トライアスロン宮古島大会中止|新型コロナウイルスショック

宮古島移住5年のshimagurashiです。

新型コロナウイルスの影響で、2020年4月19日に開催予定だった全日本トライアスロン宮古島大会が中止となります。

トライアスロン宮古島大会は1700人の選手、5000人のボランティアが参加する宮古島最大のイベント。

35年間連続で開催されてきた大会は、2020年、初めて中止となりました。

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トライアスロン宮古島大会とは

ロングディスタンスのトライアスロン大会としては、日本で最も有名なトライアスロン大会。海外から多数の招待選手が参加し、国内アマチュア選手の憧れの大会。

開催地は沖縄本島から南西に300キロ離れた宮古島。人口5万5千人の小さな島は、大会期間中トライアスロン一色に染まる。

スイム3キロ、バイク157キロ、ラン42.195キロの鉄人レース。完走者にはストロングマンの称号が与えられる。

開催時期は毎年4月。4月の宮古島は夏のような気候。暑い年には気温が30度に迫る。

日差しの強さ、強風、突然の雨。選手たちは変わりやすい島の天気を克服し感想を目指す。

競技開始は午前7時、競技終了は午後8時半。13時間以内にゴールに辿りつけば、完走。

人口5万5千人の島で5000人がボランティアとして参加する。ボランティアはエイドステーションで選手にドリンクや軽食を手渡し、励ます。

選手の安全を確保するための走路員や、ボランティアの食事の準備もボランティアで賄われている。

大会中止

新型コロナウイルスによる全国的なイベント自粛の流れを踏まえ、宮古島トライアスロン大会も中止となります。

沖縄県内では新型コロナウイルスの感染者が3人確認されています。宮古島での感染確認は今のところありません。

政府が全国の自治体に小中高校の休校を要請したことにより、宮古島市の小学校、中学校、高校も休校となっています。

大会が開催される4月19日には新型コロナウイルスの流行は収まっている可能性もありますが、県外からの参加者が多いことから開催の可否を早めに判断する必要があり、中止が決断されました。

宮古島への旅費は安くありません。ギリギリに大会中止を発表すれば、選手の怒りを買うことになります。

選手の参加費は返金される予定です。

中止の理由

宮古島トライアスロン大会は新型コロナウイルスの影響で中止となります。

大会への出場が決まっていた選手は残念だと思いますが、トライアスロンの参加者は選手だけではありません。

選手1700人に対し、5000人がボランティアとして参加します。

人口5万5千人の島民のうち、5000人がボランティアとして参加するのです。

ボランティアとは名ばかりで、実際は企業単位や学校単位での参加が目立ちます。純粋なボランティアは一部です。

小中高校を休校にしてまで新型コロナウイルス流行を阻止しようとする状況の中、大会を開催したとして、どの程度ボランティアが集められるかは不透明です。

宮古島市は政府からの要請を受けて小中学校を休校にした立場です。その宮古島市が、大会のために生徒をボランティアとして派遣してくれというのは乱暴です。

宮古島のような小さな離島ではひとたび感染症の流行が起これば取り返しのつかないことになります。

島の病院数は限られています。新型コロナウイルスなどの特殊な感染症に対応できるのは宮古病院のみ。

1人の感染者なら対応できるかもしれませんが、感染者が増えれば島の医療体制は崩壊します。

延期は出来ない

延期の選択肢はありません。

トライアスロン大会は島を挙げてのイベント。大会当日、島はトライアスロン一色に染まります。

島内全体に交通規制が敷かれ、来間大橋、池間大橋はコースとして使うため車両通行止めとなります。

トライアスロン実行委員会で中心となって大会を運営するのは宮古島市役所の職員。小さな島の市役所職員がトライアスロン開催のためチームを組み、大会を運営します。

時期がずれれば他の業務に支障が出ます。

宮古島トライアスロン実行委員会に、日程を延期してまで大会を開催するエネルギーはありません。

宮古島の現状

新型コロナウイルス流行により宮古島には海外からの旅行者が激減しています。

台湾・中国からのクルーズ船、香港からの定期便が運休となり、海外から直接宮古島に入るルートが全て寸断されました。

宮古島には外国人観光客がほとんどいなくなりました。島で外国人を見かけることはありません。

数か月前まで、宮古島のビーチやスーパーは中国人で溢れていましたが、今はとても静かです。

国内観光客の旅行控えも出始めています。団体旅行がなくなり、バスツアーがキャンセルになるなど島内経済にも影響が出ています。

新型コロナウイルスに対して島の人たちはそれほど危機感を持っていません。

対岸の火事のような捉え方で、宮古島にいる限りは大丈夫とのんびりしている人が多いです。マスクをしている人も少数派です。

沖縄本島や県外に行く人は少なくなりましたが、島にいれば安心というスタンスの人が多いです。

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島民の反応

宮古島の人たちは、何事も受け入れ、許す心の広さを持っています。

大会が中止になっても「仕方ないさぁ」の一言で許してくれます。

第1回大会が開催された頃は島に観光客が少なく、静かな島が年に一度熱く燃えるイベントとして、島民の関心もとても高かったです。

観光客が増え、トライアスロン大会以外のイベントが日常的に開催されるようになった今は、残念ながらトライアスロン大会への島民の関心は低くなっています。

沿道の応援の数も昔に比べれば減りました。大会実行委員会は毎回ボランティアの確保に苦慮しています。

新型コロナウイルスによる大会中止は、大会を見つめ直す良いきっかけになりそうです。

中止の流れ

スポーツアイランドを掲げ、様々なスポーツ大会を開催している宮古島。

2020年はターニングポイントとなる年になりそうです。

5月のツールド宮古島、6月のビーチバレー宮古島大会、11月のエコアイランド宮古島マラソンが全て中止になりました。

3つの大会の中止理由は新型コロナウイルスではありません。

ツールド宮古島では昨年、レース中に選手が死亡する事故がありました。

ビーチバレー宮古島大会、エコアイランド宮古島マラソンは「観光客を増やすという目的を達成した」との理由で中止となります。

ツールド宮古島は来年以降復活する可能性がありますが、ビーチバレー宮古島大会、エコアイランド宮古島マラソンは大会廃止となります。

観光客が急増したことで、大会を運営する観光協会の業務が増え、大会運営に手が回らなくなったというのが実情のようです。

大会時の交通規制に苦情を言うホテル業者やマリンレジャー業者も出てきました。

観光開発が急速に進む宮古島。静かな島、癒しの島、素朴な島。というイメージは失われつつあります。

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来年以降

2020年の第36回トライアスロン宮古島大会は中止となりましたが、2021年以降は復活する見込みです。

今回出場権が与えられていた選手に、2021年の大会で優先的に出場権が与えられるかは不明です。

トライアスロン宮古島大会はアマチュアトライアスリートにとっては憧れの大会ですが、運営側には疲労も蓄積しています。

ビーチバレー大会やエコアイランド宮古島マラソンのように今後廃止となる可能性はあります。

島内には大会開催を楽しみにしている人もいますが、何年かに1度でいい、廃止した方がいいという声もあります。

新型コロナウイルスによるトライアスロン宮古島大会中止は、今後の大会運営を見つめなおす良いきっかけになりそうです。

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