【コロナショック】宮古島経済を直撃~バブル崩壊の序章~

宮古島移住5年のshimagurashiです。

新型コロナウイルスによる経済への影響が深刻化する中、宮古島経済もコロナショックの打撃を受けています。

「宮古島バブル」と言われ絶好調だった島の経済は、予期せぬコロナショックにより先行きが怪しくなってきました。

コロナショックの宮古島経済への影響、バブル崩壊のシナリオをまとめました。

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宮古島バブル

観光客の急増とリゾート開発で、宮古島経済は「バブル」と言われるほど好調でした。

2014年に40万人台だった観光客は2018年に114万人を突破。

リゾート開発はすさまじい勢いで進み、宮古島には新しいリゾートホテルが乱立。

海辺で潮風が強く、サトウキビ畑にしかならなかった土地が「リゾート用地」として高値で取引されるようになりました。

宮古島第2の空港、下地島空港が開業した2019年、宮古島バブルはピークに達しました。

建設業界を中心に人手不足が深刻化し、建設作業員の日当が跳ね上がりました。

1日8千円~1万円が相場だった宮古島の建設現場の日当は2万5千円~3万円に高騰。

島外から多くの建設作業員が宮古島に出稼ぎで入ったことで、アパート不足に拍車がかかり、アパートの家賃が高騰。

2019年の夏には、1kで家賃10万円の新築アパートもすぐに居住者が決まる異常事態。

2020年までの3年間で宮古島は激変。離島ののんびりとした空気感は失われ、交通量が増え、人が増えました。

国内観光客だけでなく、海外からのクルーズ船客が急増。数年前まで宮古島に外国人観光客はいませんでしたが、バブルの到来とともに、宮古島のビーチは中国人、台湾人で溢れるようになりました。

宮古島の経済界では「宮古島バブルは長続きしない」という見方が大半でしたが、2020年に入り、バブル崩壊にコロナショックが拍車をかけました。

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コロナショック

中国で新型コロナウイルス感染が拡大した2020年2月頃から宮古島経済にもコロナショックの影響が出始めました。

クルーズ船運休

宮古島の観光客の4割は外国人観光客。その大半は中国・台湾からのクルーズ船の乗客でした。

新型コロナウイルス感染拡大により、2月以降、中国・台湾からのクルーズ船の入港は全てキャンセルされています。

宮古島には年間100隻以上のクルーズ船が寄港。クルーズ船は日帰り観光なのでホテルでの宿泊はありませんが、クルーズ船で宮古島のバス・タクシー業界、ドラッグストア、家電量販店はかなり儲かっていました。

コロナショックによる宮古島の運輸業界への打撃は深刻。

宮古島バブルで新規参入した県外のバス会社はクルーズ船の運休で仕事がなくなりました。

クルーズ船が寄港する日は、地元の人がタクシーに乗れないほど、クルーズ船の乗客送迎にタクシーが集中していましたが、タクシーの配車にも余裕ができました。

クルーズ船が寄港する日には大型スーパーや家電量販店、免税店に中国人が溢れる光景が定着していましたが、コロナショックで全く見かけなくなりました。

飛行機運休・減便

コロナショックにより、宮古島への飛行機が運休、減便しています。

宮古島唯一の国際線、香港エクスプレスの香港―下地島便は2月から運休。

3月に入りJAL・ANAの那覇―宮古島便も一部が運休になりました。

4月に入ると減便が加速。県外から宮古島への直行便は全て運休。

那覇―宮古島便も約半分になりました。飛んでいる飛行機も機内はガラガラです。

特に影響が深刻なのは2019年3月に開業した下地島空港。

宮古島第2の空港として華々しく開業したものの、定期便は成田便、関西便、香港便のみ。

12月からジェットスターの関西便が運休。2月からは香港エクスプレスの香港便が運休。

政府が緊急事態宣言を出した4月には成田便の運休も決まりました。

下地島空港を発着する飛行機は5月6日まで全便運休が決まりました。

空港ターミナルは休館しています。ゴールデンウィークもターミナルは閉鎖されたままです。

空港の運営会社は、航空会社に新規路線開設を働き掛け、関東・関西・中部・九州からの国内線LCC、中国・台湾・韓国からの国際線就航を目指していました。

コロナショックにより状況はかなり厳しくなりました。

新型コロナウイルスの感染拡大により、アジアの航空会社の日本への便は次々に運休しています。

エアラインにとっては、中国・台湾・韓国と那覇を結ぶ便の運航もいつ再開できるか不透明な状況。

下地島空港の新規路線の就航は現実的ではありません。

宮古島の観光関係者の間ではスカイマークの神戸―下地島便の定期便就航が既成事実として語られていましたが、コロナショックでなくなる可能性もあります。

下地島空港は宮古島バブルの象徴。島の経済界には「宮古島バブルが長続きするかどうかは下地島空港次第」という見方があります。

コロナショックによる下地島空港への打撃は、宮古島経済全体に波及します。

観光業界

宮古島バブルの恩恵で宮古島のホテルの稼働率は高い状況が続いていました。春休み、ゴールデンウィ―ク、夏休みなどのピーク時には人気ホテルの稼働率は100%。早めに予約しないと予約は取れない状況でした。

2月までは国内旅行のキャンセルは少ない状況でしたが、3月に入り国内旅行のキャンセルも出始めました。

沖縄では4月に入り新型コロナウイルス感染者が急増。沖縄本島では毎日10人前後の感染が確認されるようになりました。

4月6日、宮古島市は緊急メッセージを発表し、宮古島への旅行自粛を強く呼びかけました。

これを機に宮古島の観光客はさらに落ち込みました。

コロナショックでホテルの稼働率は危機的な状況です。

宮古島東急ホテル&リゾーツなど、一部のホテルは自主的に休業しています。

宮古島バブルの波に乗り、宮古島では新しいリゾートホテルが次々に開業しました。

シギラミラージュ、ザ・リスケープ、シーウッドホテルなど客室数100室規模の大型ホテルの開業も目立ちました。

これまではホテルの客室数が増える分、観光客が増えていたので、経済は好循環でしたが、コロナショックで需給バランスが崩れれば、ホテル業界はかなり厳しくなります。

バブル期に高い建設費を覚悟で宮古島に参入したホテル業者は建設費用を回収しようと必死。コロナショックで宮古島のホテル業界の競争は激化しそうです。

観光地

コロナショックで宮古島の観光地を訪れる人は激減しています。

外国人観光客は全く見かけなくなりました。

バブル期の宮古島では、中国人が大型観光バスで宮古島の観光地を巡り、ビーチには中国人の大声が響いていました。

大型観光バスがスーパーに止まる時間帯は地元の人が買い物できないほどスーパーが混雑していました。中国人はスーパーで買った食材を路上で食べ、ゴミをポイ捨てし、宮古島の景観を壊していました。

与那覇前浜ビーチや砂山ビーチ、東平安名崎などの観光地は、宮古島バブル以前の静けさを取り戻しています。

東洋一の美しさと言われる与那覇前浜ビーチにもほとんど人がいません。毎年12月~3月は観光客が少ないですが、今年はいつも以上にビーチが静かです。

4月に入り、日本人観光客も激減しています。

コロナショックは宮古島の経済界に打撃を与えていますが、バブルの狂乱が落ち着いてきたことに安心感を抱いている島民も少なくありません。

飲食店・居酒屋

コロナショックにより、宮古島でも資金繰りが悪化している企業があります。

土産物店や飲食店、居酒屋など、観光客相手に商売をしている自営業者は、今は我慢の時。

宮古島バブルで宮古島の飲食店や居酒屋は増える一方でした。バブルのピーク時にはどこの居酒屋も満席でした。

従業員の給料や時給を上げたり、店舗数を増やす動きも目立ちました。

新型コロナウイルスの感染拡大で飲み会の自粛ムードも漂い、宮古島でも繁華街の賑わいが消えました。居酒屋の売り上げはかなり減っています。

歓楽街イーザトからは人が消えました。売り上げ半減で済めばましな方です。

宮古島の経済を回すのは地元の人や観光客だけではありません。出稼ぎの建設作業員やリゾートバイトのホテル従業員らは経済を回す上で大きな存在です。

コロナショックで建設ラッシュが落ち着けば、出稼ぎ組は宮古島からいなくなります。

自粛ムードが終わり、宮古島の繁華街に人が戻ったとしても、バブル時のような盛況が戻ることはなさそうです。

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イベント自粛

宮古島でも中止になるイベントが続出しています。

宮古島の2大イベント、全日本トライアスロン宮古島大会、宮古島ロックフェスティバルも中止となりました。

トライアスロンは国内、海外から1700人の選手が出場する大会。これまで35年連続で開催しれましたが初の中止です。

ロックフェスは島外から3000人以上が来島する、宮古島の集客力ナンバーワンイベント。

トライアスロンは4月、ロックフェスは5月の開催ですが、3月上旬には早々に中止が決まりました。

どちらのイベントも、医師会の「新型コロナウイルス感染者がでると、小さな島の医療体制は崩壊する」との指摘を受けて中止になりました。

トライアスロン、ロックフェスの中止で宮古島のホテルでは宿泊キャンセルが急増しています。

トライアスロン、ロックフェス開催時には宮古島のホテルは毎年ほぼ満室になっていました。経済打撃はかなり大きいです。

島民の反応

宮古島バブルの狂乱に翻弄された島民。

経済の先行きを不安視する声がある一方で「コロナショックでやっと静かな暮らしが戻ってくる」と安心している人も少なくありません。

ここ数年の宮古島は異常でした。

人手不足、アパート不足、家賃高騰、建築費高騰、土地の高騰。

島民はバブルの恩恵を受けていません。建設作業員の日当やアルバイトの時給は上がりましたが、会社員の給料は上がっていません。

バブル期の「家賃値上げ問題」は深刻でした。

2千円~5千円の値上げが目立ちましたが、3万円値上げするような悪質なケースもありました。

宮古島バブルによるアパート不足を解消しようと、宮古島にはコンテナハウスや木造住宅も急増しました。

宮古島バブルに便乗し、宮古島では木造アパートやコンテナアパートへの投資がブームになりました。

宮古島の住宅不足は解消されつつあります。コロナショックで宮古島経済が冷え込めば、投資した資金を回収できない状況も考えられます。

バブルで稼ごうと投資に手を出した人は苦労するかもしれませんが、多くの島民は静かな暮らしのありがたさをかみしめています。

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さいごに

コロナショックの影響は宮古島にも出ています。観光客がいなくなれば島の経済は破綻します。

バブルに翻弄された宮古島経済。今こそ、島の魅力を見直すべき時期に来ていると感じます。

宮古島は本来、離島ののんびりとした空気感が魅力の「癒しの島」でした。隣の石垣島に比べると観光客は少ないものの、リピーター率が高く、コアなファンが多い島でした。

ここ数年、宮古島は石垣島に追い付け追い越せの勢いで乱開発が進みました。

バブルで稼いだのは島外企業。地元企業にはお金はほとんど落ちていません。

年間観光客数200万人を目指すと宣言した宮古島市。島民は「もういいよ」と冷ややかです。

宮古島はどんな未来を目指していくのか。「島の素朴さ」を失う開発は、島の魅力を失うことになりかねません。

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