宮古島で移住者が一番多い職場「ユニマットプレシャス」の実態

宮古島移住者にとって、仕事の選択は大きなテーマです。宮古島では移住者にとって「3年が大きな壁」と言われています。この壁を乗り越えている移住者の共通点は、長く続けられる仕事を見つけていることです。

自営業でカフェやダイビングショップを経営する人、農業に挑戦する人などもいますが、宮古島に定着する移住者の多くは、会社員として給料をもらいながら働いています。

宮古島出身者ばかりの職場もあれば、社員のほとんどが移住者という職場もあります。

移住者にとっては、宮古島出身者ばかりの職場よりは、社員のほとんどが移住者の職場の方が、就職しやすく働く上でも違和感は少ないです。

特に移住者が多い職場はホテル業界。地元資本のホテルもありますが、最近では島外資本のリゾートホテルが増えてきました。中でも最大のリゾートホテル会社が「ユニマットプレシャス」。毎年100人の新入社員を迎え入れる巨大企業です。

今回は、宮古島で移住者が一番多い職場「ユニマットプレシャス」についてまとめてみました。

「宮古島東急ホテル&リゾーツ」と「ユニマットプレシャス」

宮古島のリゾートホテルの先駆けは「宮古島東急ホテル&リゾーツ」です。
1984年設立。東洋一美しいといわれる与那覇前浜を望む海岸線沿いにあります。

「ユニマットプレシャス」は「宮古島東急ホテル&リゾーツ」開業の2年後、リゾートホテル業に着手。インギャーマリンガーデン近くの宮古島の南海岸の土地の多くを取得し次々にリゾートホテルを建設しています。

2018年現在の従業員数は「宮古島東急ホテル&リゾーツ」が160人なのに対し「ユニマットプレシャス」は2200人。この数字だけを見ても、「ユニマットプレシャス」がこの30年で急成長したことがわかります。

「宮古島東急ホテル&リゾーツ」はリゾートホテルとしては珍しく地元の人も多く働いていますが、「ユニマットプレシャス」は従業員のほとんどが移住者です。

これほど多くの移住者が働く職場は宮古島には他にはなく「ユニマットプレシャス」は断トツで「移住者が一番多い職場」です。

「ユニマットプレシャス」とは?

「ユニマットプレシャス」は宮古島の南海岸に一大リゾートエリアを築きあげている企業。リゾートホテルだけでなく、ゴルフ場やリゾートウェディング施設、観光温泉施設、居酒屋や飲食店も経営しています。

現在もリゾート開発を続けていて、2018年時点でも、複数のホテル開発が同時進行で行われています。

「ユニマットプレシャス」は「シギラリゾート」「南西楽園」のブランド名で多くの事業を展開しています。

運営するホテルは「ザ・シギラ」「シギラベイサイドスイート・アラマンダ」「ホテルブリーズベイマリーナ」「ウェルネスヴィラ・ブリッサ」

芸能人御用達、一泊70万円の超高級一棟貸しリゾートホテルから、一般的なリゾートホテルまで、幅広く運営しています。

さらに、今年に入って立て続けに「インギャーコーラルヴィレッジ」「ホテルシーブリーズカジュアル」の2つのホテルがオープンしました。

リゾート事業を開始した当初はホテルがメインでしたが、現在は、ゴルフ場、みやげ物店、観光温泉施設、居酒屋・飲食店なども経営。海沿いに別荘地エリアを作って別荘の分譲販売も行っています。

全国的に宮古島がリゾート地として認知されていない時期にリゾート開発を始めた「ユニマットプレシャス」。宮古島への観光人気の高まりとともに企業は急成長しました。

現会長の高橋洋二氏が、2000年代に全国の高額納税者ランキングで1位になったことは、地元では有名な話です。

「ユニマットプレシャス」の採用情報

「ユニマットプレシャス」では毎年新卒採用を行い、中途採用の募集を随時行っています。
従業員数は2200人。今年度の新入社員は約100人。地元出身者は少なく、社員のほとんどは島外出身者です。

さらっと書きましたが、今年度の新入社員は約100人です!こんな会社、宮古島には他にありません。宮古島市役所でも新卒採用人数は20人ほど。宮古島では全社員を合わせても100人に満たない中小企業がほとんどです。

新入社員が100人ということは「毎年100人の移住者を宮古島に連れてきている」とも言えます。ものすごい規模の大きさです。

移住希望者が就職を目指す場合、中途採用になります。私の周りには中途採用で「ユニマットプレシャス」で働いている移住者が多くいます。

新卒採用の初任給は15万円台。都会の感覚からすると低いですが、宮古島では特段低いわけではありません。中途採用者の給料も同様です。

「ユニマットプレシャス」の職場環境

「ユニマットプレシャス」が展開するリゾートエリアは、宮古島の南海岸、インギャーマリンガーデン近くにあります。住所でいうと上野宮国。

島民の7割ほどが暮らし、スーパーやドラッグストアなどが何でも揃う市街地までは車で30分ほど。市街地から車で通う人もいますが、採用したての従業員は社員寮に住むケースがほとんどです。

社員寮はリゾートエリアの近くにあります。基本的には単身用の集合住宅ですが、家族向けの借り上げ住宅もあるそうです。

上野宮国にも小さな集落はありますが、集落に住んでいる移住者はほとんどいません。

アパートやマンションの空き物件がない異常事態の宮古島。「移住したくても家が見つからない」という状態なので、社員寮があるのはとてもありがたいです。特に家族向けの借り上げ住宅を用意しているところは珍しいです。

ホテル業なので時間は不規則で、体力的に厳しい面もあるかもしれませんが「今すぐ宮古島に移住したい」という移住希望者にとっては、移住生活を始めるハードルの低い職場と言えます。

ホームページには載っていない裏話・評判

ここからは「ユニマットプレシャス」で働く人や、以前働いていた人から聞いた話です。

新卒採用者は車を持ってこないように言われるそうです。宮古島に引っ越したあと、必要ならば島で車を購入するように言われるそうです。

「ユニマットプレシャス」が展開するリゾートホテルエリアは、市の中心市街地からは離れているので、日用品の買い物などは車がなければとても不便です。

車がない人は、買い物はどうするかというと、週に何回か社員用の買い物バスが出るそうです。このバスに乗って平良に行き、買い物をします。

「社員寮も完備、買い物にもバスで連れて行ってくれる」と至れり尽くせりですが、車がない人は職場と寮の往復で毎日が過ぎていく人も多いといいます。

憧れのリゾート地での仕事に胸をときめかせていたものの、ホテルで働きだすと「リゾート気分の観光客を相手に仕事をすること」にストレスを感じる人もいるようです。

高級リゾートでは、芸能人を見かけるチャンスもありますが、お金持ちの観光客と自分の収入を比べてむなしさを感じ、辞めていく人もいるそうです。

「ユニマットプレシャス」だけに言えることではありませんが、ホテル業界は全体的に離職率が高いです。中途採用で「ユニマットプレシャス」に就職し、ホテルマンとして移住生活を始める人は多いですが、働きながら違う仕事を探す人や、仕事をやめて内地に帰る人も少なくありません。

津波が心配

リゾート地としての全国的な知名度がほとんどなかった1980年代に、宮古島でリゾート開発をはじめた高橋会長の先見の明はすばらしいものがあります。この30年で宮古島では最大のエゾートエリアを築き上げ、多くの観光客を受け入れています。

ただ、これだけの広大なエリアを、島外資本の企業が手に入れられたのには、あるからくりがあります。

「ユニマットプレシャス」がリゾートエリアを展開する上野宮国の南海岸線沿は、今から220年前に津波で大きな被害を受けた地域です。

1771年4月24日に発生した明和の大津波。震源は石垣島の南東沖約40キロ。津波によって石垣島で約9300人、宮古島で約2500人が亡くなりました。

宮古島で特に大きな被害が出たのが南海岸線。上野宮国と、宮国に隣接する、上野新里、城辺友利、城辺砂川で多くの家が流され、多くの方が亡くなったとされています。

津波以前、宮国、新里、友利、砂川の集落は、海岸線沿いにあったため、津波の直撃を受けました。壊滅的な被害を受けた集落は、津波の後、集落ごと高台に移転しました。

「ユニマットプレシャス」が開発しているエリアは、津波以前に集落があった場所です。

「東日本大震災で壊滅的な被害を受け、高台に移転した集落の跡地で、220年後リゾート開発が行われる」と書くと、イメージしやすいでしょうか。

宮古島には明和の大津波以前にも津波が押し寄せた痕跡が残っています。

地元の人たちの間では「海の近くは危険」というのが共通認識です。

南海岸線沿いにあった集落には、津波から地域を守るための儀式「ナーパイ」が受け継がれています。儀式は毎年「ユニマットプレシャス」のゴルフ場でも行われます。

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まとめ

宮古島で移住者が一番多い職場「ユニマットプレシャス」についてまとめてみました。

ホテル業界は全体的に人手不足。毎日どこかのホテルの求人広告が新聞に掲載されています。リゾートエリアの拡大を続ける「ユニマットプレシャス」も「人手不足」だという声はよく聞きます。

「ユニマットプレシャス」に限らず、ホテル業界は全体的に離職率が高い業種ではありますが、ホテル従業員として長く働いている移住者がいるのも事実です。

特に賃貸空き物件がない異常事態の宮古島では、社員寮や借り上げ住宅がある「ユニマットプレシャス」は有力な選択肢の一つと言えそうです。

移住者にとって仕事の選択は大きなテーマです。この記事が宮古島への移住を目指す皆様の参考になり、1人でも多くの方が幸せな移住生活を送ることを願っています。

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