宮古島に移住して5年のshimagurashiです。
宮古島での移住生活がうまくいくかどうかは仕事次第。
南国の楽園のイメージがある宮古島ですが、仕事のきつさや給料の少なさを理由に帰っていく移住者も少なくありません。
人気の仕事や給料、仕事のストレスなど、宮古島の移住者の仕事事情についてまとめました。
移住者に人気の仕事は?
宮古島で移住者の割合が多い業種はホテルやマリンレジャー、飲食店などの観光関連業。介護職や医療関係の仕事も移住者が多いです。
ホテル
宮古島最大のリゾート企業「南西楽園リゾート」は従業員の9割が移住者。その他のホテルも従業員の半分以上は移住者です。
宮古島のホテル業界は極端な人手不足で就職しやすく、移住者に人気ですが、軽い気持ちで働き始めると痛い目に合います。時間が不規則で休みがとりにくく、立ち仕事が多くて身体的にもきついです。
マリンレジャー
マリンレジャー業は不安定です。一年を通して安定して人を雇えるところは限られています。夏は仕事がありますが、冬は別の仕事を探さなくてはなりません。
よほど海が好きなら耐えられますが、夏の強烈な日差しの中での仕事はかなりハードです。
真っ黒に日焼けし、肌がボロボロになります。紫外線を浴びると肌が老化します。宮古島の海の家のスタッフは紫外線の影響で老け顔の人が多いです。
マリンレジャーは移住者に人気の仕事ですが、長続きする人は少ないです。
介護・看護
宮古島には介護士・看護師が不足しています。介護や看護の仕事は移住者が入り込む余地があります。ホテル業と同様に時間が不規則で休みがとりにくく、楽な仕事ではありません。
看護師は資格が必要ですが、介護士は資格がなくても始められます。移住をきっかけに介護士として働き始める人もいます。
島の優良企業はどこ?
宮古島出身者に一番人気の就職先は宮古島市役所です。
毎年行われている公務員採用試験の倍率はかなり高く、狭き門です。難関の試験を突破して市役所で働く移住者は勝ち組と言えます。
一昔前まではコネ採用が多く、移住者は市役所に採用されませんでした。最近ではチラホラ見かけるようになりました。
宮古島で優良企業とされる大手建設会社や製糖工場などは、従業員の大半が地元出身者。移住者はよほど仕事ができるか、特殊な資格を持っていない限り相手にはされません。
アルバイトで食べていける?
「せっかく宮古島に移住するなら会社員は嫌だ」「宮古島に移住してまで組織のルールに縛られたくない」「会社員として働くなら宮古島で生活する意味がない」
私もはじめはそう考えていました。
しかし、アルバイトで生きていくのは簡単ではありません。
宮古島で長く移住生活を続けている人の大半は、会社員として働いています。アルバイトから始めた人も、移住3年以内には長く続けられる仕事を見つけています。
単身移住者ならアルバイトで食いつなぎながら余暇で宮古島ライフを満喫できますが、家族を養うのは無理です。
宮古島の人たちは、島のために働く移住者は歓迎しますが、フラフラしている移住者は嫌いです。
良くも悪くも、宮古島は地元出身者が強い島。宮古島では移住者は「よそ者」です。
定職について一生懸命働けば、地元の人たちとの人脈も広がりますが、いつまでもフラフラしている移住者は冷たい視線を向けられ続けます。
フリーランスの仕事場としてはどう?
フリーランスで稼ぐ力がある人には、宮古島は良い環境です。
パソコン1つで仕事ができるスキルがあれば、宮古島で無理に人脈を広げる必要もありません。
宮古島での生活が長くなると、暑すぎる夏や台風のすさまじさ、島民のルーズさなど、島の悪いところが目につきはじめます。
フリーランスなら宮古島に飽きれば別の場所に引っ越せばいいだけの話です。
フリーランスの移住者は1年~3年で宮古島を去る場合が多いです。数カ月だけ滞在するようなプチ移住者もいます。
フリーランスの移住者は、移住期間が長くなるにつれ、孤独を感じるようになります。島で人脈を広げるためには自分から動かなければなりません。
フリーランスの仕事にインターネットは欠かせませんが、宮古島では台風の度に仕事ができなくなります。
ひどい台風の時には24時間以上停電が続きます。停電が復旧しても、インターネットがつながるまでにはさらに時間がかかります。
カフェ経営はうまくいく?
「宮古島に移住して、悠々自適にカフェでも経営しながらのんびり生活したい」
宮古島移住者にありがちな発想です。私も宮古島でのカフェ経営を空想していた時期がありました。
移住者の中には、カフェ経営で生計を立てている人もいますが、うまくいくのは一握りです。
自営業や飲食店経営の経験者が宮古島で開業するならまだしも、何の知識もなくゼロからのカフェ経営はかなりレベルが高いです。
宮古島では人気のカフェに観光客が集中しています。新規参入は簡単ではありません。
宮古島移住者のカフェ経営については「沖縄移住成功パターン 勝ち組カフェ経営者3人の共通点」に詳しくまとめました。
農業で働くには?
移住者の仕事の中で一番ハードルが高いのが農業です。
宮古島にはサトウキビ畑がたくさんありますが、サトウキビでは稼げません。専業のサトウキビ農家はいません。ほとんどが兼業農家です。
宮古島で農業で稼ぐなら、マンゴーやゴーヤ、ピーマン、いんげん、かぼちゃなどを育てなくてはなりませんが、かなり難しいです。
宮古島は日照時間や土の質、害虫の種類が本土とは違います。本土の農業のノウハウは全く通用しません。宮古島独自の台風対策も学ぶ必要があります。
ノウハウは地元の人から学ぶしかありませんが、簡単には教えてくれません。
最初から自分の畑を持って、作物を育てて成功する移住者はいません。
宮古島の農家に弟子入りし、一生懸命働きながら、少しずつノウハウを学ぶのが近道です。
移住者を受け入れる農家は少なく、よほど真剣に働かなければ相手にしてもらえません。
宮古島に縁もゆかりもない移住者が農業で成功するのはかなり難しいです。挫折して帰っていく移住者も後を絶ちません。
農業同様、漁業もかなり大変です。
会社員は大変?
宮古島でお金を稼ぐ一番現実的な方法は、会社員として働く方法です。
移住生活が長続きしている人は、正社員や契約社員として働いています。
宮古島の会社員は楽ではありません。
休みが少ないです。宮古島には週休2日の職場はほとんどありません。日曜日は休みでも、土曜日は仕事の職場が多いです。
給料はかなり少ないです。沖縄県の給与水準は全国平均の3分の2。宮古島はさらに下回ります。30代会社員の私の給料は10万円台です。
宮古島のリアルな給料事情は「宮古島の仕事探し|正社員・アルバイト・建設作業員のリアルな給料は?」に詳しくまとめました。
ストレスなく働ける?
私は宮古島に移住すればストレスなく働けると思い込んでいましたが、そんなに甘くはありませんでした。宮古島の仕事にもストレスはあります。
給料と休み
給料の少なさ、休みの少なさは仕事のストレス源です。
プライドの高い男性は耐えられなくなります。
給与明細を見るたびに、あまりの給料の少なさに、自分が社会から必要とされていないように感じます。
暑すぎる
観光で数日滞在するなら宮古島の暑さも大歓迎ですが、働き始めると暑さは大敵です。
外での仕事はかなりハードです。宮古島の日差しの強さは殺人的。数分外にいるだけでクラクラする暑さです。
子供の頃からこの環境で育った島の人たちは暑さに強いですが、移住者には耐えがたく外での仕事は大きなストレスになります。
人間関係
移住者の多くがストレスを感じるのが職場での人間関係。
宮古島の人たちは多くを語らないので、職場で空気を読むのが大変です。
お酒の席でストレスを感じる移住者もいます。
宮古島の人たちにとってお酒は重要なコミュニケーションツール。
職場で認められるにはお酒の席にも積極的に顔を出すことが求められます。
何時間も会議をしても結論が出なかったことが、お酒の席でまとまることもあります。
宮古島は小さな職場が多いので、毎日同じ人と顔を合わせることになります。職場の人との相性が良ければラッキーですが、相性が悪ければ地獄です。
通勤
宮古島には通勤のストレスが全くありません。
宮古島で働く一番のメリットは、通勤が楽なこと。
宮古島では車通勤が主流。小さな島なので、通勤時間は10分以内です。
島の人たちはお昼休みには自宅に帰ってお昼ごはんを食べます。昼休みに自宅に帰れるほど、家と職場が近いです。
移住5年の私は通勤が楽なことのありがたみを忘れつつあります。都会の満員電車にはもう一生乗れない体になってしまいました。
移住者は差別される?
宮古島での移住生活がうまくいくかどうかは仕事の選択次第。
仕事は宮古島で人脈を広げるきっかけになります。
縁もゆかりもない宮古島での移住生活。暮らしを豊かにしてくれるのは、人との交流です。
宮古島では移住者は「よそ者」。仕事場でもはじめは「よそ者」です。「よそ者」が仲間に入れてもらうためにはそれなりの努力をしなければなりません。
会社のために働き、同僚のために働き、島に貢献することで、少しずつ仲間として受け入れてもらえるようになります。
島の人たちの働き方、仕事のスタンスを理解しようという気持ちがなければ、移住生活はうまくいきません。
移住者は仕事ができると思われがちなので、多くの仕事を振られたり押しつけられたりすることもあります。
ほとんど仕事をせず定時で帰る島の人を横目に、残業を余儀なくされる移住者もいます。
島の人たちは移住者を差別しているつもりはありませんが、移住者が不公平を感じることはあります。
私は宮古島の人たちの働き方になじめず、職場で大きなストレスを感じ、うつ病寸前の状態になりました。
宮古島に移住してうつ病になるなんて、移住前は信じられませんでしたが、これが現実です。
「移住3年の壁~私が宮古島から帰りたくなった理由~」に私の仕事場での出来事をまとめました。刺激的な内容なので、宮古島の良い面だけを知りたい方は読まない方がいいかもしれません。
仕事のコツ
宮古島の職場でうまくやっていくコツは、適度に空気を読まないことです。
移住者が職場で認められるためには、空気を読むことが求められます。空気を読み、職場で求められていることを察知し、先回りして行動することで、仕事がうまく回ります。
ただし、これをやりすぎると、仕事は増える一方になります。
仕事ができる人だと一度思われると、エンドレスに仕事が降ってきます。
空気を読まないと相手にされませんが、空気を読み過ぎると自分がつぶれてしまいます。
移住者が宮古島の職場でうまくやっていくのは簡単ではありません。
まとめ
「宮古島移住って実際どうなの?【仕事編】」をまとめました。
南国の楽園のイメージがある宮古島ですが、仕事のリアルを知ると移住生活の困難さがわかります。
宮古島での生活がうまくいくかどうかは仕事次第。
宮古島に移住して「楽したい」という発想は危険です。仕事とまじめに向き合うことが、宮古島移住成功の近道です。
当ブログ「宮古島移住だより」では様々な角度から宮古島移住のリアルを発信しています。
宮古島移住って実際どうなの?生活編、お金編、人間関係編も、ぜひ読んでみてください。