田舎で子育てのメリットデメリット 移住者の落とし穴とは?

沖縄の離島、宮古島に移住し子供を育てているshimagurashi です。

田舎での子育てには、自然が豊か、生活しやすい、気持ちにゆとりがあるなどのメリットがある一方で、給料が安く家計が苦しい、学力が低いなど、デメリットも存在します。

移住5年の経験をもとに、田舎で子育てのメリット、デメリット、落とし穴をまとめました。

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メリット

移住5年で実感した、田舎で子育てのメリット、デメリットです。

生活しやすい

都会に比べ田舎は生活しやすいです。宮古島は人口5万5千人の小さな島。半径2キロほどのエリアに生活に必要なものは全て揃っています。

田舎での暮らしは不便だと想像されがちですが、都会以上に便利だと感じることの方が多いです。

市役所、スーパー、コンビニ、ドラッグストアなど、生活に必要な場所には全て車で5分以内につきます。

保育園、小児科、耳鼻科、子育て支援センター、保健センターも全て車で5分の距離。生活のしやすさは子育て世代にとっては特に大きなメリット。移動が楽な分、有効に使える時間が増えます。

移住生活が長くなるにつれ、職場も保育園も自宅の延長のような感覚になってきます。

都会では常に何かに追われるような感覚で生きていましたが、田舎では島全体の空気感がゆっくりなので、無理せずマイペースで子育てできます。

自然が豊か

田舎での生活では常に自然の豊かさを感じながら生きることができます。宮古島の海の美しさは格別。移住5年の今でも全く見飽きることはありません。

コンクリートに囲まれた都会とは、普段の生活の中で見える景色が全く違います。

台風にも負けないサトウキビ。四方八方に根を張り、たくましく伸びるガジュマル。宮古島の植物は生命力に満ちています。

都会で暮らしていた頃は自然の美しさに目を向ける余裕はありませんでした。移住したことで自然の偉大さ、豊かさに気づくことができました。

豊かな自然に囲まれた宮古島の子供たちは、素直で感受性豊かに育ちます。自然が豊かなことは田舎で子育ての大きなメリットです。

気持ちにゆとりがある

都会の殺伐とした空気の中で生活する必要がないので、おおらかな気持ちで子供と向き合えるのも田舎で子育てのメリットです。

自然が豊かな島で子供たちは素直に、たくましく育ちます。

宮古島の子供たちはとてもいい子。見知らぬ人にもきちんと挨拶をします。知らない大人が注意してもふてくされることなく、きちんと謝ります。

都会に比べれば、田舎は子育てに対する理解がある職場が多いです。

私の職場は、子供の急な発熱で保育園に迎えに行かなくてはならない時、嫌な顔ひとつせずに「早く迎えに行ってあげて」と送り出してくれます。

小さい子供を連れて歩いていると声をかけてくれる人がとても多いです。「かわいいね」「何歳?」と自然に子供に語りかけてくれます。

渋滞・人ゴミがない

子育て世代にとっては、渋滞や人ゴミは大きなストレスになります。宮古島には渋滞も満員電車も人ゴミありません。

移動は車が基本。車が少なく、信号も少ないので、渋滞はありません。都会だと20分かかる距離でも5分で着きます。渋滞がなく移動が楽なのは大きなメリットです。

田舎に5年住むと人ゴミへの免疫がなくなります。ぎゅうぎゅうに肩を寄せ合う都会の花火大会には行けなくなります。満員電車には乗れなくなります。

田舎から都会に帰省するたびに、空港や駅の人ゴミで酔いそうになります。

都会で暮らしていた頃は時間に追われ、一本でも早い電車に乗ることばかり考えていました。今は満員の時間を避けたり、遠回りしてでもすいている電車を使ったりする心のゆとりがあります。

子供に優しい

田舎に行けばいくほど、移住者は地元の人に警戒されます。

「なんでわざわざこんな田舎に来たのか?」「都会での暮らしに失敗したのか?」「逃走中の犯罪者?」と言うような目で移住者を見る人もいます。

単身移住者は特に警戒されますが、家族での移住だと地元の人の警戒心も弱まります。

地元の人ははじめは移住者を「よそ者」と捉えますが、出身地や仕事、家族構成などがわかり安心すると、少しずつ心を開いてくれます。子連れだと心を開くハードルも低いです。

しっかりと信頼関係を築けば、地元の人たちはとても優しいです。子供を預かってくれたり、保育園の迎えに行ってくれたり。困った時には手を差しのべてくれます。

地元の人たちの優しさに包まれて、子供たちは優しい子に育ちます。

友人の輪が広がる

田舎での暮らしがうまくいくかどうかは、いかに人脈を広げられるかにかかっています。

単身や夫婦での田舎暮らしでは、簡単に人脈は広がりませんが、子供がいればどんどん人脈が広がっていきます。子供が学校や保育園に通い始めれば、子供同士の横のつながりが生まれ、先生や保護者へと親の人脈も広がります。

私たち夫婦も子供が生まれるまでは、島での知人友人は限られていましたが、子供が生まれたのをきっかけに一気に人脈が広がりました。

子供が生まれるまでは移住者の友人・知人がメインでしたが、子供が生まれたことで地元の人たちともつながりが生まれました。

移住生活で本当に困った時に助けてくれるのは地元の人たち。子供が地元の人たちと親をつないでくれます。

広い公園

田舎には公園デビューという概念がありません。公園はみんなの公園です。都会だと狭い公園にたくさんの子供がいますが、田舎は広い公園にまばらに子供がいます。

他の子に過度に気を使うことなく子供を遊ばせられるので気持ちが楽です。宮古島は小さい島なので、公園で知り合いに会うことも多いです。

宮古島の子供たちは小さな子と遊ぶのがとても上手です。自分より小さい子に自然に手を貸したり、順番を譲ったりしてくれます。

宮古島は子だくさんの島。3人兄弟、4人兄弟もたくさんいます。大人数の兄弟の中で育った子どもたちは他人の子にも優しくしてくれます。

宮古島には島全体に子供が主役、島の子はみんなの子という雰囲気があります。子供たちをみんなで守り、育てるという空気感があります。

都会の殺伐とした子育て環境とは真逆。田舎はとても子育てしやすいです。

家族の絆が深まる

田舎での暮らしは困難を伴います。それを乗り越えることで家族の絆が深まります。

宮古島には毎年猛烈な台風がいくつも接近します。毎年何回かは確実に停電します。停電は長い時には丸1日続きます。

停電中は電気がつかず、電気とガスが連動していればガスも使えません。インターネットも使えません。夜は家の中も外も真っ暗。冷蔵庫も動かないので中の食材が腐っていきます。

台風を耐えしのぐのは大変ですが、家族みんなで台風に耐えることで、家族の絆が深まります。

都会暮らしに比べれば田舎暮らしの方が家族の絆は深まりやすいと感じます。

みえをはらなくていい

都会には常に周りの目を気にしながら生きなくてはならない緊張感があります。田舎での子育ては背伸びをする必要が全くありません。

高級ブランドを持っている人は田舎では浮きます。子供にブランド物の洋服を着させる親はいません。

宮古島の住民は、大人も子供も、みんな身の丈に合ったものを着ています。過度なオシャレはしません。

子供の洋服が多少汚れていても気にしません。都会だと「あそこの子は服が汚れているから育ちが悪い」なんて噂になるかもしれませんが、田舎では最低限の清潔さを保っていれば全く問題ありません。

子育てで背伸びをする必要がなく、ありのままでいられるので、とても気持ちが楽です。

ご近所さん同士で、着なくなった服をあげたりもらったりできるのも田舎で子育てのメリットです。

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デメリット

移住5年で実感した、田舎で子育てのデメリットです。

家計が苦しい

田舎で子育ての一番のデメリットは、給料が安く家計が苦しいこと。

田舎は給料が少ないです。沖縄の給料は全国平均の3分の2と言われています。宮古島はそれをさらに下回ります。宮古島の30代会社員の私の基本給は19万円台です。

いくら子育て環境が良くても、お金がなければ子供は育てられません。子育て世代の移住者の中には給料の安さを理由に帰っていく人もいます。

「お金に縛られない生き方をしたい」と思って宮古島に移住した私ですが、宮古島での子育てを通して、お金の大切さを痛感させられるという皮肉な結果になっています。

田舎暮らしは都会に比べ給料が少なく、家計が苦しいです。田舎で子育てするなら共働きは当然。子供たちのために歯を食いしばって一生懸命働く覚悟が必要です。

物価が高い

田舎だからといって物価が安いわけではありません。田舎であればあるほど、輸送費がかかる分物価が高くなります。

宮古島は沖縄の離島。生活物資は全てフェリーでの輸送に頼っています。輸送に費用がかかる分、物価は高いです。

乳製品や葉物野菜は特に高いです。牛乳が高いので我が家では豆乳を飲んでいます。ガソリンも驚くほど高いです。

子育てにはお金がかかります。子供が小さいうちはオムツ代やミルク代がかさみます。都会のディスカウントストアに比べれば、オムツ代やミルク代も高いです。

子供の給食費や保育料は都会と変わらず高いです。給料は少ないのに物価が高い。田舎の子育て世帯の家計は苦しくなるばかりです。

学力が低い

子供が大きくなるにつれ学力の低さが気になるという親も増えてきます。

田舎には進学校やレベルの高い学習塾はありません。高校受験はありますが名前を書けば誰でも合格できるレベル。子供たちはぬるま湯につかったまま高校生になります。

宮古島で子育てをしている人の中には、島の高校の学力の低さを心配して、沖縄本島の高校に子供を進学させている人もいます。

田舎での暮らしでは学校の授業よりも大切なものも身につけられるかもしれません。ただし、学力の低さゆえに子供の将来の選択肢を狭めてしまうこともあり得ます。

学力の低さは、田舎で子育てのデメリットです。

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落とし穴

田舎での子育てと聞くとのんびりしたイメージがありますが、実際はかなり忙しいです。

子育て環境がすばらしい宮古島でも、のんびり子育てしている親はほとんどいません。

田舎に移住したからと言って、保育園の送り迎え、掃除、洗濯、食事作り、片付け、洗い物、保育園の準備、寝かしつけがなくなるわけではありません。

日々の家事・育児をこなすだけでも大変です。田舎は給料が少ないので共働きが基本。父親も母親も仕事と家事と育児でへとへとになります。

移住前、田舎に行けばのんびり子育てできると幻想を抱いていた私たちは移住後痛い目にあいました。書いていると長くなったので私たちの「田舎でのんびり子育て失敗談」はこちらの記事にまとめました。

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まとめ

田舎で子育てするメリット・デメリット、落とし穴をまとめました。

田舎での子育てには、自然が豊か、生活しやすい、気持ちに余裕を持てるなどのメリットがある一方で、給料が低く家計が苦しい、学力が低いなどデメリットもあります。

このブログでは、宮古島移住5年の経験をもとに田舎暮らしの現実を発信しています。田舎での子育てや移住を考えている皆様の参考になれば幸いです。

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