宮古島バブルが崩壊に向かっている3つの理由

本土からの直行便が増え、観光客が急増し、次々に新しいホテルができる宮古島。

家賃も土地も建設費も上がり投資家かも注目されていますが・・・

実は宮古島バブル崩壊のカウントダウンは始まっています。

移住10年の私が3つの理由を解説します。

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バブルは長続きしない

まずは宮古島バブルのおさらいです。

移住10年の私の肌感覚を交えて書いていきます。

宮古島のバブルの始まりは2015年の伊良部大橋開通。

それまで宮古島の知名度は低く、石垣島の足元にも及ばず、少しでも観光客を増やそうと頑張っていましたが、実を結ばず観光業はずっと低調でした。

それが伊良部大橋の開通で一変。

テレビや雑誌などのメディアで宮古島の露出が増え、芸能人が宮古島をPR。

SNSが普及し、インフルエンサーの存在感が増していた時代の流れに乗って宮古島の知名度が一気に高まりました。

羽田からしか飛んでいなかった直行便が関空、神戸、名古屋、福岡から飛ぶようになり、香港、台湾、韓国からも国際便が。

素朴で静かでリピーターに愛される隠れ家的な島だった宮古島は、あっという間に雑多な観光客が訪れる観光地になりました。

その流れに乗って、島では建設ラッシュが加速。

2018年~2020年頃の開発が特にすさまじく、大規模な自衛隊施設の建設と、下地島空港ターミナルの建設、市のドーム施設や大型図書館の建設が、リゾートホテルの乱開発と重なりました。

建設作業員が大量に島に入り、島のアパートはあっという間に建設作業員やホテル従業員、リゾートバイトの寮として借り上げられ、深刻なアパート不足に。

それに便乗してアパートの家賃が法外に値上がりし、建設費用が爆上がりし、土地の値段も全国トップレベルの上昇率で上がり続けています。

10年前、移住者が月5万円で借りてつつましく暮らしていたアパートは今では月10万円で業者が借り上げています。

コロナ期間中もホテル開発の勢いは止まらず、特に富裕層をターゲットにした高級ホテルの建設が増えています。

宮古島に住んでいても、ここ数年の島の変貌ぶりには全くついていけません。

コロナでも宮古島の観光業はほとんど失速せず、V字回復どころかコロナ前より観光客は増えていて、特に外国人観光客を多く見かけるようになりました。

まだまだバブルは衰えそうにない勢いですが、全ての物事には始まりがあれば終わりもあります。

今は家賃も土地も建設費も上がり続け、宿泊費も高止まりしていますが、いつまで続くかはわかりません。

小さな島ではあっという間にバブルがふくらんだ反動で、しぼみだすとあっという間に崩壊しても不思議ではありません。

コロナでマスクが日本から消えた時、マスクは信じられないほど高値で売られ、それでもあっという間に完売しました。

今ではマスクは山積みで、すっかり元の値段に戻っています。

宮古島バブルも、いつまでも熱狂が続くわけではありません。

レンタカーバブル崩壊

実は既に宮古島ではバブルの崩壊が始まっています。

始まっているどころか、もう既に崩壊している業界があります。

それは・・・レンタカー業界です。

宮古島のレンタカーバブルは既に崩壊しました。

これは、レンタカー事業者全員が実感していることです。

宮古島はコロナからの急回復で、観光客が急増した2023年頃、レンタカー不足が深刻でした。

コロナで大手が従業員を減らし、宮古島で使える車の数を減らしていた影響で、稼働できるレンタカーが少なかったところに、国のキャンペーンで大量の観光客が来るようになり、レンタカーの値段が爆上がりしました。

1日4000円ぐらいで借りれていた軽のレンタカーが1万円でも借りれないような異常な時期がありました。

これに目をつけて、宮古島には新規のレンタカー業者が次々に乱入しました。

本土や沖縄本島でノウハウを持つ人が出店するパターンもあれば、全くの未経験者が宮古島バブルに便乗してレンタカー店を開店するパターンもありました。

早期に開業できたところは、最初のうちは荒稼ぎしていました。

ただ、レンタカーバブルは長続きしませんでした。

大手が車の台数を増やし、従業員を増やして元通りになると、あっという間にレンタカー不足は解消。

新規参入したレンタカー店の中には、開業資金を回収することもできないまま撤退した業者もあります。

レンタカーの台数は年々増え続けていますが、レンタカー需要は落ち着いていて、需要と供給のバランスが逆転。

レンタカー業界ではぼったくりは通用しなくなり、価格競争が厳しくなり、客の奪い合い状態。

2年前の狂乱が嘘のように適正価格に戻っていて、ゴールデンウィークでも1日5千円で借りれます。

「宮古島はバブルだからレンタカーは高くても仕方ない」と考えて予約すると痛い目にあいます。

スカイチケットレンタカーなどの比較サイトを見れば、宮古島のレンタカーが値崩れしているのは一目瞭然です。

ホテルバブル崩壊

あっという間にふくらんではじけたレンタカーバブル崩壊に続くのは、ホテルバブル。

宮古島の宿泊施設はなんと350件を超えています。

さすがに建てすぎ。

今でも島のあちこちでホテル建設が続いていて、1年後には400軒を超える勢いです。

宮古島の観光客は増え続けていますが、ホテル建設はそれ以上の勢いで増え続けているので、実はホテルの稼働率はじりじり下がっています。

宮古島バブルが始まったころは、宿泊施設が少ない島に観光客が押し寄せたので、ピーク時は稼働率80%ぐらいのホテルもありました。

今では夏でも稼働率50%ぐらいの大手ホテルもあります。

「バブル期に立派なホテルを建てたのに、真夏でも客室が半分も埋まらない。もっともっと観光客を増やして」というのが新規参入したホテルオーナーの本音です。

ホテル業界を儲けさせるためには、観光客をもっと増やさいないといけませんが、そのためには飛行機の便数を増やす必要があります。

離島の宮古島では、飛行機の便数が観光客数に直結することが、歴史上証明されていて、飛行機の便数が増えれば観光客は増えますが、飛行機が減れば観光客も減ります。

宮古島ではバブル期に関空、名古屋、神戸、福岡からも直行便が飛ぶようになり、香港、韓国、台湾からも国際便が飛んでいますが、これ以上増えるかどうかは微妙なところです。

観光業者はもっと観光客を増やせと言っていますが、島民は観光客が増え続けている現状にうんざりしています。

行政も観光協会も最近では「観光客の量から質」をキャッチフレーズにしています。

以前は「観光客200万人を目標」と市役所が声高に旗を振っていましたが、100万人を超えたあたりで「あれあれ?観光客多すぎない?」となり、SDGs時代の価値観も相まって今では「持続可能な観光」に重点が置かれています。

宮古島が持続可能かどうかという視点で見ると、もう既にホテルの数はキャパオーバー。

人口5万5千人の小さな島に宿泊施設350軒はあまりに多すぎます。

キャパオーバーの証拠は水不足の問題です。

離島の宮古島の水資源は限られています。

ホテルや観光客に配分する水が多すぎて、島民が満足に水を使えない状態になれば、元も子もありません。

最近のホテルはプールつきが多く、大量の水を使いたがりますが、実は既に市役所が制限をかけています。

業者はホテルを建てる前に市役所と水の使用量について合意しなければならないルールになっていて、合意した水の量を超えて使うことはできません。

宿泊業者の中には、市役所が水を配分してくれないならと、独自に水循環システムを入れたり、自分たちで井戸を掘って水を確保しているところもあります。

実は最近宮古島の某所で巨大リゾート計画が動き出していたのですが、水が満足に使えないという理由でとん挫しました。

水を理由にホテル建設をあきらめる事例は表面化していませんが、実はいくつもあるようです。

レンタカーバブルが崩壊したように、ホテルの需要と供給のバランスが崩れれば、ホテルバブルも崩壊します。

ホテルの稼働率がじりじり下がっていることからもわかるように、ホテルの需要と供給は逆転しつつあります。

ホテルが増えすぎた宮古島にこれ以上ホテルを乱立してもいいことはありません。業者もそれはわかっています。

建設中のホテルがいくつもあるので、この先もしばらくは新しいホテルが開業し続けることは間違いありませんが、3年後には落ち着くはずです。

レンタカー同様、ホテルも価格競争で淘汰される時代に向かっています。

家賃バブルの崩壊

宮古島バブルの一番の肝は、家賃バブルです。

レンタカー高騰も、ホテル建てすぎも異常ですが、一番狂っているのは家賃バブル。

建設業者、ホテル業者、リゾートバイト使用者が本土からの働き手の寮として宮古島のアパートを大量に借り上げたことで、宮古島は極端なアパート不足になり、アパート価格の法外に値上がりしました。

1K5万円だったはずが、10万円に。

空室が出れば業者がすぐに抑える、新築アパートは建設時から業者が抑えている、新規事業を宮古島で始めるために自社の従業員用のアパートを建てるところもあるほどです。

異常な家賃バブルの影響で、中古住宅も値上がりし、建設費は高騰、リフォーム費用も高騰しています。

建築業界、不動産業界はウハウハ。バブルに便乗して建築費や家賃を値上げをしても買い手がつくおかしな時代。

島民は結婚しても新居を建てれず、中古物件も見つからず、ファミリー用のアパートに引っ越そうにも空きがなく、、、

島にUターンしたい地元出身者が住む場所は、実家の一択。

移住者が寮に入るパターン以外で家を見つけるのは至難の業。

宮古島バブルで儲かっている業者もありますが、住んでいる感覚からすると、観光業に関わらない島民にとってはマイナス面の方が際立っています。

さて、島民から大ブーイングの家賃バブルですが、、、崩壊へのカウントダウンは始まっています。

レンタカー、ホテルと同様に、小さな島では、需要と供給のバランスが崩れれば、バブルはあっという間に崩壊します。

宮古島では住宅の需要が増え続け、供給不足が顕著でしたが、この需給バランスが逆転する日は必ず来ます。

そのXデーは、宮古島の建設ラッシュが落ち着いた時。

宮古島ではバブル期に三光ソフラン系と三菱地所系のホテルがかなり増えました。

地元の建設業者だけではまかなえず、島外からもかなりの労働者が入っていましたが、この2社のホテル建設はそろそろ落ち着きそうです。

ホテル建設のために本土から来ていた大手建設業者が宮古島から撤退すれば、その分アパートに空室ができます。

これまでは、一つのホテルの工事が終わっても、別の工事があるから寮はキープしている業者があり、住んでいる人がいないのにとりあえず空室を確保し続けるというような動きもありましたが、今後は手放す数が増えるはずです。

ホテルの建設ラッシュは3年以内には落ち着くはずなので、建設業のバブルも落ち着き、少しずつアパートの空室が出るはずです。

残念ながら、アパート価格が以前の1K5万円にまで戻るとは思えませんが、それでも現在の異常で法外な価格設定では誰も入居してくれない未来は来るはずです。

バブルはいつか崩壊します。長続きはしません。

アパート価格を釣り上げているアパートオーナーと不動産業者は、今後の需給のバランスを見極めようとせず、いつまでも高飛車なスタンスのままだと、痛い目にあいます。

少なくとも私は、紙切れ一枚でアパート入居者の家賃を値上げした不動産屋とオーナを許す気はありません。

レンタカー価格が下がり、ホテルが価格競争時代に入りつつあるように、アパートの家賃も、新築住宅の建設費も、中古住宅も、リフォーム費用も、下がる未来が待っている!と希望を込めて断言します。

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