沖縄の離島、宮古島に移住して5年のshimagurashiです。
憧れの離島移住から5年。島暮らしのメリットにありがたさを感じ、デメリットと向き合いながら生活する毎日です。
離島移住には、移住前に思い描いていた通りのメリットもあれば、移住前には想定していなかったデメリットもあります。
離島への移住を考えている皆様が、移住後「こんなはずじゃなかった」とならないために、離島移住のメリット、デメリットをまとめました。
離島移住のメリット
沖縄の離島、宮古島に移住して5年の私が感じる、離島移住のメリットです。
生活しやすい
離島は不便だと思われがちですが、離島は都会よりも生活しやすいです。
島が小さく、市街地エリアに商業施設や住宅が密集しているので、移動が楽で、とても生活しやすいです。
車は必須ですが、車さえあれば、生活に不便は全く感じません。
スーパー、コンビニ、病院、市役所、学校、職場など、車で10分圏内に生活に必要なものは全て揃っています。
ネット通販も便利です。都会に比べて離島は注文してから届くまでの日数がかかりますが、早ければ3日で届きます。離島住民のamazon利用率はとても高いです。
車が少なく、渋滞もありません。移動が楽で生活しやすいのは離島移住の大きなメリットです。
子育てしやすい
離島移住の一番のメリットは、子育て環境の良さ。
宮古島には「島の子はみんなの子」「子供が主役」「子供が生まれたら一人前」という考え方が浸透しています。
子供の運動会などの行事で仕事を抜けるハードルは都会に比べるとかなり低いです。
保育園に預けた子供が発熱したら、すぐに会社を抜けて迎えに行けます。職場の人たちも「早く行ってあげて」と送り出してくれます。
子育てを島の人たちがサポートしてくれる、応援してくれるという空気感がとてもありがたいです。
子育てに関係する島の施設への全くありません。保育園、耳鼻科、小児科、子育て支援センター、保健センターなど、子育てで必要なものは全て揃っています。
都会や地方都市だと、大型商業施設は駐車場が広すぎて店舗に入るだけで一苦労ですが、離島だとこのストレスがありません。
移住するまでは気づきませんでしたが、宮古島では子連れで買い物に来る人がとても多いです。夕方の時間帯にスーパーに買い物に来ている人の半分は子連れです。
家族で食材を買い出しするという古き良き光景が離島にはあります。
子育てのしやすさは離島移住の大きなメリットです。
海はすぐそこ
離島移住者の特権はいつでもすぐに海に行けること。
お昼ご飯をビーチで食べたり、毎週のように週末はシュノーケリングに行ったり。移住して間もない頃は、離島の海をこれでもかというほど満喫しました。
宮古島の海は、沖縄本島とは比べ物にならないほど美しいです。宮古島は山や川がない島なので、土砂が海に流れ出ることがなく、海の透明度がとても高いです。離島の中でも海の美しさはトップクラスです。
移住して5年たっても、海を見飽きることはありません。移住生活が長くなると、海に行く機会は減りますが、今でも海に行くたびに美しさに感動します。離島で生活できていることのありがたさを再認識します。
季節や時間帯によって、海は様々な表情を見せてくれます。最近は、昼間のエメラルドグリーンの海よりも、夕暮れ時の静かな海がお気に入りです。
冬が寒くない
沖縄離島は、冬でも気温が10度を下回ることはありません。北風が強く吹く日は寒さを感じることもありますが、本土に比べると快適です。2月なのに最高気温が25度を超える日もあります。
冬に本土に帰省するたびに、離島の冬の快適さを実感します。雪かきをする必要も、厚着をする必要もありません。
冬はさすがに海には入れませんが、晴れた日のビーチは夏と変わらず美しいです。
本土では、冬は寒くて子供が外で遊べませんが、離島ならビーチで砂遊びなんてこともできてしまいます。
冬も湿度が高いので肌が乾燥することもありません。移住前の私は乾燥肌に悩まされていました。移住後は保湿クリームが必要なくなりました。
寒くない冬は、離島移住の大きなメリットです。
離島移住のデメリット
沖縄の離島、宮古島に移住して5年の私が感じる、離島移住のメリットです。
仕事が大変
「離島生活」と聞くとのんびりしているイメージがありますが、仕事は決して楽ではありません。
夏場の外での仕事は想像以上にハードです。観光で数日いる分には、沖縄離島の暑さも楽しめますが、仕事で毎日となると話は別です。
外で長時間働いた日には、体が疲れきって何もできなくなります。休みの日も疲れが抜けず、せっかくの離島生活なのに家でだらだらしているだけの日も少なくありません。
仕事がハードな割に給料が少ないのも大きなデメリット
私は30代会社員ですが、基本給は10万円台。離島の給料は想像していた以上に少ないです。沖縄県の給料は全国平均の3分の2と言われています。離島はそれをさらに下回ります。
休みがとれなかったり、残業代が出なかったり。離島にもブラック企業はあります。
移住者で「仕事が楽」と言っている人はほとんどいません。仕事のきつさと給料の少なさで生活のバランスが取れなくなった人は、3年以内に帰っていきます。3年以上離島生活を続けている人は、仕事のきつさに耐えながら、少ない給料で毎日頑張って生きています。
カフェ経営、農業、漁業など、企業に属さずに働く道を探る人もいますが、成功のハードルは会社員以上に高いです。
カフェ経営や農業がうまく行かず帰っていく人、農業を諦めて別の仕事を探す人も多いです。
移住前、会社と家の往復だけの毎日が嫌で離島移住を決断した私ですが、離島に来てからも会社と家の往復がメインの生活に変わりはありません。
暑さ、台風、停電
移住1年目は、本土とは違う離島の夏を満喫していましたが、離島生活が長くなると、暑すぎる気候に嫌気がさしてきます。
宮古島は4月から9月までずっと暑いです。夏の日差しの強さは異常。帽子をかぶらずに1時間外に居るだけでクラクラしてきます。
暑さに加え、湿度の高さが不快です。夏なのに湿度99%という日もあります。日差しが強く晴れている日は蒸し風呂の中にいるような暑さです。
移住前の私は全く想像できませんでしたが、今では離島の夏が嫌いになりつつあります。
台風にもうんざりします。毎年猛烈な台風がいくつか接近します。暴風が吹きつけると、窓や玄関の隙間から雨水が入ってきて室内が水浸しになるので、台風がくるたびに、新聞紙をつめ、ガムテープで固定し、雨水の浸入を防がなくてはなりません。
鉢植えや自転車も毎回室内に避難させます。
台風による停電も多いです。停電すれば夜の室内は真っ暗。何もできません。ひどい台風だと停電が数日続きます。冷蔵庫の中のものが腐っていきます。ガスや水道が止まることもあります。
台風による塩害も深刻です。台風で海の潮がついた車やバイクはすぐに洗車しなければあっというまにサビます。台風の時期は心が折れそうになります。
暑すぎる夏、猛烈な台風に耐えなくてはならないことは、離島生活のデメリットです。
航空運賃が高い
離島で生活していると、帰省時の航空運賃がとても高くなります。
計画的に帰省出来るときは最小限に抑えることができますが、親戚に不幸があり、急に航空券を手配しなければならなくなったときなどは、かなりの出費になります。
私たちは夫婦二人で往復の帰省費用が20万円かかったことがありました。
給料が少ない離島で生活していると、帰省費用は家計に大打撃。航空運賃の高さは大きなデメリットです。
移住したての頃は、旅行に行きたいとは全く感じませんでしたが、移住5年にもなると、離島での生活が日常になり、非日常を求めて旅行したくなります。
離島からの旅行は、旅費が高くつきます。帰省するだけでもかなり高額なのに、海外旅行なんて夢のまた夢。国内旅行にもなかなか行けません。
離島に憧れて移住したんだから贅沢言うなと言われそうですが、なかなか旅行に行けないのは離島移住のデメリットです。
親のこと
移住前の私は、離島での生活のこと、仕事のこと、自分の将来のことばかりを考え、親のことなど全く考えませんでした。
今となっては、移住前に考えるべき一番大切なことは、親のことだったと反省。
夫婦での移住、子連れで移住、単身で移住など、様々なケースがありますが、離島生活が長い移住者は、それぞれに親のことを考えています。
離島で生活していると、親にもしものことがあった時に、すぐにかけつけることができません。孫の顔もたまにしか見せてあげられません。
宮古島はとても子育てしやすい島ですが、親も親戚もいない環境での子育ては決して楽ではありません。
親との物理的な距離が離れることは離島移住のデメリットの一つと言えます。
移住者はよそ者
沖縄離島の中でも、宮古島は石垣島に比べ、移住者の割合が少ない島です。住んでいる人の9割以上は地元出身者。移住者は「よそ者」扱いされます。
離島の良さは、人の暖かさ、優しさだと言われます。確かに、宮古島の人たちは暖かく、優しい心を持った人が多いです。
しかし、移住者の生活を助けてくれるわけではありません。
島の人たちは、移住者と関わらなくても生きていけます。島の人たちは移住者を「なんでわざわざこんな田舎に来たか。どうせまたすぐ帰るだろう」と捉えます。島の人たちから積極的に関わってくることはありません。
移住者が少ない離島で生きていくには、島の人たちの助けが必要です。こちらから動かなければ、島の人たちの信頼を得ることはできません。
島のルールを尊重し、でしゃばることなく、謙虚な気持ちで接することで、島の人たちは少しずつ心を開いてくれます。「ここは俺の島だ」というような無礼な人は相手にされません。
離島には独特のルールがあり、理不尽なこともたくさんあります。離島生活を長く続けるためには、理不尽なことも受け入れなくてはなりません。受け入れられなくなった人は島から帰っていきます。
人間関係
小さな離島では、人間関係がより濃くなります。スーパーに行けば必ず知り合いに会うような環境なので隠し事は出来ません。
島の人たちと関わるにしろ、移住者同士で交流するにしろ、人間関係は限定されます。気まずい人とも、必ずどこかでまた顔を合わせることになります。
交通事故の加害者と被害者、いじめの加害者家族と被害者家族など、離島では会いたくない人とも顔を合わせなくてはなりません。
職場の人間関係も楽ではありません。
職場の規模が小さいのでずっと同じ人と顔を合わせて働くことになります。職場に苦手な人がいても、毎日一緒に働かなくてはなりません。
離島の環境はすばらしくても、離島で毎日一緒に働く人との相性が悪ければ、それだけで離島生活は苦しくなります。
人間関係に悩んだり、人づきあいが苦手で離島に移住する人もいますが、離島には離島の人間関係があります。
小さな離島
離島には大きな離島と小さな離島があります。
宮古島や石垣島、瀬戸内海の小豆島、新潟の佐渡島など、人口が5万人規模の島は大きな離島です。
沖縄の与那国島や竹富島、多良間島など、人口が1000人規模の島は小さな離島です。
人口1000人規模の小さな離島の生活は、大きな離島の生活よりも大変です。
島の人口が少ないほど、人間関係が濃密になります。人口1000人規模の離島だと、島の人全員が親戚のような関係です。
島民全員の名前と顔が一致します。
島の住民の大半は地元出身者。移住者が暮らしていくのは至難の業です。
「地域おこし協力隊として移住する」「親しい地元出身の友人がいる」などの場合はなんとかやっていけるかもしれませんが、全く人脈がない移住者の小さな離島での生活はかなりハードルが高いです。
大きな離島だと、スーパーやコンビニ、病院が充実していますが、小さな離島にはスーパーもコンビニもありません。小さな商店がある程度で、品ぞろえは不十分。物価はかなり高いです。病院はありません。診療所があっても医師が常駐しているわけではありません。
与那国島や多良間島で脳梗塞で倒れた人は、海上保安庁のヘリで石垣島、宮古島の病院に搬送されます。治療までかなりの時間を要します。
小さな離島は島外への移動が不便です。与那国島や多良間島など、沖縄の小さな離島から沖縄本島に行くには飛行機を乗り継がなくてはなりません。飛行機の便数は1日2便程度。プロペラ機なので強風ですぐに欠航します。
離島の人口規模が小さいほど移住生活はタフさが求められます。
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