです。
17END
下地島空港の西側に広がる絶景の海。宮古島ナンバーワンの絶景スポットと言っても過言ではないほどの海の美しさです。
干潮で潮が引いた時にだけ現れる幻のビーチは言葉がでないほどの美しさ。
ただし17ENDは海水浴をするにはとても危険な海です。
伊良部大橋開通で宮古島からのアクセスがよくなったことで、17ENDには観光客が急増しました。
干潮時にだけ現れる幻のビーチには、空港の外周道路からテトラポットを10メートルほど下りなければいけません。
2015年の伊良部大橋開通以前、幻のビーチに下りる人は全くいませんでした。橋の開通以降観光客が急増。干潮時には当然のように幻のビーチに人が溢れるようになりました。
17ENDにはサップ業者やビーチフォト業者も進出。17ENDは無法地帯となりました。
17ENDの幻のビーチは下地島空港滑走路の埋め立てによってできた砂浜。滑走路が潮の流れをせき止め、滑走路の西側に砂が集まり、ビーチとなりました。
干潮時にはどこまでも歩いて行けるような錯覚に陥りますが、ある程度のところまで行くと海は急に深くなり、潮の流れも激しくなります。
2017年には17ENDで海水浴を楽しんでいた観光客が潮に流される事故がありました。目撃者の通報により救助されましたが、誰も気づいてくれなければ、陸地に戻るのは至難の業です。
あまりに人が増えたため2019年に車では入れなくなりました。今思えば車で入れていたのが信じられません。あまりに危険です。
イムギャーマリンガーデン
宮古島の南海岸にあるイムギャーマリンガーデン。基本的にはとても穏やかな海です。
外洋と内海が明確に分かれていて、内海で泳いでいる限りは水難事故のリスクは低いです。
内海は直径50メートルほどの大きな池のようになっています。潮の流れはほとんどありません。宮古島のビーチの中でも特に穏やかな海として知られていて、子連れでもマリンレジャーを楽しめる海です。
シュノーケリングや体験ダイビングの業者も出入りしています。
内海から外洋へは幅10メートルほどの橋の下を通れば出られます外洋の潮の流れはとても激しいです。
ひとたび外洋に出ると、潮の流れはとても激しいです。何も知らずに外洋に出て、離岸流に流され、帰ってこられなくなる事故が発生しています。
台風前後のイムギャーマリンガーデンはかなり危険。台風時の南海岸の波の高さは尋常ではありません。台風通過後もしばらくは波の高い状態が続きます。
イムギャーマリンガーデンは波が穏やかで安全なイメージがありますが、水難事故のリスクと隣合わせの海です。
イムギャーマリンガーデンで海水浴を楽しむなら、外洋には絶対に出ないようにしましょう。
わいわいビーチ
ここ数年、水難事故が急増している場所です。
宮古島の南海岸に位置するわいわいビーチ。ウミガメ遭遇率がとても高いスポットとして人気です。
ウミガメに出会えるは、ビーチの内側ではなく、人口的にビーチを作るために海上に作られた防波堤の外側。
防波堤の外側なので、まぎれもなく外洋です。
シュノーケリング業者やダイビング業者のツアーを利用して潜る人が大半ですが、ウミガメスポットとして知名度が高くなったことから、ツアーではなく個人で潜る人も出てきました。
海は誰のものでもないのでツアーに参加せずに潜っても問題はありませんが、水難事故のリスクはとても高いです。
2018年には台風通過後にサップをしていた女性が流され、現在も行方不明です。
ウミガメがいるのは水深の深い外洋。ウミガメに会えるということは、水難事故のリスクが高いとも言いかえられます。
ツアーに参加せずにワイワイビーチの外洋に入るのはかなり危険です。
中之島海岸
下地島の知る人ぞ知るシュノーケリングスポットだった中之島海岸。伊良部大橋の開通以降観光客が急増しました。
イムギャーマリンガーデン同様。サンゴ礁の広がるリーフの内側で泳いでいれば水難事故のリスクは低いですが、内海と外洋の区別がつきにくく、魚に気を取られているうちに外洋に出てしまうことがあります。
ひとたび外洋に出ると離岸流が強く、簡単には陸地には戻ってこられません。
最近ではシュノーケリンググッズの貸し出し業者も進出し、海水浴場のような雰囲気になっていますが、地元の人はほとんど入らない海です。
中之島海岸のサンゴ礁、熱帯魚は美しく、シュノーケリングは魅力的ですが、同じサンゴ礁の海に潜るなら新城海岸、吉野海岸の方が水難事故のリスクは低いです。
小さな海に観光客が溢れ、サンゴが折れるなどここ数年で急速に環境が変化しています。
三角点
海抜70メートルの断崖絶壁にある三角点。伊良部島の北海岸を一望できます。
景色はとてもきれいですが、断崖絶壁にあるので危険と隣り合わせ。地元では転落事故が起きる前に立ち入り禁止にした方がいいという声が広がっています。
天気が悪い日は足元が滑りやすいので行かない方がいいです。風が強い日も危険。特に冬は北風が強いです。夜明け前や夕暮れ時も危険です。
晴れた日に行く場合でも履きなれた靴で、足元には十分注意する必要があります。絶景が見えるエリアは人が5人立てるほどのスペースしかありません。多くの人が密集すると危険。長居は避けましょう。
【追記】三角点はあまりに危険なので立入禁止になりました。
伊良部大橋
2015年に開通した、宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋。全長3540m。無料で渡れる橋としては日本一の長さを誇ります。
伊良部大橋は橋そのものが絶景スポットとして観光客に人気です。
伊良部大橋は片側1車線。橋の一番高い部分の両サイドに駐車スペースがあります。観光客は駐車スペースに車を止め、写真を撮ります。
観光客には知られていませんが、伊良部大橋は全面駐停車禁止。橋の一番高いところにある駐車エリアは緊急時の退避スペースで展望スペースではありません。
退避スペースの幅はとても狭いです。往来する車にはねられないよう注意が必要です。
2017年にはこの場所でプロポーズに成功した男性が欄干を乗り越えて足を滑らせ、海に転落して死亡する事故が発生しています。
2022年にも女性が転落死しました。
伊良部大橋は橋そのものが観光スポットとして人気ですが、許されているのはドライブでの観光。車の駐停車は禁止されています。
海の危険生物
宮古島では海の危険生物にも注意が必要。特に子連れで海に入るなら海の危険生物のリスクを知っておいた方がいいです。
宮古島の海では毎年ハブクラゲの被害が報告されています。
最も注意が必要なのはハブクラゲ。ハブクラゲは触手に毒針を持っています。触手に触れると毒針で刺され、最悪死に至ります。
市街地エリアのパイナガマビーチには夏場、ハブクラゲ進入防止ネットが張られます。ネットの内側で泳いでいる限りハブクラゲに刺されることはありません。パイナガマビーチには万が一ハブクラゲに刺された時のための食酢が置かれています。
ハブクラゲの進入を防ぐためのネットがあるのは、パイナガマビーチと平良港トゥリバーのサンセットビーチ、宮古島東急ホテル&リゾーツ前の砂浜の遊泳エリアのみ。この他の海ではハブクラゲに刺されるリスクがあります。
2019年には、渡口の浜でカツオノエボシというクラゲに子供が刺され救急車で搬送される被害も出ています。
宮古島での海水浴ではクラゲに刺されないよう、注意が必要です。
安全に海水浴を楽しむために
宮古島では毎年多くの水難事故が発生し死者が出ています。死者の大半は観光客。シュノーケリング中の事故、台風通過直後の事故が多いです。
シュノーケリングをするならシュノーケルの正しい使い方を理解し、浅いところで練習してから海に入りましょう。ライフベストを着用しましょう。
台風通過後は晴れていても数日間は海が荒れています。波浪注意報が解除されるまで海水浴は避けましょう。