世界的なホテルブランド「ヒルトン」のホテルが宮古島に開業します。
東京ドームよりもひと回り大きい広大な敷地に建設されるリゾート。
ホテルは2021年2月に着工済。2023年に開業予定です。
宮古島ヒルトンホテルの概要、地元での評判をまとめました。
【建設現場の写真】
2022年1月
宮古島ヒルトンホテルの場所
宮古島ヒルトンホテルは、平良港のトゥリバー地区に開業します。
宮古島の美しい海と伊良部大橋を一望でき、ホテル建設には最適な場所です。
地元では「トゥリバー」として親しまれ、サンセットスポットとして定着しています。
昼はあまり人がいませんが、夕方になると多くの観光客が訪れます。地元の人は犬を散歩させたり、ビーチでのんびり時間を過ごしたりしています。
宮古島最大の繁華街エリア「西里通り」からは車で5分の好立地です。
宮古島の市街地エリアのビーチといえば、パイナガマビーチがメジャーですが、トゥリバーの「サンセットビーチ」の海もきれいです。
トゥリバーは全体が埋立地。サンセットビーチも人工的に造られたビーチです。
サンセットビーチ近くの広場では毎年「宮古島ロックフェスティバル」が開催されています。
伊良部大橋が近く、宮古空港、下地島空港からのアクセスも良い場所です。
宮古島ヒルトンホテルの高さ、広さ、客室数
宮古島ヒルトンホテルは8階建て。敷地面積は5.4ヘクタール。客室数は329室。
宮古島の海岸線沿いには8階建ぐらいのホテルはいくつもありますが、329室はかなりの規模です。
宮古島の主要リゾートホテルの客室数は宮古島東急ホテル&リゾーツが248室。
ブリーズベイマリーナが307室。
宮古島バブル全盛期に開業したリゾートホテルの客室数はシーウッドホテルが169室。
シギラミラージュが120室。
イラフSUIが58室。
ザ・リスケープが41室。
「ヒルトンホテル」の「329室」はかなりのインパクトがあります。1つのホテルの客室数としては宮古島最多。
「シーウッドホテル」や「シギラミラージュ」の開業も地元では話題になりましたが、ヒルトンホテル開業が宮古島経済に与える影響は比べ物にならないほど大きいです。
ヒルトンホテルを建築する三菱地所はトゥリバーにホテル用地を含む13ヘクタールを所有しています。
13ヘクタールのうちホテル用地はわずか5.4ヘクタール。
ホテル周辺の開発計画は明らかになっていませんが、開発次第では宮古島を象徴する一大リゾートエリアになりそうです。
地元の評判
宮古島の人たちはのんびりした性格。世界的ホテルブランド「ヒルトンホテル」の開業にもそれほど関心を示していません。
宮古島では2018年~2020年頃のバブル期に次々にリゾートホテルが開業しました。
同時期に中国・台湾からのクルーズ船の寄港が急増し、海外からの観光客が宮古島に大挙して押し寄せるようになりました。
離島で田舎だった宮古島では急ピッチで開発が進みました。
バブル前は「開発して、観光客を増やして、経済的に豊かな島に」という考え方が主流でしたが、バブル後は「開発しすぎて自然環境・住環境を乱さないで」が主流になりつつあります。
外から宮古島に入ってきて、乱開発して利益だけを持って行くような業者は地元では嫌われます。
宮古島に古くから住んでいる人たちの考え方やルールを尊重し、宮古島の自然環境と調和するような開発が求められています。
宮古島は元々リピーター率がとても高い島。石垣島に比べると知名度は低いですが「知る人ぞ知る穴場の楽園」としてのポジションを確立していました。
宮古島バブルで知名度が急上昇し、観光客の層が広がりました。LCCが飛ぶようになり若い観光客が増えました。
宮古島を長く愛している観光客も、宮古島の素朴な自然を残す形での開発を臨んでいます。
宮古島ヒルトンホテル開業で、宮古島の世界的なブランド価値は高まりますが、それが歓迎されるかどうかは開発の質次第です。
開業予定
宮古島ヒルトンホテルは2021年2月に着工しました。
計画発表時の予定からは半年遅れでの着工です。
現地に行ってみると、ホテル建設地はフェンスで覆われていました。
ホテル開発を行うのは三菱地所。施工者は鹿島建設・国場組・大米建設の共同事業体。
ホテルの工期は2023年2月まで。ヒルトンホテルは着工から2年で完成する計画ですが、工事が計画通りに進むかは不透明です。
バブル期に宮古島に開業したホテルはほとんどが計画通りに開業できませんでした。
離島への物資輸送、台風、作業員の確保など、離島での工事は計画通りに行かないことも多いです。
大手ゼネコンの「鹿島建設」、沖縄最大の建設会社「国場組」、宮古島最大の建設会社「大米建設」と共同企業体の構成は立派ですが、実際は下請けで地元の業者も工事に関わります。
宮古島の建築業界は慢性的に人手不足。開発ラッシュで作業員が足りない上に、コロナ禍でストップしていた工事が2021年には同時多発的に再開しています。
地元の建設作業員からは「来年から忙しくなる」「これからが本当のバブル」という声も聞こえます。
ヒルトンホテルも開業が遅れる可能性は十分にあります。
三菱地所の開発計画
三菱地所は宮古島バブルの火付け役とも言える存在です。
三菱地所が宮古島進出を表明したのは2017年。宮古島第2の空港、下地島空港に新ターミナルを整備し、運営しています。
下地島空港は国際便と国内線LCCに特化した空港。
三菱地所が目指すのは宮古島の国際的な観光地化。
「ターミナルを整備して国際線を飛ばし、世界的なホテルブランドを誘致する」
島の人たちの想像をはるかに上回る、三菱地所にしかできないスケールの開発です。
下地島空港はプライベートジェットの誘致にも力を入れています。
プライベートジェットで海外から下地島空港に乗り付け、ヒルトンホテル長期滞在する富裕層も出てくるかもしれません。

三菱地所はトゥリバーのヒルトンホテルと同時進行で、砂山ビーチ近くにリゾート施設を開発しています。
砂山ビーチは実は私有地。東京に本社がある「宮古島砂山リゾート」が砂山ビーチ周辺の53ヘクタールの土地を所有し開発許可を得ています。
53ヘクタールのうち10ヘクタールの原野が既に切り開かれ、一棟貸しタイプのリゾートホテル建設工事が進んでいます。
ホテルの建設・運営を手掛けるのは三菱地所。超高級ホテルブランド「ローズウッドホテル」として2023年完成予定です。
将来的には砂山ビーチはホテル宿泊者以外立ち入り禁止になるかもしれません。

トゥリバーの変遷
ヒルトンホテルが開業するトゥリバー地区は宮古島市の前身、旧平良市が海洋開発のために埋め立てた土地。
埋め立て費用は220億円。旧平良市はこの一部をホテル用地として民間企業に売却する計画でした。
埋め立て工事は1993年に始まり、1999年に完成。
ホテル用地は外資系企業に売却されましたが、バブル崩壊などでホテル建設計画がとん挫し、20年以上放置されてきました。
三菱地所がホテル用地を購入したことで、ようやく開発が行われることになりました。
放置されていた期間、トゥリバーには島民も観光客も自由に出入りできました。
ヒルトンホテルが開業すれば、トゥリバーの一部のエリアにはホテル宿泊者以外は入れなくなるかもしれません。
建設現場の写真です。
【2021年2月】
【2022年1月】
まとめ
宮古島ヒルトンホテルの場所、客室数、地元の評判などをまとめました。
世界的なホテルブランド「ヒルトン」の宮古島進出はインパクト大。
宮古島ヒルトンホテルの完成で宮古島観光は新たなステージに入りそうです。

